お盆スタイルダンジョン

そろそろお盆休みが終わろうとしている。
今までが
対祝日のような働き方をしていたので
自分にとっては初めてのお盆休みだった。

お盆休み前日は
年明けのカウンドダウンのように
心の中のブロードウェイの民衆が
マスクをしながらウキウキしていたが

いざ、お盆休みに入ってると
昨日までいたブロードウェイの民衆は、

あれ、昨日ですか？私ウキウキしてましたか？

のように気持ちは冷めていた。

一週間ほどあるお盆休み。
事前に友人との遊ぶ約束は計画していたが
あとの時間はフリースタイルであった。

たまにはカフェにも行ってみようかなと。
一人でマイク、ではなく
ノートとペンを携えて行った。

お盆休みという
言い訳カードを使い、
普段は飲まないような高めの
コーヒーを頼み
マインドフルネス並みにボケっーとする。

心は静な気持ちになったが
耳は騒な気持ちになっていため、

隣のお客さんの会話が
よく聞こえていた。

パソコンを使いながら
プレゼンをしている人。

インスタのストーリーについて
話している人。

仕事の愚痴や
友人の愚痴をこぼす人。

高めのコーヒーを頼み、
元を取ろうと
自称高貴な飲み方をする自分。

ぼけっーとしていたからなのか、
カフェという
同じ場所にいるのに、
違う場所のように感じる。

お盆だけどみんなが
それぞれの環境で
日々に向かって
フリースタイルをかましているのか。

そして、いつかくる
２０２２年年末に
ブロードウェイのように
マスクしながら家族、友人、恋人と
一緒に集まって今年一年が
締めくくれるように。

そんな目視できない
気持ちのお土産を
貰ったような気がして、
カフェを出た。

そしてテーブルには
一滴も残っていない
グラスだけが残った。