愛なんか、知らない。 第5章 ③ガクチカって何ですか?
「後藤さんって、インターンシップにはもう行ったの?」
しばらく、私は話しかけられたことに気づかなかった。
「後藤さんってば」
強く言われて、やっと気づいてノートパソコンから顔を上げた。
「え?」
「インターンシップに行ったの? って聞いたの」
ここは臨床心理学のゼミの教室。同じ3年生の鹿島さんが、ムッとした顔をしていた。
「あ、ごめ、ごめんね、気づかなくて」
「いいけど。すごい集中力だね」
「あー、実験のテーマを何にしようか悩んでて」
「なら、私と同じチームにならない