巣穴のアリをつぶさぬように
まだ私が子どもだったころ。
夏休みになると、近所の公園のラジオ体操に毎朝参加していた。
ラジオ体操は地区の青年会が交代で関わっており、朝の6時半近くになると近所の人たちがのそのそと出向き、自然と公園に集まってくる。
ある人はスエット上下で、ある人は寝癖をつけたまま、ある人はあくびをしながら「今起きてそのままやってきましたよ」という出で立ちの寝起き集団は、静かに狭い公園に集まる。
誰が声をかけるでもなく、集団は静かに待っている。定刻になると、ラジオからはつらつとしたアナウ