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オレの後ろに立つな

彼の人はそう申されましたが、わたしは自分の前に人が立つのが苦手だ。特に電車。座っていると満員になり前に人が立つ。当たり前のことなのに、わたしには
「席を譲れ」
「こっちの方が疲れてんだよ。大して疲れてないお前が立てよ」
「チッ」
勝手に脳内変換して動悸が始まる。怖い。殴られるんじゃないだろうか。殴られる?なんで座ってるだけのわたしが殴られる?ふざけんな、殴られるくらいなら殴ってやろうか、このやろう、荷物ぶつけてきやがって(電車が揺れただけ)ますます許せん!

プシュー

電車はいつもこのあたりで目的地に到着し、立っていた人々はいなくなる。なんだ、ただの妄想か。よかった、今日も暴れずに済んだけど、毎回イライラするから前に立たないでほしいなぁ。勝手な妄想を膨らませ、もしかしたら彼の人も怖かったんじゃなかろうか?と想いを馳せたところである閃きがわたしを打った。

最初から自分が立ってりゃ解決だ。

敵を倒すしかなかった彼の人も、他に解決方法があれば良かったのになぁ。

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