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#noハン会小冊子企画2nd 感想コメント


昨年ですが(今更?)noハン会小冊子企画2ndに参加しました。
前回もそうですが、参加の理由は「自分の作品が紙になるって素敵」が大きな動機です。やっぱり、誰かに自分の作品が紙で読まれているのかも?って思うとウキウキしてしまいます。
自分は、とっても単純な生き物だなぁって思います。

そんな訳で、クマキも小冊子を購入をしました(やんごとなき理由の為すぐに買えず)。
今回ダウンロードしてみてびっくりでした!
これは!
そう!冊子デザイン・発行者の皆さんの力作になっていました。
めっちゃ見てほしい!のですが
それは購入した方の楽しみだと思い、
そして、冊子デザイン・発行者の皆さんの魂ですので、私が勝手に紹介することはできないのです。
特にテンションが上がってしまったのは冊子のデザインです。
見開きを意識したページの構成、よっしぃさんの帯、編集後記、それからプロフィールの紹介の仕方。ほんと参加して良かったなーって思いました。

冊子デザイン:辰巳ろんさん

そこで、一言ながら、読んだ皆さんの作品に感想文をつけていこうと思います。

冊子は全部で二つありますので、今回は第一巻をご紹介&感想文です
以下、第一巻のnoteページです

noハン会小冊子企画2nd
同じテーマで創作を募集し、小冊子にする企画。
その小冊子を2019年12月8日に開催されたnoハン会(note非公式オフ会)にて展示、配布する。
今回のテーマは「noハン会のロゴ」


それでは、以下第一巻に蒐荷された皆様の作品のご紹介と一言感想文です。



●ちゃこさん「2月の手紙」

ある種の悲哀の物語だと思います。
だけど、無理してストーリーに仕立ててない。
大きな出来事を起こそうとしてない。
そのおかげで、ちゃこさんのエッセイで良く見られる
「少しだけ棘のある心の動き見逃さない観察力、その表現力」
が如何なく発揮されていました。
そして、物語としての落ち方も素敵でした。
主人公の感情は大きく揺さぶらずに終わります。
なのに、読んでいる読み手が揺さぶられるのです。
やはり、ちゃこさんだと感じました。
ぜひ読んでみて欲しい一作です。



●篭田雪江さん「つながり」

雪江さんの作品は読むときに体力がいります。
こっちの体力が無いと、なぎ倒されるのです。
それは書き手として、雪江さんへのリスペクトがそうさせます。
今回も、もちろん覚悟してページを繰ります。

それでも煙草をくわえ、自分の奥に指を伸ばす。

この、動作に痺れた。物語の流れの中で”必然”です。
但し、僕がもしも同じものを書いてもこの一文を入られると思えません。それは「覚悟」の差でしょう。
やはり、今回もなぎ倒されました。


●あらしろひなこさん「その手をはなすとき」

なんとなく、タイトルの「はなすとき」を平仮名でひらいているところが、気になっていました。そこに、息子さんのある年ごろへの愛おしさが感じられたのかもしれません。
僕も、きっとこんなふうに「はなすとき」が来るんだと思います。
それが寂しいこととしても、そこには「見守る優しさ」が培われ始めていると思います。
僕もそんな優しさが欲しいなと思えた物語でした。


●タダノヒトミさん「ロックアイスとあいつとジントニックと」

タイトルに惹かれました。いいタイトルだなーって。
僕が単純に飲めないこともあり、このBarを舞台にしたやり取り。
そして、リナを射止めようとする、できると感じている主人公の自信。
こういうのが僕にはないので、とても羨ましいと思う感覚が湧きました。
それと「リナ」が魅惑的な方でした。
憧れのBarでこんな素敵な女性に出逢ってしまったら。
僕もきっと玉砕する一人になってしまいそうです。


●幸野つみさん「鶴の舞」

僕、大学生時代北海道に居たんですよね。
つみさんの作品は舞台が北海道が主なので、もう、郷愁でやられちゃんだよなー。青春だったな。
さて、「鶴の舞」
この動物が行う求愛のダンスに二人の成り行きに重ね合せてます。
だけど、浸るために使ったのではなく、
言いたいけど、言えない気持ちを乗せていました。

