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中国の労働契約と日本語教師のお給料のお話

最近、海外で日本語を教える仕事を選び、実際に出国する人が増えているようです。中国にもあたらしい英語教師がアメリカからなど入国したと聞くことがあります。

そこで気になるのがお給料です。

中国の大学などの場合、週8コマほどの授業で月収8000元(16万程度)の募集が一般的です。

16万って少ないなと思うかもしれませんが、寮は学校持ちですし、光熱費やネットの費用も必要ありません。恐らく食事も学校の食堂を使えるでしょうから、授業をしつつ大学内で暮らすことにストレスがなければ毎月7000元くらいは貯金できそうです。

さてわたしの様に学校に派遣されるタイプではない日本語教師の場合、つまり一般の言語教室で授業を行うような場合、給料はどうなるのでしょうか?

わたしが住む都市ですと、大抵どの日本語教室でも時給100元程度の契約になります。ビザが出ているのに時給ってどういうこと?って思う人もいると思いますので、中国の労働契約あるあるについてご紹介します。

中国では基本給+歩合給という契約が多い

しかし基本給の意味が微妙

基本給5000元、そして授業を行った場合は、1時間あたり100元という契約を結びます。問題は、この基本給に50時間分の授業が含まれていると言うことです。

つまり5月に60時間授業を行ったとしましょう。すると、5月の給料は6000元となります。ですから5月に50時間しか授業をしなければ基本給5000元が支給されます。

では50時間に達しなかった場合は、どうなるかというと会社との契約にもよりますが、場合によっては休んだと見なされて基本給から差し引かれることもあります。

それで一般の日本語教室に、実際には時給で雇われている日本語教師も少なくありません。

さらに所得税や社会保険料も天引きされる

そして日本と同じく、収入に対して所得税がかかります。所得税率はたいしたことはありません。3%くらいです。ただ月収が12000元を超えると所得税率は10%に跳ね上がります。

毎年春の時期に、中国でも確定申告のようなものを行います。扶養家族や住宅ローンの状況、賃貸費用などをスマホのアプリで入力すると納め過ぎた税金を還付してくれます。

わたしの場合、毎年数万円の還付があります。アプリで申請し、受理されると数日で指定した銀行に振り込まれてきます。ちょっとしたお小遣いをもらった気分で嬉しいです。

また毎月社会保険料と年金のようなものも天引きされています。会社が50%、自分も50%負担しています。これらは引き出せない積み立てのようなものです。わたしのような外国人の場合、日本へ帰国する際に解約し、積み立てたものを引き出せるそうですが・・・直接的な知り合いに試した人がいないので、どんな感じかわかりません。

日本語教師の給料は高いのか?

我が街では暮らしていくのは難しい

昨日、不動産屋さんジャオさんにワンルームマンションの相場を聞きました。わたしの勤務先を中心として、地下鉄で3駅圏内ですと・・・築30年くらいのボロいマンションで月2000元〜3000元程度、ルームシェア、つまりキッチンとトイレ・バスルームは共用で部屋は個室の場合、1400元〜2200元程度だそうです。

上を目指すと天井知らず、駅の上の高級マンション1DKで18000元と言ってました。1800元って約36万円。誰が住んでいるのかなって興味があります。

わたしの家は築40年越えの昭和の県営住宅のような家です。間取りは2DKで6300元です。地元の人からはお手頃の家を見つけたねと言われます。自分としてはコスパ最悪です。6300元って約12万6000円です・・・

そんなわけで、基本給5000元で独り暮らしはかなりのハードモードでしょう。人気の日本教師となり毎月100時間くらいバンバン授業しても月給1万元です。週25時間授業って気力と体力をすり減らします。

もちろん通勤時間を1時間とかにすれば家賃を下げることができます。それでも家賃を半分にすることはできないと思うので、生活は楽にはならず、むしろ毎日通勤のために地下鉄を利用するストレスを抱え込むことになると思います。

子どもの勉強を見てあげる仕事が100元くらい

最近、放課後に子どもの宿題を見てあげるだけの仕事があります。何も教えずに子どもが真面目に勉強しているか見守る仕事が1時間100元くらい。

そして、家庭教師のような仕事ですと1時間150元くらいだそうです。知り合いの中国人もそういう仕事をしています。彼女は月曜日から金曜日まで、毎日午後5時から7時まで宿題をみてあげて月給約6000円です。

日本語教師の仕事より楽で、なおかつ高収入ですね。ちょっとうらやましいです。ただ6000元(約12万円)では当然暮らせません。夫婦2人で働けば、生活は急速に楽になります。

そんなわけで、もはやここで外国人だから給料高いんでしょう〜ってことなくなってしまいました。しかし、もしあなたが白人で金髪で青い目だったら時給300元(6000円)とかの仕事も珍しくありません。これはどうにかした方が良いぞって本気で思ってます。

◇◇◇

今日はなんだか夢のないお話になってしまいました。今後、この状況に対処するかというと、昇給を辛抱強く交渉するくらいしかないと思います。

物価は急速にアップしています。2015年に住んでいた家に、今友人が住んでいますが、この7年で約50%家賃がアップしました。ですから給料も50%アップしても不思議ではないわけです。

それで、中国人と同じく待遇の改善を求めたりするのも大切だなって感じます。でも就労許可の問題もあるので、よく考えて行動しないといけませんね。

今日も最後まで読んでくれてありがとう。また明日。

ぜひぜひ、サポートをお願いします。現在日本円での収入がなく、いただいたものは日本語教材や資料の購入にあてます。本当にありがとうございます。