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固定資産税0円!?古民家を購入したの?

5月あたまのGWがあけ、そこそこ暇なカフェを開けながら、実は、熊野野菜カフェから車で10分ほどのところに古民家を購入しました。買ったこの家、もし買われなければ、そのまま放置されるだけだったという田舎あるあるな古民家。

暇だといいながらも古民家購入までの道のりが本当に大変だったので、田舎あるあるも交えながら紹介しようと思います。

田舎の古民家の値段がヤバイ!驚きの○○円

今回購入した古民家は、バス停からも近く、宿泊に人気のエリアからも歩いて30分という、立地はなかなかいい所で、建物は築年数100年以上というとっても古い家。時代時代で増改築しながら住んでいたこともあり、古い土間だったところがあったり、綺麗にリノベされたキッチンやトイレ、お風呂があったり、家の前には見晴らしの良い古い木造の縁側があったりと、きちんとメンテナンスをすればそこそこいい家になりそうなんです。そして今回購入に至った理由が、都会じゃ考えられないほどの値段で土地と家を購入することができたこと。さて、おいくらだったのか?気になる人は、直接、私に聞いてください。だいたい、中古軽自動車の安いやつが買えるほどの値段でした。

それでも買い手がなかなかいないというこの物件。

なぜかと言うと、1つ目の理由は、不動産屋が入っても売上自体が安いので手数料で儲からない為、不動産屋からも断れてしまうということ。そして2つ目の理由は、登記上の問題がありました。

推定140歳のおばあちゃんが家の持ち主?

家を売り買いする時に、登記を売り主から買い主に移すのですが、実は、土地と家の登記上の持ち主が違ったんです。
とは言っても、土地の持ち主さんが子供のころからご両親とずっと住んでいた家で、登記を調べるまで自分たちの登記になっていると思っていたそうなんです。が、蓋をあけたら、知らない人の名前になってる。そこで、近所の情報通の内科のお医者さんに聞くと、「そーいう名前を聞いたことあるけど、自分も会ったことがない」という。そして唯一の手がかりになりそうだったのが、孫だろうというKさん。

そこで、先生を通してKさんに戸籍謄本を取ってもらうことになりました。そもそも、誰が相続人になるのかを調査することからはじまなくてはならなくなりました。

登記上の名義になっている人は、生きていれば推定140歳。もちろん亡くなっているということで、まずは相続人を見つけることが必要です。そこで、今回は、孫であろうというKさんが見つかったことで、戸籍謄本で家系を遡って取得してもらうことで相続人のあぶり出しを。
それと同時に、家の固定資産税を誰が払っているのか?ということも、市役所に行って調べてみることに。ただし、固定資産税に関しては個人情報の為、委任状がないと教えてもらえないんですが、土地の持ち主の委任状と司法書士の先生に電話してもらって、調べてもらうと、そもそもこの家の情報が抹消されていてないとのことがわかりました。固定資産税も取れないほど古く価値のない家ということだそうです。

そして、そもそもこの土地は、中辺路町が田辺に合併する時に、市が家の持ち主に安く売ったという土地で、その時に家の登記のことを町が調べていたら、こんなややこしいことにはなってなかったんじゃないかということもわかってきました。販売にあたり上屋の登記を調べずに土地を販売していた?そういうことは本来あっちゃならないと司法書士の先生はおっしゃいましたが、そうなんです、田舎だとそんなこともあるんです。

どうする?家の登記を移すには膨大な費用と時間が必要

ここから先はどうすることもできず、司法書士の先生にいろいろ相談。すると鼻で笑われるほど、大変だから壊して建て直すか、辞めときなということを最初に言われ、苦笑い。

そもそも家の雰囲気が好きだし、壊すんだったらここを買う意味がないということで改めて目的ができるような抜け道も含めて考えることにしました。

目的は、「建物を活用して民泊ができるようにする」ということだったので、いろいろ検討し調べた結果、「登記を移さずにできる方法」で、登記はそのままでとりあえず土地の登記だけ売買する形ですすめましたが、参考の為、もし、家を登記するにはどうしたらいいのか?流れを先生に教えてもらいました。

