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【11/11の日記】イベントを三つハシゴしたよ

 朝から気合を入れて外に出た。イベントを三つハシゴする予定なのだ。デザインフェスタに文学フリマに怪談イベント。これらを一日でハシゴするという、無謀ともいえる予定を私は立ててしまったのだった。

 まずは友人と共に文学フリマへ向かった。滅多に表に出て来ない謎だらけの歌人・怪談作家の我妻俊樹先生が、同じく歌人の平岡直子先生と共著で短歌の同人誌を出すというのだ。しかもご本人が手売りするという。通常の流通経路にはおそらく乗らないであろう「同人誌」というものを購入するにはイベントへゆかねばならぬし、ご本人にもお会いできるというのだから行かぬという選択肢はない。
 会場は結構な人だかりで、熱気にあふれ、大いに盛り上がっていた。目指す我妻・平岡ブースにも人が並んでおり、その人気がうかがい知れる。ドキドキしながら並んで同人誌を購入し、プレゼントを渡し、更にはエコバッグにサインまでしていたいた。コミュ障の自分にしては100点満点である。ただし、緊張しまくったので何を喋ったかはあまり覚えていない。その二日前に開催されたトークイベントにも行った事を覚えていて下さって、「トークイベント来てくれて有難う」というような事を仰っていただいた事だけは覚えている。さかもとこのみさん風に言えば【ひゃっ報】案件である(さかもとさんを御存知ないかたはネットで検索すべし)。
 それから友人の目指すブースへ行き、友人の爆買いに感心していたら、買った本を一冊渡された。共通の友人に渡して欲しいとのことである。おっけい、と引き受けて、私もそのブースで一冊、小さな本を買った。豆本というやつである。サイズも可愛いし、中身も楽しい。街中で見つけた変なもの・面白いもの、というようなテーマの写真集らしかった。
 ぐるりと会場を回って、さて帰ろうという時になって不意に予備を買っておこうと思い立ち、急いで我妻・平岡ブースへ戻ってもう一冊買い求めた。虫の知らせ的な力が働いたのかもしれない。この一冊が後で役立つことになる。

 次に向かったのはデザインフェスタである。のうてんきな青二菜というイラストレーター三人組のファンなのだが、そのうち二人がこのイベントに出店するというので行く事にしたのである。さかもとこのみさんのブースは非常に混みあっていてお話できなかったが、のうさんのブースは私が行列の最後尾であった為、少しお話をすることができた。買った小冊子に絵を描いて下さり、私がちょっとした相談事をすると楽しそうに笑いながら聞いて下さった。なお、購入したのは「ちくわ犬の本」という同人小冊子で、ちくわに犬の耳と尻尾と四つ足が生えている、というキャラクターの本である。のうさんのファンは普通に受け入れているが、冷静に見直すと結構怖い。だがこのシュールさが良いのである。

 デザフェスで可愛いグッズを買い漁った後は秋葉原へとんぼ返りし、軽く飯を食って怪談会へ向かった。宮代あきらさんの主催ライブなのである。関西から朱雀門出先生がはるばる来られるというので勇んで参加した訳である。内容は勿論ここには書かないが、期待を超えるようなシュールで奇妙で不思議な話だった。
 終焉後に宮代さんと朱雀門先生にプレゼントを渡し、エコバッグの裏にサインまでもらってきた。そして最大の成果は、朱雀門先生に我妻先生の同人誌を渡せたことである。実は朱雀門先生は我妻先生のファンなのである。イベントと同じ日に文学フリマがあったので、ひょっとしたら買ったかもしれないと思ったが、訊いて見ると文学フリマには行っていないという。あの時の直感はこれを予知していたに違いないとばかりに同人誌を渡した。

 一日で三つのイベントハシゴは忙しかったが、思ったより疲れはなかった。楽しかったからかもしれない。楽しい事は疲れるが元気にもなる。矛盾しているようだが事実である。好きな事・夢中で追いかけている事がある人はわかってもらえると思う。この日は私にとって、まさにそんな一日であった。

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