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モノによる支配

皆さんには何かハマっているモノ、収集しているモノはありますか?

人は皆、モノに支配された生き物であることは自明のことなのですが、意外と皆さん気づいていないですよね。

少し考えてみたらすぐわかることです。

例えば最初に「ハマっているもの」「集めているもの」と問いました。もちろんいるでしょう。例えば、何かのフィギュア、マンガ本、プラモデル、レコード、時計、スニーカー、自分で取り収めてる写真、もっとマニアックになればお菓子のパッケージなどもその対象になっていたりします。

でも、収集している人だけがモノに取り憑かれているわけではない。

何を言っているんだ?という声が四方八方からきこえてきそうですが、実際にはそうなんです。ほとんどの人が取り憑かれています。

10年くらい前かな「断捨離」って言葉が流行り出したのは。「余計なものを捨てましょう!身軽になりましょう!長く使えるモノを大事に!」みたいになりましたよね?

この辺りから、「大量に消費して、あれやこれやと抱え込むのはダサいからやめよう」って風潮になりました。

ファッション/アパレルにかんしても、「毎年の流行追ってるのダサくね?」とか、「流行りを売り物にしてるショップスタッフも、なんか勘違い感がダサいよね?」みたいな風になりました。

そもそもブランドものを追いかけていたのは今から30年以上も前の話であって、いつの時代に生きてるの?というのが今のファッション業界。

ファッションだけでなく色んなところでモノが売れなくなった。大量生産・大量消費が終わった。

それでも「モノづくり」にしか目がいかないこの国は、そもそも50年以上前からオワコンなんですが、誰もそれを批判もしないし、社会もかわろとしない。終わってますね。

そんな中で、アップルのスティーブ・ジョブズが注目されて、「ミニマル」に拍車がかかった。

シンプルで数持たないのがイイって、意識高い系が飛びついたんですね。

ここも日本のしょうもないところです。

さて、ここまできてやっと本題。

気付きませんか?人はモノに支配されていることを。

「持たないことがイケてる」となって断捨離して、次に手に入れたモノは、「ミニマル」なモノなんです。

ジョブズの真似して、「これしか着ない」ってなった人は、その「これしか」のモノに支配されてる。さらにジョブズの真似してニューバランスのスニーカーにこだわる人、その人はニューバランスのスニーカーに神格化されたジョブズの面影を無意識のうちに重ね合わせてる。場合によっては意識的にでもある。

そうやって、手持ちの数を減らそうが、増やそうが、常に人はモノに影響を受けて生きているのですよ。

それが服だろうが、何か宗教の偶像だろうが、アイドルのグッズだろうが、ライブ配信アプリの中の素人イケメンや素人アイドルであろうがです。実際に会うことができて、その相手と交流してその場は満足してもです。

その後その相手を想起させる香りであれ何であれ、なにかモノがなければ人は満足しない。

人はつねに何かしらのモノに支配され、影響されて生きている。

だからといって大量生産・大量消費を支持するわけではないです。

それは地球環境としてエコではないし、馬鹿げているから。

だって、そもそも論ですもの。つまり、誰が買うわけ?!って話でしょ。

モノはゼロにはできない。

そう、人間は欲の塊です。だからこそ、エコであり、かつモノへの欲求を満たす社会を想像する必要があるのです。

そしてその先に待ち受けるのは、新たな課題です。勘のいい人はもうすでに問題視されているとおもいますが、例をあげるなら、AIやVRの存在ですね。

その話はまたこんど。

ではでは。

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