そもそも登記をするには、
1,「この家が登記上の家と同じである」ということを最初に調べる
増築された家は登記されている家と住所は同じであるものの、平米数はまったく違う。なので、近所の人たちの聞き取りからはじまり、法的に同じであるということをまずは証明する必要があるそうです。それを調べるだけでも10万円ぐらいかかるのだとか。そして100年以上も前の家の大工さんや関わった人も亡くなっている可能性が高い為、それ自体を証明するのもかなり難しそうです。
2,家の確認ができたら。2−1同じ家と判断されれば相続権をもつみんなから委任状や印鑑証明などを集め、登記を進める。2−2もしくは、違う家だと判断されれば、登記の抹消を行い新たに登記するの2選。
登記と家の関係確認次第で、2つの道があります。ひとつは、この家が登記上の家であったと確認されれば、140歳のおばあちゃんから相続権がある人全員の委任状や印鑑証明などを集めて、登記を移す作業が発生します。この全員というところがポイントで、全員の数が多ければ多いほど費用と時間がかかってきます。また、その中に所在不明な人がいたら、もう目もあてられません。
そしてもう一つが、この家とは違いますという証明になった場合、登記上の相続権がある人の承認を得て、この家の登記を抹消します。抹消して登録すれば簡単じゃんって、思うでしょ。そこからがさらに大変なのだそうで、本来その家を建てた大工さんや建築会社の証明が必要になってくるそうです。ま、どちらの道のりもかなり大変だということ。。。

登記するには、上記を通らないといけないのですが、今回の民泊ということであれば、相続権のある人数が少なかった為、その人の委任状と印鑑証明をもらうことで民泊も開始できるよう、保健所と話をしてきました。民泊を希望する場合、他でも登記問題で1年以上審査に出せてないところがあると聞きます。クレームにつながるからということで、登記や所有者の確認が必要なのはわかるのですが、相続人全員の委任状ではなく1人でも委任状がもらえればいいようにしてくれるともっと民泊も広がると思うんです。

法と地方の実情の相違

権利問題による調査などの長期化で、民泊申請できないということを良く聞くんですが、さらに言うと、田舎では放置された空き家がかなり多くあります。時々帰ってこられる家もあるのですが、中には朽ち果ててしまって、誰の持ち物かもわからないような家もしばしば。それでも、家を壊してしまうと土地の固定資産税があがってしまうため、家をそのまま放置するしかなかったり。また、家を壊す費用も膨大で、途方にくれている人も多い。そういう話がこれからもどんどん増えていくと思われるんです、だからこそもうちょっと柔軟に対応することはできないものかと考えてしまうのです。法的な立場では難しいことはわかっているんですけどね。

結果、上屋の登記はそのままに

今回の物件は、店からも近い為、たまに寝れたらいいし、民泊できればいいので、私としては登記が必要なわけではない。ということで、相続権がある人たちに相談し、ある条件がそろってから登記するのはすすめることに。でも、登記で50〜100万必要だと言われてしまうと、田舎あるあるにのっとったカタチで登記しなくてもいいかなと思ってしまいます。ただ、土地を売る際は、相続権のある人が1人サインしてくれれば、家は壊すことができるので、登記の話を承知で購入してもらうか、家を壊して土地を販売するということで、大金はたいて登記する必要はないのかもしれません。

今回はたまたま、登記上の末裔の人たちがわかり、その人たちに話をすると承諾してくれたから、よかったのですが、そうじゃない物件も多いそう。ドラえもんがいると言われる21世紀であるのに、田舎ってそんなに進んでないことが多い。そこが良かったりもするんですけどね。

民泊はじめます!楽しく改装やってみませんか?!

ということで、カフェに続き、今度は民泊をはじめることとなりましたが、この家、屋根や畳や床は、大工さんにお願いするんですけど、それ以外の部分の改装なんかを今後、ちまちまやっていこうかと思ってます。そこで、手伝ってくれる人を募集します。そんな助っ人のみなさんに、無料宿泊券なんてのもプレゼントしちゃおうかとも思ってるんですが。バーベキューできたり、山から水も来てるので、流しそうめんしたり、いろいろ楽しめそうな家です。ぜひ、バーベキュー食べながら、星空を見て、宿泊しながら、改装の手伝いしてるなんて旅行はどうですか?

そして、さらにさらに、また面白いことも考えてます。この続きはまた。

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