旅記 古典部と重文と温泉を巡る旅 二日目
朝はまず入れ替わった温泉に浸かりに行きました。
あがると朝食の時間までに日枝神社を参拝しました。早朝なので誰もいません。神妙な顔をしながら旅行の無事を祈願しました。
旅館の朝食です。朴葉味噌おいしいですし、漬物、あえ物、どれもご飯が進んで結局三杯もいただきました。
お部屋で一眠りしてチェックアウト。
まず向かったのは不動橋。折木と福部がいますよ!
本日は高山の歴史的な建物を見ておこうと、まず向かったのはすぐ近くの宮地家住宅。土日しか開いていないんですと。無計画でしたが運がいい。
明治8年ごろの大火で燃え、明治12年に再建された小売商家です。農業もしていたとか。古い間取りを残したまま現在まで伝わっています。玄関を入ったすぐの高い吹き抜けは気持ちのいいものがあります。あれこれ管理人さんに質問や感想を伝えると、管理人室の引き上げ式蔀戸を見せてもらったり、跳ね上げ式の玄関門扉を動かしてくれたり、大火からの再建時は一帯申し合わせて同じ規格の建材を仕入れ、同一規格で大量の住宅を再建していった合理性があったとか、だから古い家の軒の高さは全部同じとか、もう本当に親切に色々教えてくれました。何事の聞いてみるものです。大変お世話になりありがとうございました。
お次は吉島家住宅。明治38年の大火後に再建された部分が重要文化財に指定されているとのこと。ここは必ず行ってほしい。建築に興味のある人ならば絶対に楽しい。最大の見どころは土間の吹き抜け空間です。中央の大黒柱から梁が巡らされますが、上部の規則的な空間成型のために梁が計算されて渡されています。天窓からの明かりが古来からの陰影美を伝えます。
それだけではありません。座敷ごとに床、天井の高さが異なったり、天井材の趣向を使い分けてあったり、何というか空間の品位が段違いです。ここまで細かく切り分けて設計しているとか最高です。言葉になりません。
店、座敷、裏などなど空間の区切り方も多種多様です。襖、障子、欄間、格子、それぞれを使い分けることで時に大胆に、時に繊細に切り分けがされています。涎が垂れて止まりません。
おとなり、日下部家住宅。こちらは明治12年とのこと。
入った第一声が「とんでもないことになっている」でした。三連休でイベントをするとのことでした。歴史的建造物もこうやって化石にせず、現在に活かされていく様子を見ると学ぶべきことがあります。
ただ、まあ、衝撃的ですよ、これは。
民芸館としても運営されているとのことで、内部には当時の民具がたくさん展示されていました。そういったものを見るのも楽しいですよね(ただし吉島家に圧倒されて楽しむ元気はもうなかったのです……)
三件を回って昼も過ぎていました。へとへとになりながら暖簾をくぐったのは手打ちそば恵比寿さん。建物自体歴史が古そう。お蕎麦は蕎麦を食べているという感じでした。食レポが下手すぎて意味わかんないと思うので実際に食べに行ってください。
食後はお土産を買って駐車場まで戻ります。タクシーを拾おうかとお店の人に尋ねたら、高山のタクシーは電話で呼ばないと捕まえられないんですと。そもそも台数が走ってないので。歩くかなあ。
結果、それで正解でした。
午後からは一路東へ。目指すは平湯温泉。
一時間ほど山道を行きます。上り下りに急カーブ。落ちたら一巻のおしまいだなあと思いながら途中道を間違えて絶叫しつつようやく到着。折木がバス酔いするのも頷ける。90分無料の駐車場に入れて少し歩くと平湯神社、その脇に平湯民俗館、と付属の公衆露天風呂。寸志を入れて入浴。洗い場はありませんのでかけ湯してそのままドボンです。
疲れ切った体に染み渡る……というより体が解けていく。温泉は黄土色の濁りがあって効能高そう。よかった。(調べればいいものを)
上がって着替えているとちょうど同じタイミングで上がったおじさんと世間話になり、おすすめの高山ラーメンのお店を紹介してもらいました。帰路では結局一度高山まで戻らなければいけないので、さっそく食べに向かいました。
と、その前に近くのカフェで一服。山道運転のエネルギーチャージです。これ、タイセツナコト。
また一時間かけて山を下る。
バイパス沿い。紹介された宮川そばさん。
総括:また行きます。次は城跡と江名子川沿い、気になった家具店と文房具店、紹介された居酒屋、光ミュージアム、水無神社、もう一回吉島家住宅辺りに行きたいです。あと、箱の中の欠落で折木と福部が歩いたルートを再現したいです。
見出しはみんなのフォトギャラリーより、おくちはるさまのくまのイラストをお借りしました。ありがとうございます。