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星飛雄馬的練習法

特訓というと、ウサギ跳びで神社の階段を往復100回、できないと竹刀でめった打ち、というようなものが昭和のイメージ。星飛雄馬が主人公のスポ根(スポーツ根性モノ)アニメの「巨人の星」でもそのようなシーンが登場していた。

さて、最近始めたバイオリンのオンラインレッスンでも星飛雄馬的練習法、特訓が出てきたのである。

それは、弓を通常とは逆にして弓先を持ち元を手の先に向けるというもの。弓の元は太くなっているうえに、毛をまとめる部分や調整ネジなどがあるので重くなっている。それが右手の指にテコの原理でかかってくるので、指が鍛えられるというわけ。もしかすると、古くから伝わる練習法なのかもしれない。講師によれば、徳永氏の公開レッスンで知ったとか。これで特訓したあとに、通常の持ち方に戻すと、軽く感じて滑らかに弾けるとか。

さて、右手の特訓があれば左手の特訓もあっていい。左手小指の力をつける方法はいろいろあるようだが、数ヶ月の特訓が必要と言われる。私が思いついたのは、チェロを使う方法である。数年前に通販で衝動買いした数万円のチェロはソフトケース入りダンボール箱で届いた。弦も張った状態でチューニングして音を出してみると、共鳴箱が大きいので、すごく豊かな音がした。

ところが、左手で音階を弾こうとして驚いたのは、指の間隔の広さと弦のテンションのきつさであった。バイオリンの場合、左手の1(人差し指)から4(小指)までの間隔はあまり広くないというか、ほとんど間隔はないのだが、チェロの場合は手のひらをいっぱいに開いて左手指の間を思い切り開けてようやくなんとか、正しい音の間隔に近づく。そして、弦が太くてきつい金属なのでこれを押し下げて指板につけるのは、かなりの力が必要なのだ。さらに、あまり力のない小指で押さえるのは、もっと大変。

ただ、チェロで左手を鍛えてバイオリンに戻れば、楽々と余裕を持って押さえられるのではないか。もしかしたら、これは、画期的な発見ではなかろうか?!問題は、チェロを買う必要があるということくらいだが。

「フィンガートレーナー 指トレーニング ギター ピアノ バイオリン 練習用」という商品もあるようだ。

だとすると。チェロを使う強化法は、より文化的と言えるのかもしれない。

ちなみに、このチェロは「ハルシュタット」というブランドで中国で大量生産されている安価な弦楽器の代名詞的存在であるが、最近、世界遺産の湖畔の町がハルシュタットという同じ名前であることを知った。これが偶然なのかどうかはわからない。



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