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日々掌編短編小説(そよかぜの千夜一夜物語)

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2020年1月1日から、ほぼ毎日掌編小説を執筆中。東南アジア小説をはじめ、興味のあるあらゆるジャンルをネタにして作品を発表しています。ちなみにこちらには「書き下ろし」としてしばら…
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#とは

とは 第1079話・1.15

「約束はどうなった」あれから10日が経過している。しかしあの時以来、あのような不思議な出来…

小さいけど 第956話・9.7

「もっと、ここを......」今俺は、庭を造っている。理想的な庭とは何か?頭の中ではいろいろ浮…

極楽の橋を経由して 第904話・7.16

「先生、もうすぐ橋本駅です」助手で、パートナーでもある出口は、先生こと歴史研究家の八雲に…

中国茶を飲みながら待つ 第896話・7.8

「約束の時間まで、あと1時間ね」つぶやきの主は、父親が質屋を経営して、そこで営業部長とい…

石槌山へ 第891話・7.3

「本当にここまで来てしまった」エドワードこと江藤は、思わず口走った。その横ではパートナー…

すぐに急いで移動って 第876話・6.18

「所長、鳥取砂丘に無事行き、調査が終わりました。帰りの移動中にレポートも出来ましたので、…

Tuwano 第871話・6.13

「津和野は島根県だったのか」旅の途中、津和野駅に向かう列車の中で、緑に覆われた風景をゆったりと眺めながらつぶやく。ときおり線路の継ぎ目に聞こえる音が心地よい。今までしばらくの間、山口県内を旅していた。下関から上陸し、長門、萩、秋吉台と山口県内の観光地を巡る。  昨日は山口市内に行って宿泊した。そのあと行こうと思ったのは津和野。   朝から列車に揺られるさなか、恥ずかしいことに昨日まで津和野はてっきり山口県だとばかり思いこんでいた。乗る列車が山口線というのものあるだろう。だが

能古島から志賀島へ 第857話・5.30

「いい休日だったなあ。さてこの後はどうしようか?」「うーん、確かに初夏の花はきれいだけど…

佐賀駅から 第852話・5.25

「さてと、佐賀駅に着いたが、これからどこに行こうかな」佐賀に旅に来ている。なぜ佐賀に来た…

森林の中に入っていけば 第847話・5.20

「コンクリートのビル群とは大違いだ」社会人2年目の彼はひとりでハイキングに来た。バスに乗…

宇佐神宮から奥宮大元へ 第844話・5.17

「先生、ちょっと頭が痛いですね」歴史研究家の八雲の秘書兼パートナーの出口は、頭を抱えなが…

ドローンでドロンを試みる 第687話・12.10

「マウ吉兄貴、どこへ行くんです?」「チュー太見ろ。あいつで高飛びをするぞ」壁の奥の穴から…

おだやかな眼差しの色グリニッシュイエローのひと色展 第815話・4.18

「さてここに合う色は何かしら?」私は小さな美術館の学芸員。特別展示室の前にいる。でもまだ…

八百屋と八百長 第800話・4.3

「ほう、こちらが宗永さんがいつも利用される八百屋さんですか?」「ええ、今から行く八百屋さんを知ったらスーパーなんてとても」  グルメ雑誌編集長の茨城は、野菜に関する8種類の資格をすべて取得したという野菜評論家の宗永という人物と、ある八百屋に向かっていた。  これは宗永を特集する取材で、野菜の良しあしを知り尽くした彼が実際に仕入れている八百屋さんを紹介しようと言うもの。 「ええ、スーパーにはないところが、昔ながらの八百屋さんにあるんですよ。こちら源頭青果さんは、卸もやっている