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【2/6の日記】すげえ嬉しい事があったよ

 新宿ゴールデン街にあるバー・カンガルーへ行ってきた。カンガルーのバーテンにして怪談師のインディ氏に相談をしに行ったのである。
 インディ氏には度々世話になっていた。自分はYoutubeで怪談に関わる動画を作っているのだが、もう何度もインディ氏にはご協力いただいている。しかも、ご自身の活動の範囲外でだ。
 インディ氏は人から聞き集めた怪談(体験談)、いわゆる「実話怪談」を語る「怪談師」なのであるが、自分が彼に依頼した事と言えば怪談ドラマの声優に創作怪談作りに海外旅行インタビューである。怪談の仕事にかすってはいるが直接的な関係はない。ましてや本業のバーテンとも無関係である。それでもご依頼すると引き受けて下さるのである。チャンネル登録者100人ちょっとの弱小チャンネル(最初にご依頼した時は40人くらいだった)にも拘わらずである。
 そんなインディ氏に、以前出演していただいた創作怪談企画にまた出て欲しいと依頼しに行ったのだった。実話怪談ばかりやってきた方で、創作怪談を書いたのはその時が初めてだったそうだが、非常に身に迫るリアリティがあり、興味深くワクワクする怪談だった。面白かったのでまた出て欲しい、と頼んだ。氏は快く引き受けてくれたが、その際に一つ条件を出された。
「『創作怪談』ではなく、『ホラー小説』等の言い回しにしてほしい」ということである。理由も仰られたがここでは割愛する。
 この言葉が嬉しかった。理由はわからない。わからないが無性に嬉しかったのである。その時はよくわからないままスキップで帰宅したのだが、翌日落ち着いてから理由を考えてみた。何しろ自分の感想なので答えは自分に聞くしかないのだが、その自分が答えをわかっていないのだから答え合わせのしようがない。だがわからないなりに考えてみた結果は以下のとおりである。

 インディ氏は「こいつに何を言っても無駄」と判断したら何も言わない。また、当然ながら仕事として関わるだけ(報酬の為だけの仕事)である場合、自分の意見は口に出さない。相手の要望通り仕事をするだけである。そのインディ氏が「こうして欲しい」という要望を出してきたと言う事は、自分は少なくとも「言っても無駄な相手」ではない、と判断されたのではないか。つまり、最低限の信頼は得られたのではないだろうか。
 また、こちらの要望に沿って喋るだけではなく、要望を出してくれたと言う事は「企画を一緒に作っている」という意識で居てくれているのではないか。そんな事をぼんやりと考えて、私は喜んだのではないだろうか。

 正解はわからない。何しろ誰も正解を知らないのである。「自分の事」というのは、案外わからない事だらけだ。実際インディ氏がどのような意識でそう言ったのかもわからない。ただ一つ確実なのは、今自分はひどくハッピーな気分だという事だけである。

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