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2022年上半期不動産・建設業界の現状把握

皆さん、
おはこんばんにちは!
kumazoです!

先日、本業の方で、
施主と建設会社との請負金額交渉の場に立ち会わせていただきました。

建設会社としては、
材料や住宅設備の価格の上昇を理由に
建築費の上昇は避けられないとのことで、
高めの金額の提示を受けました。

建設費用は大きい分、
10%から20%上昇するだけでも、
事業計画が合わなくなってしまいます。

なんとか減額案を探りながら、
金額をすり合わせていくことになりました。

そんな中で、
今後の建設費は高止まりしてしまうのか、
日経新聞の記事をまとめ
不動産・建設業会の現状把握をしてみようと思います。

本編に入る前に、少しだけ自己紹介をさせてください。

Kumazoは一級建築士で不動産・建築業界で15年以上従事し、
マンション・ホテル・戸建て住宅などを設計してきました。
個人的にも不動産投資を行っており、
建築専門の立場から不動産コンサル等を行っております。
現在では、不動産投資用のマンションを設計する立場で、
不動産関係のいろんな方々と仕事をしていることもあり、
内情には明るい立場におります。

不動産投資を正しく理解し、
大失敗をする人やだまされる人が減ればと思い発信をしております。

Kumazoは建築オタクなので、
建築を通して人が幸せにすることができたらうれしいです。


自分で「不動産投資の基本のき」というブログも書いておりますので、
こちらもどうぞ。

では、本編に参りましょう。

1.好調な不動産業界

資材高騰の中、
今期に入り不動産・建設業界では、
過去最高益をだしていることが報じられております。

昔から不動産業界や建設業界の景気の波は、
相場のサイクルより5年遅くやってくると言われております。

それは、
不動産や建設は建物が建つまで計画、設計、建設に
数年単位で時間がかかるからです。
建物が建たないと売上が上がらないため、
投資マネーが流入してから不動産・建設業界が儲かるのが
数年遅れてくるのです。

なので、
株価が最高値を記録した2021年から、
数年遅れて良い決算発表がされます。

また、
現在不動産業界が好調なのは、
コロナで在宅ワークを推進したことにより、
広い住宅への買い替えの動きがあったことが要因です。
そこには日銀の異次元の緩和により住宅ローン変動金利が
過去最低を更新し0.3%台の金利を見かけるという後押しもありました。

上記の要因にプラスして、
コロナバブルにより投資資金が不動産業界に流入したことも上げられます。

他のブログでも
何度も書いているように海外ファンドが日本の建物を買いに来ていて、
実需以外にも投資目的で需要が高まり、
不動産価格の値上がりが続いている状況です。


このように不動産業界は好調でしたが、
米国株価がリセッション入りを避けられないなか、
今後の日本の不動産に影響のありそうな記事をピックアップしました。

2.土地の上昇

前年はマイナスだった路線価が今年に入って再上昇しました。
コロナ禍で住宅需要が高かったことと
円安により海外の投資資金の流入や
時期をずらしてホテル関係、観光関係にも資金回帰したことが要因と
考えられます。

3.原材料高

海外での輸送力が低下している中、
日本国内での建築資材需要が衰えずにいます。
建物を造り始めてしまったら止めることができないので、
材料を購入し続けるしかありません。
材料上昇分について、
メーカーが利益を削って材料費の高騰を飲み込んでいた分が限界を越え、
ゼネコン、施主へと波及していきます。
個別に判断される内容ですが、
ゼネコンかもしくは施主が利益を削るようになっていきます。
話はそれましたが、
輸送能力の低下に加えて工場停止などにともなう原材料不足もあり
原材料は軒並み高騰しております。

参考に日本建設連合会の資料を掲載しますね

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4.円安

日銀は他国とは真逆の景気拡大政策を
未だに取り続けております。
インフレにならない日本は、
金利を下げてるために市場にお金を供給をし続けています。


その中の一つに日本国債の購入をしていりますが、
日本国債の購入が金利を抑える反動で急激な円安になっております。

金利を抑えることにより国内の需要を喚起しつつ、
円安になることにより材料の高騰を受け入れている状況です。

日銀が国債を買い入れることは、
不動産業界に対して融資金利を抑えるというプラスがある反面、
建築材料が高くなるというマイナスの両方の側面があります。


5.設備投資・不動産投資

製造業では
コロナ禍で半導体などのサプライチェーンの混乱により
材料が手に入らなかったことや
今後の脱炭素などへの投資を含めて、
設備投資比率を高めております。

鉄道会社や不動産会社は
コロナ後のGoToトラベルなどのリベンジ消費を期待して、
ホテルや電車・バスなどの交通インフラを整えるために、
投資を増やしております。

また、物流を担う交通系企業は、
物流倉庫などへの投資にも積極的に投資を増やしております。

6.REITの回復

コロナにより一時的にREITの価格が急落していましたが、
ホテル以外のREITはすぐに回復しました。

ホテル系のREITは回復しない状態が続いていましたが、
観光が回復することを期待して、
ホテル系のREITに資金が戻ってきております。

7.アメリカの不動産市況

アメリカでは金利の上昇とウッドショックにより、
住宅供給数が鈍化してきております。

しかし、住宅の需要が抑えられたことにより、
木材の先物価格は下落しました。

また、「洞窟のカナリヤ」と呼ばれている銅は
今後のリセッション入りを見越して、
価格が下落しております。

海外での建築資材の需要が下がり、
日本への供給量が増え価格が抑えられれば良いが、
影響は限定的と考えられます。

7.まとめ

こうして見てみると、
日本国内では日銀政策のおかげで、
不動産業界の売り上げは上昇しております。

米国では
金利上昇に不動産業界がすぐに反応して、
株価も下落しております。

金利が与える影響は計り知れないですね。

金利がまだまだ低く抑えられている日本では
需要が好調です。
そのうえ、円安による輸入資材の上昇は続くと考えられるので、
建物価格の下落は難しそうですね。

原材料の急激な上昇により、
不動産業界の売上は高止まりしそうですが、
企業の利益率の低下はすると考えられます。

売り上げは上がれど、
株価の上昇にはつながらなさそう
な気がしますね。

今後も建築や不動産に役立つ情報を
投稿していきますので、
少しでも参考になった方は、
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