3つの坂とレジリエンス
人生には3つの坂がある
上り坂
下り坂
そして・・・まさか
このことばは「カルテット」(TBSで、2017年1月期の火曜ドラマ枠で放送されたTVドラマ)で出てきたセリフである。
なかなかいいことばであると思う。結婚式で話す3つのふくろの話より個人的には好きだ。(3つのふくろが何だったのか忘れてはいるのだが)
めったにドラマを見ない私だが、カルテットは同僚の勧めもあり、なるべく見るようにしていた。劇中で意味のない雑談が多く、あとあとで雑談がつながっていくような、いかないような、ふわふわとした感じが好きだった。私は結論のでない意味のないようなことが割と好きであったりする。
話は戻って昨日その「まさか」が久しぶりにあった。
仕事帰りにコンビニに寄ってレジに並んだら、
「ねえ覚えてるよね?」
と店員にいきなり声をかけられた。
よくよく見ると、小中学校で同級生だった子がそこでレジを打っていた。
お客さんもほとんどいなかったので、少し立ち話をした。他の同級生の近況や、また同窓会を開いてほしいといった話で盛り上がり、私はコンビニを去った。驚きでドキドキしたのと、なんだか心が久しぶりにほかほかした。
人生ではいろいろな「まさか」がやってくる。
例えば、私であったら、作業療法士になったこと。
結婚したこと。
義理の父親が脳梗塞を発症したこと。
子どもがうまれたこと。
夫ががんになったこと。
会社を立ち上げようとしていること等々・・・。
いいことも悪い事も、突然来たり、ゆっくりと忍び寄ってきたり、様々な形で私たちの人生に関わってくる。
何か思わぬ事があると多大なエネルギーを消費する。それがいいことでも悪い事でも同じだと思う。(うつ病になるきっかけは良いイベントでも起きると聞いたことがある)
だから人生はコントロールしようなんてできないものだし、やってくるものに対してどのように振る舞えるのかは、その人によって違うし、それがやってくるタイミングでも変わってくるものだと思う。
最近知ったことばで「レジリエンス」ということばがある。
知ったきっかけはTEDの動画。
ペンシルバニア大学やクライストチャーチでレジリエンス(心の回復力)の研究をしていたLucy Honeさんの話を聞いたからだ。
彼女は2014年に娘と母親を交通事故で亡くしている。
そこで「レジリエンスの専門家」だった彼女は突然「1人の悲嘆にくれる母親」になったと話している。
今まで自分がアドバイスをしていた立場だったのに、専門家のアドバイスなど聞きたくないと思ってしまった。
家族がバラバラになりそうでも、どうにもならずふさぎこんでしまった。
その中で彼女が自分で見つけ出した3つのレジリエンスについて動画で語っている。(3つの内容が気になる人は動画を見てほしい)
完璧な人生を送ることはできない。「まさか」があった時に、レジリエンスを高めることで乗り切れることがあると彼女は教えてくれた。
私は、障害をもった方にこの動画を見てもらったことがある。
彼は「この人は娘を亡くしている。自分は体の不自由を無くしている。同じ喪失だけど無くしたものが違うから、きっと同じところと違うところがあると思う。でもありがとう」と感想を述べてくれた。私も同じ感想で、悲しみの向き合い方が違うと思っている。
それについてはまた追々と考えていきたいと思う。
今のところ何が起きるかわからない私の人生。
今後起きるであろう「まさか」がやってきた時に、レジリエンスのことを思い出したいと思っている
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