ドラえもんを教員目線で見るとツッコみたいこと3つ
こんなタイトルをつけておきながら、ドラえもんのことは私もこどもの頃からずっと好きだし、うちのこどもたちもドラえもんのアニメを毎週心待ちにするほど大好きなんです。マンガもたくさん持ってるし映画も行く。
それに、これから書いていくことを教員目線で解決すると、ドラえもんの世界観が成り立たないことも分かってる。
でも、こういうのが毎週アニメを見ているうちに、無意識にこどもに刷り込まれていくのは良くないなっていう思いもある…
特に「テストで悪い点を取ると、大人から叱られる」っていうのだけはやめてほしい。勉強でもなんでも、分からないことは早めに周囲にヘルプが出せる方が良いに決まってるから。
アニメのドラえもんに、先生目線からツッコミたいことはずばりこの3つ。
①成績が悪いのは「怠け」ではない
のび太の母も先生も、のび太がテストで0点を取るたびに
「怠けている」
「もっと勉強しなさい」
と叱るシーンがたびたび出てきますが、これ違いますよね。
日頃から怠けているタイプではあるけれど、不登校ではないので毎日学校に行って、少なくとも授業は聞いているはず。
宿題にも、しずかちゃんや出来杉くんの回答をズルして写そうとするシーンがよく出てくるものの、取り組んでいます。
テストの答案もきちんと埋めるタイプです。答え違うけど。
のび太なりに色々頑張っている、けれど5年生の勉強は分からない。そんな感じなんじゃないかな。
それに5年生の時点で0点を取ると言うことは、2〜4年生の時点でその兆候が出ている可能性が高いです。
となると、のび太に対して必要なのは「叱る」じゃない。
②つまずいた過去の学習を特定する
5年生のテストでいつも0点ばかり取る子に対して、大人がすることは叱って本人に努力させることではなくて。
たとえば「これ1冊で完璧!よく分かる2年生の算数」みたいな、その手の問題集を解いてもらって、のび太の学習がどこでつまずいたのか特定することだと思う。
かけ算九九ができないのに、5年生の算数でつまずかない訳がない。
先生はやたら野比家にアポ無しの家庭訪問をして、のび太のママに「お子さんにしっかり言ってください」みたいな声かけをしているけれど、家庭訪問する時間があったら学年主任と相談して、のび太のような以前の学習でつまづいてる子の対策を他の先生を巻き込みながら考えた方がいいと思う。先生は43歳らしいので、すぐ教務主任に抜擢されそうだし(ってドラえもんの時代の教務抜擢はもっと後なのかな…?)
③特別支援コーディネーターに相談してくれ
のび太の担任はあろうことか街中で、カバンに入れていたのび太のテストを吹っ飛ばしてしまい、追いかけていたというシーンがあったので、アニメのドラえもんの舞台は令和ではないと思うんですが。
(ときどき現代っぽいものも出てくるけど。笑)
もし令和なら、今すぐ校内にいる特別支援コーディネーターの先生と相談してほしい。
テストが0点でジャイアンやスネ夫に馬鹿にされるのは、もちろんよくはないけれど、仕方ない部分もある。だってこども同士だもん。
でも、できない理由は怠け→だから叱る、って支援しか周囲の大人から受けられないのは、のび太にとってプラスにならないですよね。
のび太の担任の良いところ
のび太の担任にツッコミを入れたところで、最後にいいところについても書いてみます。
それは良くも悪くも、児童の可能性を諦めていないことじゃないかな、と。
高度成長期の頃の日本で、テストで0点ばかりの5年生。
私はこの時代の先生ではないので、実際のところは分からないけれど、おそらく先生によっては
とか
みたいな、社会人になった時に周囲の人間に可愛がられるスキル(と呼ばれていたもの)を磨くことをすすめて、学力向上に関しては諦めるというか。
そういう指導方針の先生も多かったんじゃないかなぁ。
そういう意味では、のび太の学力を諦めていないって点では、先生としてしっかり仕事をしようとしているんだろうなぁと思います。やり方はあれだけど、彼もいい先生なんだよね。
ドラえもんの世界観にツッコミしまくったので、世間様になんて言われるか正直こわいのだけど、マシュマロを置いてみる(すっ…)