秘めた言葉を、受け取る相手は。

あなたに言葉を求められるたび
わたしの口が結ばれていくことに、
あなたは気づいていたのかな。
「言わないとわからない」と、
「黙っていたらわからない」と、
あなたは言っていたれど。
視線で、態度で、ため息で。
わたしが取り出そうとする言葉を
上から封じ込めていたことに、
ねぇ、あなたは気づいていた？

まるで氷のような美しさの中に、
天然石とパールが静かに眠っている。
わたしが心に秘めている言葉のように、
透き通るそれの中で、大切に守られている。

わたしの中にも、言葉はあるよ。
愛らしく光るパールのように、
さりげなく主張する天然石のように、
見ようと思えば見えるものたち。

そうよ、見ようとしなかったのは、
受け取ろうとしなかったのは、
他でもないよ、あなたでしょう。
「だから」「それで」「なにが」の
トゲのある言葉で、悪意のある威圧感で、
わたしの中に確かにあった言葉たちを
踏み潰してきたのはあなたでしょう。

だいじょうぶ、不安になったら指に触れる。
少しコツコツとした温度のないそれの中に、
いつだって小さなパールが守られている。
そうしてわたしも、いつだって思い出せる。
わたしの言葉たちだって、おんなじように、
大事に守られていいんだって。

心の中から取り出した大切な言葉たち。
それを誰に渡すかを決めるのは、
わたしなんだよ。わたしが決めるの。
だからね、なんにも言わないよ。
なんにも言わずに、さようなら。

心の中が見えなくなったら、
また、わたしに教えてくれる？
ちゃんとあるよ、眠っているよ、
あなたの言葉はここにあるよって。
また、わたしに気づかせてくれる？
そう願いながら、視線を落とす。
静かに光を吸い込んだリングが、
やさしくわたしに光を返してくる。
「だいじょうぶよ、あなたなら」。
そう言ってくれているみたいに。

アクセサリーから想像したストーリーです

m y u ... さま
【 Instagram 】
https://www.instagram.com/myu.22/
【 minne 】
https://minne.com/@m120x