【感想記事】AZKi メジャー1stアルバム『Route If』肌で感じた”声の温度”
平素より大変お世話になっております。
”開拓者の”kumaberryです。
今回は2024年7月24日にリリースされた
ホロライブ所属、
ビクターエンタテインメントからメジャーデビューを果たした、
VSinger AZKiさんのメジャー1stアルバム
『Route If』
の楽曲感想になります。
それでは宜しくお願い致します。
0.『Routte If』タイトルからのイメージを書くだけ
こちらは6月14日に収録曲の詳細が発表されたときの私の曲に対するイメージを書き連ねたものになります。
興味がある方はご覧ください。飛ばしていただいて構いません!!
0-1.『Lazy』
作詞作曲編曲:Akkiさん
直訳で「怠け者」
AZKi BLaCK寄り?ダークなタイトルってINNKの「ナナワリエネミー」が最後だから”If”を意識した世界線??
0-2.『エントロピー』
作詞作曲編曲:瀬名航さん
ライブタイトルに紐づくから重要なシーンで流れそう
声音エントロピー…
ライブの熱量、開拓者の熱量、AZKiさんの音楽に対する熱量…そんなイメージ
瀬名航さんが携わってるだけあってとんでもない歌詞をねじ込んでくるのは確定済み。
『エンドロールは終わらない』の先になるのかな?
0-3.『まいすとらてじー!』
作詞作曲編曲:ミトさん
計画を立てながら行動するAZKiさんに解像度が高さを伺えるタイトル
ひらがなになっていることでポップで元気なイメージ
『最強×最弱ガール』と近い雰囲気を感じる、コール&レスポンスありそう
0-4.『Operation Z』
作詞作曲編曲:やしきんさん
活動初期~2019年頃によく言っていた開拓者の輪を広げる
と言っていたことを思い出した
最後(Z)まで開拓していくぞ!というイメージ?
0-5.『Chaotic inner world』
作詞作曲:Q-MHzさん 編曲:涼木シンジさん
直訳で「混沌とした内なる世界」
いやぁ…火力高!!
真っ先に思いついたのは5年前の『名も無き囚人』
ガッツリAZKi BLaCK、生バンドで一番攻めてきそうな曲
0-6.『明けない夜があったらな』
作詞作曲:毛蟹さん 編曲:毛蟹さん、PANさん
これは…AZKi ReDですかね?『Midnight Song』の"If"?
こっちは夜が明けないで欲しい、楽しい時間が終わらないで欲しいとかそんな前向きな雰囲気を感じる
0-7.『エトランゼ』
作詞作曲編曲:白戸佑輔さん
ジオゲッサーと夏以降のワールドツアーを意識してそうな曲
優雅な雰囲気を感じる…
0-8.『午後8時のコーラスソング』
作詞作曲編曲:ヒゲドライバーさん
ヒゲドライバーさんがAZKiさんを観測したのは2020年7月、自身のpodcast内での出来事。
午後8時…AZKiさんが配信を始めることが多い時間にフォーカスしてるタイトル。AZKiさんと開拓者の普段のやりとりが表現されてそうなイメージ
0-9.『夜の輪郭』
作詞作曲:渡辺翔さん 編曲星銀乃丈さん
一番タイトルからイメージが湧かない…
渡辺翔さんはClariSさんの『コネクト』などアニソンを多く制作されている方。ということはアニソンイメージのアップテンポになるのかな?
0-10『map in the map』
作詞作曲編曲:やなぎなぎさん
これは…一番やべー雰囲気を感じますねぇ…
直訳で「カップの中の地図」
地図は言わずもがなAZKiさんを表す言葉。
言い換えるなら彼女の世界や物語を表現するのに適した言葉。
カップ→手に収まるサイズ
という連想で、
AZKiさんが大切にしてきた物語や音楽、
ともに歩んできた開拓者やAZKiチームとの思い出が歌われているんじゃないかな?
この後に来る曲も相まってそんなイメージ
0-11『いのち(2024ver.)』
作詞作曲編曲:瀬名航さん
はい、優勝
「Route If」という一つの物語の終着点として捉えられるかな?
この曲が最後に来ることの意味が前10曲に含まれているんだろなぁ…
と、ここまでがタイトル、作家さんを見ただけの私のイメージです。
控えめに言って怖いですね♪
それでは本題に入ります。
1.『Route If』感想
1.『Lazy』
まさかのポエトリーリーディング!
