毎年、早い。

今年のハロウィンはいかがお過ごしだったろうか。
私はというと友達が大学でゼミの発表会があるという事で出かけてきた。電車の中で仮装をしている子供を見かけて初めて今日がそうだと気づいたくらいには関心がなかったが、そういえば昨日までレジにハロウィン仕様のお菓子が頻繁に来ていたのを思い出した。
今年は当日こそ休みだったが、前後の日が出勤だった。もっともハロウィンなんぞ全く関係もなければ興味もないが、この仕事を始めてから毎年嫌でも思うことがある。
「この国は手のひら返しが早すぎる」

10月30日。
まだまだ店内はハロウィン仕様。いつものお菓子袋がハロウィン仕様になっていたり仮装用の帽子やらお面やら小さいカボチャのカバンやらがお客さんのカゴの中にほぼ100％入っていた。ハロウィン特設コーナーには人だかり。明日はトリックオアトリートとか言ってお菓子をもらって歩いたり仮装して渋谷とかに出かけるんだろうなぁ。みんな家におりゃええのに、と思った。
かくいう私も関係ないとはいえ出かけたので人のことは言えないか。

11月1日。
事務所から店内に入りレジに向かう途中でびっくりした。
一昨日までハロウィンの特設コーナーだった場所がクリスマスツリーやイルミネーションのそれに変わっていた。それだけならまだしも、すぐ横ではお歳暮コーナーが絶賛設営中という有様。（閉店する頃にはほぼ終わってた）
お菓子のブーツとかが出始めていないのがせめてもの救いか。

かれこれ4年連続でこの光景を見ていると本当に「この国は手のひら返しが早いなぁ」と思う。一昨日に至ってはまだ11月上旬だというのに有線から「もろびとこぞりて」が流れる有様。あと2週間もすればスーパーなどでクリスマスツリーが飾られたり駅前や民家ではイルミネーションが燦々と輝いたりするんだろう。
しかしこれは序章に過ぎない。これからもっと素早い手のひら返しが待ち受けている。
ハロウィンからクリスマスまではひと月半あるからまだいい方で、それが終わったら一瞬で年末年始モードに切り替わる。それもそのはず、クリスマスが終われば今年も残り1週間を切っている。私の職場に限らずスーパーなどでは12月10日くらいになると両方いっぺんに売り場に並ぶようになる。お客さんは買い物していて季節の移ろいを感じると思うが、レジを打っている側にしてみれば「忙しねぇな」と思う。
キリスト教の行事で盛り上がり、終わった途端に仏教神道に切り替わる。行事だけでなく宗教まで手のひら返し。クルクルとよく回る手のひらですこと。

などと偉そうに書いている私も、クリスマスが終わったら大掃除に正月準備に追加出勤で一気に年末年始モードに突入するは目に見えている。
手のひら返しが早いのは私も例外ではない。