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何のために日本語を教えるのか?中国人日本語教師を分類してみました。

わたしの仕事は日本語の先生の先生です。毎週のように新人が現れて、3週間ほどの訓練プログラムが終わると、ほとんどの教師は中国各地の高校へ派遣されていきます。

正直、日本語学科を卒業しているだけの中国人が日本語の先生になれるとは思いません。でも、とにかく教師が必要ですので、わたしにできることを精一杯行って、頑張ってねと笑顔で送り出すしかありません。

さて、新人教員と「どうして日本語教師の仕事を選んだ」のかを話し合うと大抵面倒臭いことになります。なぜなら日本語の教師に憧れてこの職業を選んだ人はほとんどいないからです。

例えば「本当は日系商社や機械機器メーカーに就職したかったんだけど無理だったので日本語教師に切り換えた」とか、「通訳や翻訳の仕事に疲れた」という消去法で日本語教師を選んだ人がほとんどです。

また弊社としても「日本語教師としての訓練は受けていないけど、日本語の資格もあるから何とかなるだろう」という思惑もあります。わたしはHR担当ではないので採用に関わっていないのですが、この空気は感じます。

たまに日本語教師の経験がある人も入社してきますが、面白いことにさすが経験者という人はなかなかいません。

つまり前職を辞めないといけない理由があったのだろうと思います。経歴も3ヶ月程度がほとんどです(試用期間を突破できなかったのかな・・・)

それで、どうして日本語教師になったのか?ではなくて、何のために今日本語を教えているのか?と質問し、本音を聞き出すようにしています。

何のために日本語を教えているのか?

ほとんどの理由は「仕事だから」です。

授業をすると給料がもらえるので、日本語を教えます。

ですから授業に目標はありません。思いついたことを思いつくままに話します。もちろん日本語を教える訓練を受けていないので仕方がありません。ですからわたしが日本語の教え方を教える訓練をしなければなりません。

ただ、日本語を教えるのが給料のための場合、テクニックを磨く努力をしたいと思わないことです。こうなるとわたしにも、相手にとってもただのストレスです。

ただ最初は仕事と思っていても、日本語を教える魅力にとりつかれる人も現れます。こういった人は強いという印象があります。

次に多いのは「日本語の先生に憧れている」という理由です。

こちらのパターンの場合、すっごく気持ちが楽になるか、それとも死ぬほど辛くなるかのどちらかです。

一つ目のパターンは教壇に立つ自分が好きなタイプです。

これは最悪です。模擬授業に参加すると、基本、何を言っているのかわからないことがほとんどです。恐らく本人も自分が何を話しているのかわかっていません。

また何を話すべきか、話べきでないかを理解していないこともほとんどです。そしてこれを指摘すると感情的になる事がほとんどです。一度感情的になると、とても時間がかかります。そしてわたしは心底疲れます。

もう一つのパターンは、学生のため、学習者のために教えるテクニックを磨きたいと思っているタイプです。こういった先生に出会えると、この仕事していて本当に良かったって思えます。

互いに楽しく訓練プログラムを終えて、学校に送り届けます。こういう先生は学生からも愛されて成功します。

こういった先生ばかりですと、会社へ行くのが楽しくて仕方なくなりそうです。

◇◇◇

すでに100人以上の日本語教師の訓練に参加しました。そのわたしが個人的な感覚でざっくり分けると、6.5:3:0.5です。

あまりやる気がなかったり向上心のない教師と接すると疲れてしまいます。とはいえ中国の高校生に日本語教育をするという現場で働けていることは素晴らしいと思います。

また、生徒思いの教師が少しずつですが増えている感触もあります。この感触がなくなったらどうなるのだろうって不安に思うこともありますが、それはその時に考えれば良いと思うようにしています。

今日も最後まで読んでくれてありがとう。また明日!

ぜひぜひ、サポートをお願いします。現在日本円での収入がなく、いただいたものは日本語教材や資料の購入にあてます。本当にありがとうございます。