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「あら、持ってきなさいよ」 ぱちんぱちんと枝葉を切って、私にすっと差し出した。 利用者さんのご自宅の庭に立派な金木犀の花が咲いていることに、私は敷地に入った瞬間気づいた。金木犀の独特な香りがあたりに漂っていたからだ。香りを辿っていくと庭の隅に植えられているオレンジの花をたくさんつけた木が視界に入ってくる。 その話をすると「どれどれ」とご本人も庭に出てきてくれて、2人で木を眺めていた。 「今年はたくさん咲いたわね。あなたちょっと持ってけば?」とおっしゃって下さり、こうして
「なんか、お話しましょうか」 と言われたのが先々週。 私は訪問リハのお仕事で、夏前くらいから行かせてもらうようになった男性にこのように言われたのだ。 ファーストコンタクトは彼からの注意で幕を開けた。「君ね、いちいち確認しなくていいよ。」と血圧などのバイタルサインを確認している時におっしゃられ『あまり話しかけてほしくない方なのかな』と私のなかで強く印象に残ってしまった。 それ以来、彼がいつも韓流のドラマを熱心に見ていることもあり、私からは訪問中は極力話しかけないようにし
夢見る少女じゃいられない! 私が学生の頃、相川七瀬さんという歌手の歌が流行っていた。 私はスペースシャワーTVで流れる「BREAK OUT!」のMVを見て「なんてかわいい顔立ちの人なんだろう」と祖母の自宅の和室の畳の上でごろごろしながら彼女の顔に見惚れていた。 夢見る少女じゃいられない、のか。 私はこの先どうなるんだろう....? 先が見えない自分を持て余していた私は いつのまにやら夢ばかり見る大人になってしまった。 隙があれば大なり小なり妄想ばかりしている。