佐渡UIターンサポートセンターがなぜできたか。
2014年11月4日に地域おこし協力隊に着任しました。
それからしばらくして「定住サポートセンター」についての打合せが地域振興課(当時名称)と始まります。
2年後くらいに市役所の外へ、外部委託を考えているのでその基盤づくりを一緒にしましょう、という打合せです。
当時の手帳を見るとかなり頻繁に地域振興課とミーティングしています。(残念ながら今はほとんどないんですけど)
まず、市役所の窓口は土日開いていません。
移住相談する方は当然ながら三連休とか利用なさいますよね。そうすると市役所に置くのは利用者フレンドリーじゃない。
この理由だけでも外部に頼むというのに十分です。
あとやっていくうちにわかったんですけど、移住相談に来る方って5年後の定年退職を迎えて・・・や、子どもの保育園上がるタイミングで・・・など数年先のことが多いです。市の職員は2,3年で異動。相談相手は変わらない顔の方が安心するのでは・・・と思います。
佐渡UIターンサポートセンターができた理由はその2つが大きいです。
じゃあ、外に出してどういうことをするか。
最初は盛りだくさんの案でした。
・移住に関する相談窓口
・移住支援制度の紹介
・空き家の調査・データ登録・見学案内
・体験住宅の管理運営
・体験モニターツアーの企画
・移住者への情報提供・サポート
・交流支援
・移住情報の発信
・移住者データバンク
・移住希望者交流会・・・
それを市とサポートセンター(私一人)でやろうとしてたんだから、大変なことですよね・・・。
結局「あれもこれも一気にできません」ってことで、
・移住相談 移住前/移住後
・情報発信
最終的にこの二つが大きなウェイトを占める内容からスタートしました。
(他にもデータ収集とか細かいことは諸々)
空き家のことも市役所に置いてきました。
隊員的空き家レポは私の協力隊時代のメインな活動でした。空き家調査をしたところの紹介をする「お宅訪問」的なものです。80件くらい書いて50件くらい成約しました。
紹介するだけならいいですけど、空き家の案内や調査やデータ登録となると素人ではよくないだろうと判断したのでお断りしました。現在は地元不動産業者が必ず入ってもらうようになっています。
今でもこのときの印象が強いのか、空き家のことを相談されるんですが、「SUIは一切扱ってないんです。市役所に情報を集約させています。」とあちらに動線を引いています。それだけ印象強く「空き家の人」って残ってるっていうのはそれなりに仕事をして認めてもらったからだなぁ・・・と前向きにとらえていますが、今は違うんですよ。がっかりしないで。
移住相談は「働く・住む・暮らし」の相談を行っています。
ここの「住む」は前述のとおり物件の紹介ではなく、佐渡の集落の特色や賃貸・空き家の現状の様子などいわゆる住むに関する佐渡あるあるみたいなことをお話しています。
長年親しんだ空き家レポをやめましたが、そのときたくさん空き家レポファンがいることがわかりました。それが大きな自信になり、かわりにお仕事レポを始めました。これは市の委託業務ではなく会社の事業としてやっています。求人の広告を出しませんか?という提案です。その企業で働いている「人」を前に出して、企業の魅力を伝える内容です。
佐渡にはこの手の広告がないので、必要だと思ってくれるところはたくさんありました。
「働く」はこの広告頂いた企業を中心にご紹介しています。ただご紹介まで・・・アクションはご自身でとっていただきます。斡旋業も派遣業もしていません。
一番力をいれたいのが「暮らし」の相談。これは実際よそから移り住んだ私たち(SUIの移住コーディネーターは全員Iターン)の生の声だから聴きたいのではないでしょうか。私も佐渡に来る前一番知りたかったことは「移住の先輩方は楽しく幸せに暮らしているのか」ということでした。住む前は先輩移住者のブログを読み漁ったり、住んでからはそのブログを書いている人に直接会いに行ったり・・・。そういうこともあって、誰かの役に立てばいいなと私自身も佐渡移住ブログを始めたんです。
2017年4月ひっそりと市役所の片隅で手作りの看板でスタートした「佐渡UIターンサポートセンター」
2017年11月私の協力隊退任とともに個人への委託という形で市役所の外に出ました。
その間に開業準備を始め、
2018年4月から会社への委託という形で移住コーディネーター二人体制になり、現在に至ります。
やってくうちに「あーあれもあった方がいい」「こういうこともしたほうがいい」とアイデアは湧いてくるし移住相談も多くなりました。一つ一つ登っていくとまた違う景色が見えるものですね。
もし、こういう経験が他自治体や他移住団体のお力になるなら、今までの10年をまとめる旅をしていますので、お声掛けください。
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