キミにとってはごくごく小さなことかもしれないけど
【今日は息子への少し長いラブレターをここに置いておきます。いろいろな人へ気持ちを伝えたい波がきてます。湘南ボーイも真っ青のビッグウェーブです。】
ことばというのは、思いを伝える手段のひとつだ。
他にも、目を合わせて微笑んだり、ぎゅーっと抱きしめたり、頭をなでたり、あるいは好きなものをプレゼントしたり。
愛情や思いを伝える方法は他にもたくさんある。
そしてそれは、あくまでも自分がしたいからするんだよね。
キミは日々実践できてるからよくわかってると思うけど。
もしかして、何かが返ってくるかも....と期待してするもんじゃない。
そういう人ってすぐわかる。
ホワイトデーに倍返しを期待する女性の話は、冗談でもこわいものだ。
あなたが、将来そのような人に仮に出会ってしまった時に、私はあなたがどのように対処するのか、単純に興味がある。(もちろん何も口は出さないつもりだけど)
たぶんやさしいから、あるいは面倒くさいから、倍返しをするかもしれない。
もしかして、すっかり忘れていて怒られるかもしれない。
今のところ、後者の方が可能性が高いような気はしている。
それもキミらしくていいと思う。それで離れる子はそういうものだったと思えばいい。
また、話が少し脱線して申し訳ない。けれども、よくキミも脱線するからおあいこだね。
この前、キミが不意に「自分が好きではない女の子」に告白されて間違えてOKしちゃった話。
キミはお母さんには内緒にしてたね。
お父さんに話したから、みんな伝わってきちゃいます。セキュリティがゆるゆるで申し訳ない。
お父さんはこういうことに関しては、ルパンにすぐ入られちゃう美術館ぐらいのセキュリティなんだ。他のことにはかなりリスク対策してるんだけどね。
これでは、とっつぁんがすぐ来てしまう。うちのとっつぁんは例えるなら娘かなと思ってるけど、その話はまたの機会に。
単刀直入に書くと、私はキミの断り方が気になった。
「このままだと僕の精神状態が保てないからごめんね」
聞いた時『斬新!』って思った。
そんな風に断る人は41年生きてきて初めてだ。
最初はちょっとどうなんだろう?って思ったけど、「断るのはあなたのせいじゃないんだよ。」と「僕側の気持ちの問題なんだ」と主張したいのかなというところにお母さんの推測は今着地しました。
けれども、ことばが少しだけ不足してるかなと思った。そして、聞く人が聞くとある意味ショックかもしれない。キミは本当はずっと好きな人がいる訳だから、そこを話しても良かったのかなとも思った。
でも、今時の小学生はそんなこと言ったら「じゃあどの子がそうなんだ?」になるから迂闊にも言えないのかなとも思ったり。
キミはキミの世界でいろいろあるんだなと、話を聞いていてよく想像しています。
お母さんは口は出さないけど、頭の中ではそんな事をぐるぐると考えたりもしてます。
まあ、全然気にしなくていいです。
また、話は変わるけど、昨日、お家に大きいくもが出たよね。
こういう時に頼りになるお父さんが出かけていたので、お母さんは大変困りました。
8cmくらいの足の長いヤツは、洗面所の時計の横でまるで小さい時計みたいにすましたカオをしてました。
「お前は時計じゃないやい!」とお母さんは変に強がりながら思いました。
はじめてあんな大きいのが出てきたから、私はキミに助けを求めたよね。
そしたら、すぐすっすっとティッシュを2枚取って洗面所に来てくれて。
じっと、クモを2秒見つめて
「ああ、これは僕にもちょっと.....」とキミは困った笑顔でこちらを振り向いた。
あの顔がすごくいいなぁと思ってた。
「網みたいなのがあるとつかまえて外に出せるんだけど.....」
網はないから、お母さんは料理用のザルを持ってきて確保し、結局そのまま横にある窓の外に追いやって、ことなきをえました。
こういう出来事から、お母さんはたくさん思うことがあるんです。
一つは、キミに助けを求めるといつもすぐ来てくれるところ。
「えーやだー」とか、一回も言ったことないよね。
それがすごいなぁと思う。簡単なようでなかなかできないことなんだよ。
大人になると変な言い訳とかしちゃうし。
あとは自分の力を見極めて、無理なくちゃんと人と協力しようとするところ、捕獲するにあたってアイディアをだすところ、殺生しない方法を模索しているところ、が良かったな。
お母さんが結局外に逃したから、キミはもしかして「僕は役に立ってない」と思っているかもしれない。
けれどもね、お母さんはキミが横にいてくれたおかげで勇気をもって行動に移せたんだよ。
チームプレイというのは目立つ人・動いている人だけがえらい訳じゃない。ちゃんと陰ながら支える人がいるってこと、キミにちゃんと伝えたいと思う。
お母さんはキミが「少しだけクモは苦手」という情報を今回胸に刻みました。苦手なのに来てくれてありがとう。
あと、今朝は
「アリを昔食べたことがある」
というけっこう驚きのカミングアウトを聞いたけれども。
発端はキミの好きなりんごのデニッシュパンにアリがついていたところから話は始まっていたね。
家の中にアリが入り込んでいたことが、お母さんはショックだったけれども。(ゴキブリは一回も出ないのに、ダンゴムシや今回初めてだけどアリは入れるんだね。なんでだろう。)
友達が「食べてみな」と言ってきたこと。(たぶん冗談なんだろうけど、あまりそのような事を圧をかけて言う子であれば、お母さんもまた対策を一緒に練りたいと思う。)
アリの味はキミも興味があったから食べたこと。
食べたら苦い味がしたこと。
食べた後は友達は若干引いていたこと。
ここに関してもいろいろお母さんはぐるぐると考えることがたくさんあります。
でもお母さんは
「苦いならもうアリはこりごりだね。」
「お母さんはキミと友達になりたいよ。」
「お母さんは引かないよ。キミがいてくれておもしろいなと思っているよ。」
とだけ言いました。
キミに取っては、このようなエピソードも
もしかしてささいな事かもしれないし
ごくごく普通の日常なのかもしれないけど。
お母さんにとっては、かけがえのない場面で
思わず微笑んでしまったり
成長を感じたり
楽しかったり
少しさみしかったり
毎日発見があります。
あなたのいいところは、とても素直なところだと思っています。
小さい頃の無邪気な素直さとは、また質が変わっていて
少しずつ世界のしくみがわかってきた上での素直さ、だと思っています。
お母さんはキミのそういうところに憧れています。
またいろいろなことがあると思うけど
楽しくやっていきましょう。
よろしくね。
【息子が読むことはないと思いますが、いつかちゃんと手紙を書きたいなと思っています。こういうのってタイミングが難しいですよね。みんなどうしているんだろう。(そもそも書かないかな?)ビッグウエーブに乗っているので、また誰かに発作的に書いていたら見過ごしてやって下さい。それでは!】
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