夫婦は、二人で生きていくんだな。って思いました。
僕も。


●千羽はるさん「にじいろ影切絵」

ある魔法使いとその弟子のお話。
師匠と弟子って、ちょっとこう、、、萌えるんですよね。
あ、すみません。完全な趣味でした。
さて、影切り絵という、本当の影を使う魔法が使える魔法使いと、それに憧れた弟子のお話でした。
しかし、影の色はいつだって黒いのに、彼は違う色を持っていた。
そんな入りで話が紡がれていきます。
最後の、「再開」で終わらせたところが好みでした。


●香嶌一伽さん「ぼくのてのひら」

一度絶望のような世界に入って、そこから復活していくお話なのだけれど、散りばめられた描写が、kojiさんが描いたロゴを立体化させたような気がしたんです。まるで、あの世界があったんじゃないかと。
テーマがロゴだけど、こういう使い方もあったかと、手を叩いてしまいました。もっと長く読んでいたいお話でした。


●優まさるさん「白い京都」

面白かった。
「白い京都」タイトルが、またそういう雰囲気の作品かなって、、思わされたのですよね。
今作はあまり何かを語るのは無粋というものです。
みなさん一読してみてください。
優さんは構成も描写もしっかり書けてしまう方ですが、この作品のようなのも書けてしまうってところがなぁ、やはりオールマイティになんでも書ける作家さんであると思えた作品でした。


●おまゆさん「俺とバンナの約束」

会話のシーンって関係性を表すのにとてもいいですよね。
例えば、

あいつと俺は仲がいい。親友のようだ。

って書くよりも、文化祭実行委員の委員長と副委員長の会話で

「俺、これやって良かった思う」
「やけに素直じゃん」
階下で、小さな子供が転んだ。慌てた両親よりも早く、近くの実行委員が起こしあげていた。
「…そう思ったんだよな…」
すると、あいつはいきなり肩をグーパンで思いっきりなぐなってきた。
「ばか、まだ終わってねぇよ」
そう言って、すぐに向こうを向いていた。
ほんの少し肩が揺れていた。

みたいな方が、関係性が密になるじゃないですか?
この物語は、最初の主人公の言葉と、後ろの二人の二言が関係性が深まったことを端的に表していて、凄いなぁって思いました。
こう言う、ちょっとした会話が上手くなりたいなって素直に思いました。


●おもちさん「Heat Story」

きっと、迷ってしまった、「アナタ」を守るために
誰の心にも彼女がいると思えました。
心のツリーを彩る、それは必ずしもカラフルとは限らないんですよね。
そう言う中でも、彼女は僕らを守り続けている気がしました。

最後に、noteって街に出逢ったのかな?ってなんとなく妄想してしまいました。



●光室あゆみさん「氷の撒菱」

実は、どう読んでいいか一番迷ったかもしれない作品です。
読みながら、読み筋をどう取ろうかと思ったんですよね。
もしかしたら、この「迷い」こそが一つの発見かもなって、今思っています。
現実のストーリーと同時的に、非現実が側にいるんですが、
それが心象風景ではない。
心象風景として描かないから、ファンタジーって思おうとすると、普通の話に引き戻される。僕としては新しい体験をした気がしました。
すごく自由で、自由に書くってかっこいし、やってみたい。って思えた作品でした。



●こんちゃんさん「手をつなごう」

詩作品でした。
淡々としたリズムの中に、同じ音で終わる言葉を繰り返していき、
僕らの心に染み込むように言葉を投げかけてくれています。

最後の一行で、開けた世界に行き着けました。

ずっと前から知っている、丘の上にいたような気がしました。


●ピロリさん「追いかけあう手」

まさかの店主が出てくる展開でした。
なるほど!これはこれで良いなって思いました。
とはいえ、テーマのロゴをどう捉えるかと言うことに対して
メタ的に見て取り、その中で、自分が選び取った内容を
キャラクターに沿わせたところが良いなって思いました。

彼女の雪が止んで欲しいなって思います。

全作品にあの よっしぃさん が帯をつけてくれています。
帯は全て羅針盤になりました。
この物語の行き着く場所や、指し示す場所がなんとなく内包されていました。
そんな中、自分の分だけ紹介します。

「俺らって、どう思われてんのかな」
「どうでもいいんじゃね」
「…」


他の方の帯は、是非手にとって特典として楽しんでください。

以上、短いですが、一巻の一言感想になりました。
さて、2巻もゆっくり細々とやっていきます。

#noハン会 #noハン会小冊子企画2nd




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