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ひきこもりの子を持つご家族へ〜ひきこもりへの理解と支援〜

親心とコミュニケーション

子どもを持たない私が親の気持ちを完全に理解することはできませんが、Nienteの活動を通じて得た学びがあります。それは、多くの親御さんは、単に就職させることではなく、子ども自身の幸せを望んでいることに気づかされました。

しかし、その想いを伝えることの難しさや、親子間でのコミュニケーションの壁に心を痛めている親御さんが多くいらっしゃいました。正しい方法で適切な言葉をかけても、親の言葉だからこそ反発を生むことがあります。そんな時、第三者の力を借りることが一つの解決策になり得ます。

支援体制の格差

また、活動の中でひきこもりに対する明確な相談窓口がないことも、家族の相談を困難にしている要因に感じました。福岡市は比較的ひきこもり支援窓口が充実していますが、地域によって支援体制に差があり、納得のいく支援を受けられない場合もあります。また、歳を重ねるほど受けられる支援サービスに限りが出てきます。

継続的な対話の重要性

それでも、誰かに相談し続けることが重要です。福岡県には熱心に支援に取り組んでいる支援者が多くいらっしゃいます。ひきこもりに対する社会の理解が変わりつつあり、生き方や働き方が多様化している今、ひきこもりは「不治の病」ではないことを信じてください。支援者と共に前に進む勇気と気力を持っていただければ幸いです。

個人の回復と家族の役割

最後に伝えたいのは、私が「強い心」や「生来の前向きさ」を持っていたから回復したわけではないということです。私は、宅急便が来たら逃げ隠れ、ゲーム中に家族に声をかけられたら激怒するような人でした。学校でいじめに遭い、会社ではうまく馴染めずに転職を繰り返した経験もあります。だからこそ、回復には「生まれ持った資質」ではなく、別の何かが必要だと考えます。

幸運にも私は、家族から「自分なりに考えた自立」を応援してもらえました。振り返ると、その自立は「世間が言う自立」とはほど遠く、他者から見れば戯言に近かったかもしれません。でも、家族は私の考えを尊重し、「とてもいいと思う、やってみたら?」と背中を押してくれました。その肯定が、私に「もう一度、生き直してみよう」と思わせるきっかけになりました。

子どもの自立への支援

子どもが思い描く「自立」とは、社会経験豊かな親から見ると非現実的に映るかもしれません。もしかすると、「そんなことより現実を見ろ」と思うこともあるでしょう。

しかし、子どもは話をすることで自分の考えを整理しています。私自身もそうでした。皆様のお子さまが夢や希望を語り出したとき、その一番のサポーターであってほしいと願います。


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