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【旅1】本好きによる本好きのための高松案内

本屋ルヌガンガ

素晴らしい本屋さんがある街はそれだけで素晴らしい。

では"素晴らしい本屋"とは?というと、もちろんそれは人それぞれの価値観によるのだけれど、大きくて品揃えが良ければ素晴らしい、というわけではないと個人的には思っている。

大切なのは世の中に数多ある本の中からどんな本を選び、どのように並べるか。
お店の広さ自体は少しこじんまりしているくらいがちょうど良い。
丁寧に厳選された幅広いジャンルの本たちが少しゆとりを持って並んでいる、そんな空間が理想だ。
大型書店では見逃してしまいがちな、"決して目立たないけれど良い本"に出会えるとなお良い。

そんなわがままな私が愛してやまない本屋さんが高松にある。

その名を「本屋ルヌガンガ」と言う。

先日、ルヌガンガさんに約2年ぶりに駆け込んできた。

お店の看板の「本」の文字は、
今は亡き装丁家・平野甲賀さんによるもの

扉を開くと、決して広い空間ではないが、本好きにはたまらない空間が確かに広がっている。

平日の午後だったこともあり、幸いお店は混み合っておらず、とっておきの本たちと心ゆくまで向き合うことができた。

相変わらず選書のセンスが抜群で感激する。
そしてその選ばれし本たちは大まかなジャンルやテーマごとに自由に、けれどベストな順番で並べられている。

"芋づる方式"とでも言えば良いだろうか。
ある本を起点として自分好みの、それでいて新たな本と出会えるような並びになっている。
(あまりにも自分好みの本が多すぎて、「この棚私の本棚ですか?」みたいな一画もあるけれど笑)

ルヌガンガさんのような素晴らしい本屋さんに身を置くと、読書という趣味の奥深さ、底知れぬ面白さに改めて気付かされる。

今さらだが本屋さんに足を踏み入れた瞬間から読書の愉しみは始まっている。(もっと言えば本屋さんに行こう!と思ったその瞬間から始まっているのかもしれない。)
本を手に取って、ページの質感を確かめながらその本との相性を確かめる。読むなら電車の中だろうか?あるいは夜寝る前?その本を読む自分をイメージしてみる。そして自宅の本棚のどの辺に置こうか妄想してみる。
あれやこれやと考えながら本を選び、購入し、お店を出る頃にはすっかり心が満たされている。

もちろんネット書店だってそれはもうとても便利だし、電子書籍だって素晴らしい。今やどちらも生活に欠かすことはできない。
だけどやっぱりリアル書店で過ごす時間は特別だからルヌガンガさんのような素晴らしき街の本屋さんのある街に心惹かれるのだと思う。

ルヌガンガ店主の中村さんは「本屋という仕事を、種をまき、時間と手間をかけて草木を育てていくように、長いスパンで世界を豊かにしていく仕事だ」と言う。
ルヌガンガさんがある限り高松の街は昨日よりも今日、今日よりも明日少しずつ豊かになって行く。

さて、ルヌガンガさんにもカフェスペースはあるけれど、高松には本を読むのにぴったりなスポットが他にもたくさんあるのでいくつか紹介させていただきたい。

半空

まずは半空(なかぞら)
本好きにとって高松で外せないスポットと言っても過言ではないだろう。
素晴らしい珈琲と本と音楽が待っている。
遅い時間までやっていて(13時〜夜中の3時)お酒も楽しめるのが嬉しい。ヘミングウェイの愛したモヒートや安部公房の愛したスリヴォヴィッツといった素敵メニューにも心ときめく。

半空所蔵の素晴らしい本を読むも良し、読みかけの本を持ち込んで読むも良し、とにかく半空の扉を開けばそこは天国。

伊丹十三が愛したキューカンバー・サンドウィッチ
この日のお供は「百年の孤独」

くつわ堂総本店

「瓦せんべい」で有名な老舗くつわ堂総本店の2階にある喫茶室。
店内には何といのくまさん(三越の包装紙を手がけたことでも有名な猪熊弦一郎さん)の油絵が!
自家製サバヨンクリームがおすすめ。

グレコ

朝7時からオープンしている純喫茶(喫煙可)。
ルヌガンガさんのご近所。
なぜか1日中食べられるモーニング(それはもはやモーニングとは呼べないのでは?笑)がおすすめ。

南珈琲店

こちらも朝7時からオープンしているレトロ純喫茶(喫煙可)。
立地が良いので街中で一服したいときにちょうど良い。

スターバックス JR高松駅店

"高松らしさ"は無いかもしれないが、高松駅構内(2階)にあるスタバは電車が見えて楽しい!鉄分多めの方にもおすすめしたいスポット。
東京ほど混んでいないのも嬉しい。


TSUTAYA BOOKSTORE TAKAMATSU ORNE

オープンしたばかりの高松オルネ(駅ビル)の3階にあるTSUTAYAが展開するシェアラウンジ。
先日初めて行ったけれどこちらも混み合っておらず広々していてとても居心地がよかった。

高松といえば「海辺のカフカ」だよね

ことでん

そして番外編?でことでんに揺られながらの読書もおすすめ。
例えば、高松築港駅から琴電琴平駅まで電車に揺られてちょうど1時間。車窓に広がるのどかな景色を眺めつつ、ことこと揺られながら本を読むなんて最高じゃないですか?

琴平まで往復するなら
1日フリーきっぷがおすすめ
途中下車し放題!

仏生山温泉

高松には湯船に本を持ち込むことができる温泉もある。
かなりぬるめのお湯もあるので好きなだけ長湯できる。休憩スペースに「50m書店」というスペースが設けられていて古本がずらっと並んでいる。
50m書店でゲットした古本を片手に温泉なんてこれまた最高じゃないですか?

スタイリッシュな外観!

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