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移住後の相談 Aさんのお話

私が運営している佐渡UIターンサポートセンターは移住後の相談にも乗っています。佐渡移住した後、住み続けてもらいたいからむしろアフターフォローのほうが大切だと思っていて、うちが駆け込み寺になれば・・・と思っていました。

過去のブログでそのアフターフォローがうまくいったAさんの話を載せておきます。

「何か仕事できねぇかなぁ・・・」そう言ってある日SUIを訪ねてきたおじさん。(以下Aさん)

よくよく話を聞くと、

・親の介護で単身Uターンをした。
・現在無職。
・介護のため午後2時ごろから5時ごろまでしか働けない。
・区民税の負担がきつい。(住民税は前年の所得に対して税金がかかる)

50代後半〜親の介護で・・・Uターンは日本中どこにもよく聞く話で、佐渡ももちろん例外ではない。

まだ働ける年齢だけど、働ける時間が決まっている。ハローワークへ行ってもそんな時間の仕事は見つからない。何か情報がないか・・・と藁をもすがる気持ちでうちにいらっしゃったのだろう。

もし農作物の収穫時期だったらまだどうにかなったかもしれない。だけど、相談いただいた時期は7月。草刈りくらいしか必要ない時期。

そんな中、一つ心当たりがあったので、「あたってみますね」と連絡先を聞き、一旦おかえりいただいた。

その心当たりは、牛舎の仕事。
数日前、佐渡の方から「JA佐渡の畜産の仕事になかなか人が集まらない。誰か移住相談で興味のある方がいたら教えて欲しい」と言われていた。正直、移住相談で「畜産やりたいです」という方には過去一人しかお会いしたことがない。(・・・いや、正確には酪農だったので畜産ではなかったが、牛ということだけでこちらが畜産の仕事も一応ご紹介しただけ。)

その話の中で、「人が集まらないからシルバー人材に頼んでいる」という話があった。シルバー人材なら!と今回の65歳UターンのAさん(牛舎からも家近い)を紹介してみた。元大工だというので体力はきっとあるはず。

JA佐渡の畜産部と面談をし、結局「シルバー人材に登録することになり、牛の仕事があれば行けると思う」というご報告をこの方から後日いただいた。

実はそのやり取りの間、これまたうちに「お盆前に草刈りに来て欲しいんだけど、1日だけのアルバイト来てもらえそうな人いないかしら」とご相談に来ていたBさんがいて、聞けば時給1500円いただける。仕事内容は2、3時間で終わること。早速Aさんに連絡したら、お家の下見を兼ねて行ったはずなのにその日のうちに草刈りを終えてきた。「こんなにもらっていいんだかなぁ」と言いながらも嬉しそう。最初いらっしゃったときは本当に「この先どうしたらいいんだ」という不安な表情が見えていたが、たった1日のことでもすごく感謝されて、草刈り後「またこういうのあったら声かけてください」と顔を見せてくれた。

後日BさんからAさん指定でリクエストのご連絡をいただいたので、その後は直接やりとりをしてもらっている。

65歳。介護の隙間時間に労働。
正直非常にきつい。この提案でよかったのか、その後Aさんはどうしていらっしゃるかわからないが、うちにいらっしゃらないということは、それなりの活路が見出されているんだと思う。一度来ていただくと、また困った時がくれば再訪するはずだから。

地域のちょっとした困りごとが1日の労働になる。
草刈りを頼まれたBさんと、時間の制限はあるが比較的自由に動けたAさん。
たまたまのタイミングで不安な表情いっぱいのAさんが救われた。
それだけでもとりあえずは良かった。

「〇〇社で働いています」というようなわかりやすい働き場所ではないけれど、その時間での働き方で精一杯のなさっていると、必ず色んな方から声がかかるようになる。

18歳で佐渡を出て65歳再び佐渡に戻ってくれば、浦島太郎状態。
今の佐渡の人と繋がることは非常に意味のあることだ。

これからもAさんのような相談者はどんどん増えるだろう。
就職は困難かもしれないが、55歳から70歳くらいまではまだまだ必要とされている地域のちょっとした仕事がたくさんある。
その情報収集がますます私たちには必要になってくるな、と思ったケースでした。

佐渡移住暮らし、あれこれ。


こうバッチリもらった情報が繋がると「いい仕事したな」って思えるんですよね。。。コーディネートってこういうことだよねっ・・・ふっ☆彡 て。


3カ月に一度の交流会のときもこういう繋がることがたくさんあって、この間は就職活動中の人が人材不足の企業さんからたくさん名刺もらってました。お互い交流会でひとしきり色んな話をした後だったから、その人の人となりもみれたのではないでしょうか。

そういう繋がりの場を見るの結構好きです。

交流会の場を用意するっていうのがまず必要とされることなんですよね。で、更に必要なのはそこでのスタッフの立ち回り。なかなか気が付かれていないけど「箱」だけ用意してもうまくいかないのはそういうことで目的意識を持った運営が入るってどれだけ重要なのか。。。結構考えています。実はね。

なので、これから移住サポートをしようとしている自治体や団体は「場を用意する」だけ「箱を用意する」だけでは本目的の10%も達していないっていうことに気が付かないとうまくいきません。なので・・・ま、うちの市は心配なことがありますけど、それはどこかでまたお話しましょう。

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