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思ったことや考えたこと

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日々暮らしていて、頭にふっと思いついた考えや、人から影響を受けて浮かんできた思考の断片などを書いたもの。
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2021年6月の記事一覧

この美しい世界が見えるのなら

私は若い頃「自分の存在は無意味だ」と思っていた。 高校を中退し、社会に属さず、家で引きこもる私は誰の役にも立たないお荷物であると思っていた。 今は違う。 そんな事を思っていた自分を殴ってやりたい。 と同時にあたたかく抱きしめてやりたいとも思う。 生産性がないやつはお荷物だなんて 自分にそう思ってしまっている私は きっと相手にも同じような差別を必ずするだろう。 今はそんな事を思いたくない。 知らなかった自分を恥じることもない。 あの時は自分を守ることに必死だった

40年の器

目が覚める。 眼鏡がない景色は ピントがさだまらず 白いシーツの上に横たわった影は ふちどりがはっきりせず 物体と物体のつなぎ目がうまく連結しない 少しずつ 少しずつ 目が覚めて 相手に焦点を定める 沈黙をやぶる声 「おめでとう」  おめでとうの ことばの縁をなぞる おめでとう おめでとう おめでとう おめでとうに撫でられる 目を閉じる たくさんの おめでとう おめでとうに呼応する 吐くようにすべるように 笑顔と感謝を 「40歳