XFDのワンコーラスで度肝を抜き、その時は一部だけだと思ってましたが、まさか最初から最後までとはね…
AZKiさんのポエトリーリーディング楽曲と言えば
『in this world』や『ナナワリエネミー』など、
彼女の物語性や感情を表現し、聴き手を「床」にさせる楽曲でした。
ですが本曲『Lazy』は日常のワンシーンをそのまま歌詞に落とし込んだような…ありきたりな誰かの瞬間を描いております。
流れ星をぼーっと眺めていたら朝日が昇り、
パン屋の開店まで時間をつぶすために”長い長い旅”に出る「僕」
その旅の中の「僕」の感情を詩的に表現することで深みが増し、
そのワンシーンの温度を確かなものにしていると感じました。
個人的に好きなポイントは
「冬にだけ可視化される声の温度が 」という歌詞。
寒空にはーっ、と息を吐く情景が目に浮かび、続く
「春や夏や秋はどこへ消えてしまうのか 」と時間の流れを表すことで、
間接的にAZKiさんの活動5年という歴史の長さが連想されましたね。
「ひょんなこと 雹がふる 豹に出会う」
「鳥たち もしもし 思し召し」
の様に韻を踏む部分の心地よさもあり、
ゆったりと、「のんびりと、」散歩にピッタリな一曲ですね。
2.『エントロピー』
まずは一言…
めtttttttっちゃ好きです。
まずこの曲を制作したのは瀬名航さんです。
AZKiさんのオリジナル楽曲を少し深めにかじったことがある方ならお分かりでしょ?このインパクト。
『いのち』や『青い夢』、『エンドロールは終わらない』など、
AZKiさんの歩みやその時の感情を繊細に表現し、
多くの開拓者を「床」にしてきた瀬名さんが今回も私の感情に深い爪痕を残しました。(最上級の感謝の言葉です)
そして『エントロピー』という名に恥じない曲中に散りばめられた「声の温度」をイメージさせる歌詞の数々にも注目して聴くとその歌の世界観の虜になること間違いなし!
始まりはピアノソロが青く澄み渡った空を表現、
AZKiさんの歌という物語の始まりを予感させます。
AZKiさんのこれまでの活動を表した歌詞ですね
歌うことが大好きでこのバーチャルの世界に飛び込んだAZKiさん。
多くの分岐点を通過し、長い道の歩みの中には「知らない」や「分かる」があったのでしょう。
不安や葛藤、喜びや幸せ…様々な想いを抱き成長したAZKiさんがメジャーデビューを果たした先で選んだのは「ありえない」の向こう側でした。
(まさか瀬名さんが言っていた言葉が歌詞になっていたとはね…
初めて聴いたときは驚きました。)
誰も見たことがない景色を開拓者と一緒に見るために…
そんな熱い想いを感じることが出来るのがこの
「ありえない」の向こう側なのだろう、と感じました。
その景色に向かっているからこそ、
青く澄んだ空が目の前に広がっており、
声が掠れんばかりに歌っているAZKiさん姿が思い浮かびます。
AZKiさんの歌には誰かの心を救うあたたかい光がありました。
私もその一人です。
これまでのAZKiさんの楽曲にここまで直線的に「誰かを救いたい」と歌う歌詞はなかったように思います。
このような表現が出来るようになったのもAZKiさんの自信の表れや
活動初期からAZKiさんを見てきた瀬名さんだからこそなのだろうと思い、
改めて彼女の歩みの”凄さ”を感じ取ることが出来るのがこのフレーズでした。
私がハッとしたポイントはもう一つあります。
瀬名さんの作るAZKiさんの楽曲に度々登場する「青」という歌詞が今回も登場しました。「青」から連想されるのは未成熟、未発展、悲しみなど、
どちらかと言えば冷たい言葉。
ですが今回はどうでしょうか?
―未熟な夢を胸に前へ進み、その青さはいつか熟す…
まるでAZKiさんの未来が明るく照らされているのを暗示しているように感じませんか?
私はこの「青」という言葉をここまで昇華することが出来たのはAZKiさんの大きな成長だと思いました。
そして何より…
ラスサビが転調ですってぇ!?!?
ここに来て歌詞だけでなく、音でも温度を上げ、
正しく『声音エントロピー』を体現し開拓者を「天井」にさせてきています。こんなんLiVEで聴いたらどうなっちゃうんでしょうね??
