久々に外出。

家にずーっといる。
やむを得ない外出を除き、在宅。流石に気が滅入るし、書き物も煮詰まってしまったので気分転換がてら三密に気をつけつつ出かけてきた。
アテはある程度あったが、基本その時の気分であちらこちらぶらぶらと。
流石に暑かったので、人が密集しないところではマスクを外した。そうでもしないと苦しくてやってられない。

川沿いを2キロほど歩いた。
年に一度か二度歩く道。風が心地よかった。流れる水の音が涼しげ。すれ違うランナー、颯爽と走り去る自転車、もはや日常が戻っている。変なウイルスなんて無かったんじゃないかと思う程に。
やがて大きな病院の脇に出た。マスクをつけた人々を見て現実に戻され、一度しまったマスクを付け直した。

病院の前からバスに乗るつもりでいた。
時間を調べ、あと5〜6分で一台来るとのことだから、のんびりバス停に向かっていたら、時間より早くバスが来た。あとで聞いたら渋滞で遅れていたらしい。車内はそこそこ密だった。ちょっとだけ開いていた窓を全開にした。
終点の駅まで20分。道が混んでいなければ半分足らずの時間で着く。下手すると駅まで頑張って歩いた方が早かった。

終点で違う会社のバスに乗り継ぎ、2つの山に挟まれた住宅地のあるバス停に降りた。
ここから信号を一つ越えたところに小さなお菓子の工場がある。ここでは規格外のお菓子が格安で手に入るのを知っていたので、これを買おうと思っていた。ところが、昨今の情勢のせいか規格外品だけ販売見合わせになっていた。仕方ないから倍近いお金を払い、正規品を買った。家に帰ってから食べたら、心なしか正規品の方が美味しい気がした。

店を出て、裏路地を歩く。
この辺りは山の間にある谷間の住宅地で、坂が多い。そして、ちょっと角を曲がるだけでまぁまぁ道が狭い。それでもいわゆる「ニュータウン」のなり損ないのような感じで、所々広い道があり、教育、行政、生活に必要な施設は一通り揃っている。大きな駅まで電車で10分とかからない。ちょっと雨が降っただけですぐ道が混む点を除けば、案外住みやすいように思えた。
他に欠点があるとすれば、谷間なので夏場はとても蒸し暑いことだ。

この街に来るといつも行くところがある。
とある裏路地を登っていくと、人がすれ違うのにもちょっと難儀しそうな位に狭い坂道がある。その坂を登っていくと、富士山がよく見える場所に出る。そこからはこの街が一望できるので、そこを目指してちょっとした山登り。5分くらい登って辿り着いたが、街は見えても富士山は霞んでいて見えなかった。

気がつけばお昼前。お昼ご飯の支度をしていないことに気がつき、家に帰ることにした。
狭いくせに交通量が多い道に戻ってバスに乗ったら、その車はこの街に来るときに乗ったバスの折り返しだった。
きっと運転手さんは「こいつまた乗ってきた、暇人か?」と思っただろう。

暇人じゃなきゃその日の思いつきでこんな事しない。

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