【ゲーム】ストリートファイター6の『ワールドツアー』の満足感について考えてみた。【雑談】



ハイラルから、メトロシティへ

ティアキンをアホほど遊んでエンディングまで到達したので、ようやくストリートファイター6を買って遊んでおります。
今作もゆるく遊ぶつもりですが、目玉の一つである「ワールドツアー」を少しずつ遊んでいます。
で、このワールドツアーをちょこちょこ遊んでいて「よう出来ているなあ」という満足感が強くあります。
が、「じゃあどこで満足感を得ているか」という点を語っていきます。


ワールドツアーってそもそも何よ?

簡単に言うと「プレイヤーの分身となるアバターを作り、そのアバターを操作/カスタマイズし、バトルを繰り返しながらストーリーを進めていく」という遊びですね。3Dアクションゲームではよくある、世界観に浸って遊ぶタイプのやつですね。

1.ストリートファイター世界の掘り下げと周知

ストリートファイターの世界は「テキスト+FTG」「漫画」「イラスト」「アニメ」など、様々なメディア媒体を通じて表現されてきました。
当然、ゲーム本編でも操作キャラクターの勝利セリフ/敗北セリフ、掛け合いなどから、人格や他キャラクターとの関係性などを知っていくわけです。
しかし、今思えば情報としては偏りがあったように思います。

これはどういうことかと言うと、
・そもそも、プレイヤーは操作キャラクターを通じ、ストリートファイター世界を知る
プレイヤーはキャラクターというカメラを通さずに、世界を知ることが出来ない
つまり、基本的には「キャラクターの視点で『ストリートファイター世界』を覗く」という体験方法でしか、世界を知ることが出来なかったわけです。

・リュウを使えば、リュウの視点でストリートファイター世界を知ることが出来る。
・ベガを使えば、ベガの視点でストリートファイター世界を知ることが出来る。
だが、ベガを使わなければ『ベガの視点から見たストリートファイター世界』を知ることは出来ない。

世界観を広く知りたい人からすれば、「じゃあ『全キャラでプレイしないと世界のイメージが掴めない』ということ?」となるわけで。
そして実際、スト5までのストリートファイターでは「『世界』はあまり掴めなかったなー」と思っています。
確かに世界の一部として様々なステージが登場しているものの、
・どれくらいの広さなのか
・どんな人が住んでいるか
・どんな物を食べているか
・どんな生活をしているのか
・そこにどうやって行くのか
などの『ステージごとの人の匂い』が感じ取れるステージは少なかったように感じました。
※全くない訳では無い。春日家の庭とかありましたし。
また、キャラクターには「正業/副業として◯◯をやっている」「世界中を旅している」などの設定があるものの、それを体感出来る場面というのは多くなかったわけで。

しかし、今作のワールドツアーは「プレイヤー≒アバター」であり、プレイヤーはそのアバターを「自分の目」として、ストリートファイター世界を見て回ることが出来る。
つまり『ストリートファイター世界を、プレイヤー目線で、初めて見る/歩き回る』という体験に繋がっている。そりゃあ満足感もあるよなあ、と。

ちなみに、この記事を書いたきっかけは、
・スト4で登場したハカンが経営する食用オイル会社の広告が、メトロシティ内の広告としてフツーに登場していたから
です。
普通だったらそういうのってある程度目立つところに置くんでしょうけど、カメラで少し上を映さないと見えない位置に広告があったんですよね。
それを見て、「ああ、これストリートファイター世界観を伝えるために置いてるんだな」と気が付きました。

2.師匠と弟子システムによるキャラクターの掘り下げ

アバターは師匠となるキャラクターに弟子入りしてバトルスタイルを学び、バトルスタイルを使い込んでいくことで成長し、師匠から新たな必殺技を教えてもらう。
この際、師匠は「戦いに対する考え方」「自分の生い立ち」など多様な話題を語ってくれるのだが、ストリートファイター作品ではこういう「キャラクターとの日常会話」は少なかったように思う。
例えば、アーケード版スト4ではモバイルサイトでキャラクターからコメントをもらったり、スト5の公式サイトでは小話を聞くことも出来た。
しかし、ゲーム内でのキャラクター同士の会話は「既にある関係を前提とした会話」であり、日常会話のようなものではなかった。
今作では、弟子という関係のアバターに対する会話として、そのキャラクターの人となりを知る会話が出来る。
これは1で語った「プレイヤーの目線でストリートファイター世界を知る」ことに繋がる話であり、キャラクターの掘り下げでストリートファイター世界を知ることにも繋がっている。

3.モブNPCの存在感

ワールドツアーでは街中にNPCが大量におり、その中には会話と対戦できるNPCも数多くいる。NPCは「観光に来ている人」「その街に住んでいる人」「仕事をしている人」「散歩、運動している人」などに分けられるのだが、その見た目や会話のバリエーションが多く、内容も様々である。
会話は仕事の愚痴、生活の楽しみ、今いる場所の説明などだが、こうした「モブが大量にいることで生まれる、都市の生活感」をワールドツアーでは強く感じ取れる。
これも、ストリートファイター世界では感じにくかった、「格闘家以外の人が住んでいる空気」の表現に成功している。
話は少しずれるが、NPCでも敵対的なNPCはプレイヤーアバターを発見すると、能動的に襲いかかってくる。
この敵対的NPCは、
・裏路地、廃工場近くなどの治安の悪そうな場所には多くいる
・大通り、明るい場所や公園にはそれほどいない
というリアルな生活の知恵がそのまま使えるのも、人が住んでいる空気を出すのに一役買っているように思う。

まとめ:ワールドツアー、おもしろ!

これまでのストリートファイター世界観が分かりづらかった点を上手く解消するように、ストリートファイター6のワールドツアーは「人が住んでいる空気」を感じ取れるよう、作り込まれているように思う。
ガチ対戦もいいけど、ワールドツアーでストリートファイター世界観に触れてみるのも、ストリートファイターという作品を楽しむきっかけになるだろう。
何より、この先10年以上遊んでくれるファンを生み出すのは、案外こういうモードかもしれない。

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