無事に立っていられる自信がありませんが…
3.『まいすとらてじー!』
今回の可愛い&POP曲ですね。
「strategy」とは、目標達成のために計画や方法を立案すること。
AZKiさんの誠実さは開拓者の皆さんご存知の事でしょう。
その在り方を聴き心地の良い言葉で表現できることに「すげぇ…」の一言が漏れましたね。
この曲の背景はAZKiさんの普段の配信から来ていると思います。
歌枠配信でのセトリ決め、
コラボ歌枠でのパート分けや相手に合う曲のリサーチ、
GeoGuessr等で伺える物事を計画的に進める誠実さなどなど…
社会人で日々のた打ち回っている私が尊敬する彼女の性格が描かれています。
と思いきや2番は想定外の出来事に直面、
「えぇ~なんで~?」と言いながら困り顔で100万人いる開拓者の中から有識者コメントを見つける様子が鮮明に浮かびます。
(解像度が限界突破です、最高です。)
何となくの予想ですが
はコール&レスポンスになりそうな予感がします。
というか絶対楽しいでしょ。
4.『Operation Z』
前曲『まいすとらてじー』に続きAZKiさんの等身大が描かれており、
こちらは「効率」というワードが思い浮かびます。
電子音の印象が根強く聴き馴染みがあるワードを交えつつ、
緩急のあるリズム感が中毒になりそうな一曲。
時間に追われるフレーズの数々、
慌てふためきバタバタして目が回り、
最後はどこにいるか分からなくなってしまい、助けを求める…
これまでのAZKiさんからは到底たどり着けない内容の歌詞になっており、
新しい魅力を引き出すことが出来たのだろうと感じました。
これもLiVEで盛り上がりそうですね!
サビで跳ねるようなダンスをしているAZKiさんがイメージできるのは私だけでしょうか...?
5.『Chaotic inner world』
この曲はルートγ版のAZKi BLaCKといっても過言ではないでしょう。
ゴリゴリのロックサウンド、葛藤や悩みを訴えかける歌詞は当時のイノナカで作り上げた黒あんの再来を感じました
タイトルを直訳すると、
「混沌とした内なる世界」
自分の在り方を模索し彷徨っているAZKiさんの心情を「世界」という言葉に置き換えて表現したように感じます。
AZKiさんは2018年11月15日にバーチャルの世界に降り立ち、
3つの道を歩みました。
”どんな道でも君と歩んでいけると思っている”
”でもあれもこれも頑張ってしまって、君はついてきてくれるかな?”
と自身の活動に対する葛藤だと私は解釈しました。
だからこそ「夢」という言葉で完結させているように思えます。
ラスサビ前の
「ずっと本心で歌っているって 君なら絶対受け取ってくれる」
「よみがえる音 こんなにも大事に感じるのは きっと君との絆だから、ね。」
といった開拓者に依存するような普段表に出さない心の弱さを打ち明けたことでラスサビは
と、少しわがままになりつつも己が本心のままに歌い、
今までにない感情的な歌詞に仕上がった感じました。
この雰囲気は「ナナワリエネミー」に近しく思い、
個人的ヒットソングになりました。
これは一聴きするとサウンドで殴りに来ているように感じますが、
蓋を開けてみると歌詞も畳みかけてきておりカロリーの消費量が高めですね…!これ、LiVEでやるんですか?幸福度高まりそう…
6.『明けない夜があったら』
第一印象はザ・アニソン。
サビの疾走感のあるロックサウンドは結束バンドの『月並みに輝け』の雰囲気に通ずるものがあり、
今までのAZKiさんのロック系は(良い意味で)個性的でしたが、
ここに来て王道を攻めてきたな!という印象でした。
歌詞も感情的ですよね。
人間関係に疲れ、答えの出ない悩みを抱き、
「このまま夜が明けなければいいなぁ」
と窓辺にもたれ掛かり、肘をついて澄んだ星空を眺める
”煌めく星のようになれなくてもいい”
何とか前を向いて泥臭くても自分らしく生きてきたい
そんな、必死に足掻き進んで行けるような元気を貰える曲だと感じました。
7.『エトランゼ』
「エトランゼ(étranger)」とはフランス語で異邦人、見知らぬ人。
今回のバラード曲ですね。
AZKiさんの最大の武器ともいえる、聴き入るもの全ての心を浄化する天性の歌声を120%堪能できるのがこの曲です。間違いありません。
配信で和気あいあい話し合っているAZKiさんと開拓者。
