子育てのみならず、コミュニケーションが楽になる本でした
最近、prime readingで読み放題だったこの本を読みました。
(これ子育て本ですが、対人間の本だと思っています。)
僕は元々モンテッソーリ教育に興味があったのですでに知っていたことも多かったのですが、だからこそ改めて勉強になったように思います。
なぜなら、知っていることを別の言葉で聞くことでその知識の深みが増すからです。
#同じ話も聞きたい
この本では人の褒め方には3種類あると書いています。
①おざなり褒め
これは、「すごい!」とか「うまいね!」とか、ざっくりと褒める褒め方です。
②人中心褒め
これは「優しいね!」とか、「えらいね!」とか、人を中心とした褒め方です。
そして、
③プロセス褒め
これは「最後まで諦めずにがんばったね!」など試行過程や努力などのプロセスを褒める褒め方です。
この3つの中で③が最も良いと言われているのは何となくわかることですが、なぜそうなのか?を深掘りしてわかりやすく言語化してくれるこの本は中々に面白いです。
例えば1998年の研究では、①と②の褒め方だと子どもの自主性やモチベーションが低下することがわかっているそうです。
「この程度でいいのか」と思うからですね。これは僕自身の幼い記憶が事実だと言っています。手抜いてました。
#小1の先生に対してこの程度でも褒めるんでしょって思ってました
それに対して、③の褒め方は過程を褒められるので「がんばろう」と自然に思えるのだとか。
数学でも過程が大事と言われていましたが、それは「再現性」に繋がるからだと思います。
再現性があればいろんなことに応用できますから、それが人としての成長に繋がるということなのでしょうね。
良いことだとはわかっていても、実際③の褒め方は最初は結構難しかったです。
特に若い頃の体育指導では、怒る(厳しくする)だけで生徒をコントロールしようとしていました。
が、それでは「先生に怒られないようにやろう」とか、「怖いからやろう」とか、先生基準で事を行うので、子ども自身の自主性が低下します。
その結果、その子の好奇心の芽を積むことになり「つまらない」に繋がりやすいのでしょう。
こんな指導じゃダメだ、と勉強してから意識するようになりました。
この③の褒め方は「見たままを元に具体的に言う」ことである程度できるようになったように思います。
そして、それらの知識は全てのコミュニケーションに大いに役立っています。
鉄棒教室を行うときも、
「良い感じ!さかあがりができそうだよ!」というよりも、
「今のけり足は鉄棒に近づいていたね!だからさらに肘を曲げたらお尻が上がって棒に乗れるよ!」などという風に具体的に言葉にするようにしています。
これが全く別ジャンルの初心者向けギター弾き語りレッスンでも同じで、
「Gコード、鳴らないね〜」というよりも、
「今小指で抑えている弦が鳴っていないんだね、じゃあこうしてみるのはどう?」と具体的にアドバイスすることでその後の改善に役立っています。
ようは、「見たままを元に具体的に言う」だけなのでどんな分野でも使えるのだと思います。
僕が昔イライラしてしまってたときは「相手を見ていないとき」でした。
見たままを元に具体的に言うためには相手を見なくてはならず、相手を見て考えたり、言葉にしたりしているうちにイライラはどこかへ消えていきます。(カッとした怒りは6秒で消えるそうです)
これに気づいてからは、本当に怒らなくなりました。
先日もとある仕事相手の方がミスをして平謝りされたのですが、「なんでこんなミスしたんだろう?」と考えて言葉にしているうちに最適な改善案が見つかり温かい気持ちになりました。
怒って相手を責めるより、よっぽど建設的だと思います。
この本に書いてある教育論では、そもそも「相手を尊重」(コントロールできると思わない)が大前提ですから、一人の大切な人間として捉えると怒って終わりなんて雑には扱えないんですよね。
とはいえ、これは3歳以上を対象に書いてある本ですから、0〜2歳には通用しません。
でも、いろんなコミュニケーションが楽になる、おすすめ本の一つです。