まるで隣にいるような雰囲気ですが、実際の距離はとてつもなく遠いです。
AZKiさんの最後に現地で開催されたワンマンLiVEは
2019年12月29日4th LiVE『REPEAT THiS LiFE WiTH U』(#AZ輪廻)です。
そこから月日は流れ、
気付けば4年7カ月が経ち、
ようやく『声音エントロピー』で遂に開拓者と相見えます。
溢れそうだった気持ちがようやく届けられますね…
「今日もがんばっていたんだね」と…
8.『午後8時のコーラスソング』
タイトル通りとは恐れ入りました…
AZKi ReDを彷彿とさせるお洒落さ加減。
「AZKi Bar」でドレス衣装を纏い、
開拓者と一緒に歌うAZKiさんが容易に想像できますね。
エトランゼ同様に会いたい気持ちを歌に乗せ、
同じ空間を共有できることに幸せ噛みしめる。
ライブで流れた瞬間なんて自分の感情を制御する自身がありませんね…
私はライブ会場でペンライトを横に振りながらコーラスの部分を歌っているところまで想像できました。聴けば聴くほど解像度が上がっていくスルメ曲です。
9.『夜の輪郭』
今にも消えそうな繊細で儚い歌声、
ブレス一つ一つすら音楽に昇華し、
ずっしりと、それでいて聴き終わりは心地良さだけが残る、
感情に全振りしたバラードソング。
まずは聴いて、
AZKiさんの感情を耳から、
伝えたい熱を肌から感じてほしいと思えるそんな一曲です。
10.『map in the cup』
7/17にMV先行公開された本曲。
夜の輪郭で感じた寂しさに浸っている所に差し込まれる、
日常に在るあたたかさを感じます。
これまでのAZKiさんが歌う曲のシーンには
ゆったりとした日常が描かれることがないように思いました。
ありきたりな日常、そこにひっそりと佇む彼女を体現する言葉の数々。
朝をAZKiさんの活動の始まりと考えると、
1日の流れがそのままAZKiさんの歩みのように思います。
「ミニチュアの世界旅行」
小さな始まりそこから世界を旅し、次から次へと物語を進めていきます。
その旅は次第に大きくなり、
「無限大の秘密の宇宙旅行」へと夢が広がります…
正直に言います。
まったく予想できませんでした。
新たなAZKiさんの魅力をここに来て開拓できるなんて思いもしませんでした。
これまで遠くからではありますが4年以上応援していた一人の開拓者として幸せでした。
何度も終わりを迎えるかもしれなかった道から分岐したことに、
当たり前のように「おはあずき」が言える日常に、
改めて感謝の気持ちを言いたい。
そんなエモーショナルな楽曲でした。
最高です。ありがとうございます…
11.『いのち(2024 Ver.)』
この曲がAZKiさんの記念すべきメジャー1stアルバムの最後に来ていることが全ての答えなのだろう、と思います。
2019年4月30日。
平成最後の日にリリースされたAZKiさんの代表曲である『いのち』。
”VTuberの死生観”
”ポジティブな共依存”
という当時のVとしての在り方を聴く人すべてに爪痕を残した、
ある意味歌ったAZKiさんにすら「トラウマ」を残した本曲。
5年の月日を経て、
「君が忘れちゃったら私は居なくなるの」という縋りたい心の叫びが、
「君が忘れちゃっても私は死なないから」というAZKiさんの成長・自信の表れになりました。
「大丈夫 私は死なないから」と嘘をついていた開拓者へ向けた言葉が、
心の奥底から伝わる真っ直ぐな決意の言葉になりました。
弱さを隠し前を見続けていた彼女の背中がとても眩しく、
なんだか誇らしく思えます。
この気持ちの高ぶりはまさしく…熱なんでしょうね…
2.終わりに
やはりアルバムというのは良いですね…
彼女の声の温度を確かに感じることが出来ました。
これまでの道、ありえたかもしれない道、ありえないの向こう側への道…
トラックリストをなぞることで、
このアルバムタイトルである『Route If』の意味を深め、
更なる彼女の物語を一緒に開拓していきたいと思える、
そんな素敵な曲と出会えました。
”名前のないこの気持ち”を大切に、ずっと好きでいられるように…
これからのAZKiさんの活躍を応援していきたいと思います。
以上で今回の記事は終了になります。
最後までありがとうございました。
”開拓者の”kumaberryでした!!!