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【2】12月25日の2


【2】12月25日の2
 診察を待つ人が増え始めると「混んできたから廊下で待ってるね」。妻は待合室を出て行った。待ち時間は続く。鈍痛も続く。病気の人々が私の周りを埋め尽くしている。誰に言われるでもなく付添の人は、みんな廊下に出て行く。この病院の慣習のようなものなのだろう。数度の通院だけでは、気づかなかったことだ。
 30分ほどして、0724と表示が出た。どうせたいしたことはない、妻を呼ぶ必要もないだろうと一人で、もちろんしっかりとした足取りで、診察室に入った。一通り病状を確認した医師は、「細かい検査を一応しておきましょう」と言い、紙切れを1枚渡し、2階の25検査室にの向かうよう告げた。ここは24じゃなくて25かと思いながら、妻を見つけ2階の検査室に、2人で元気よく歩いて向かった。2階に上がってみると25検査室は、心電図や心臓のエコー検査のための部屋ということがわかり、「胃が痛いんだけどなぁ」と思いながら検査室に入った。
 最初に心電図の検査。「・・・が出てます」。検査官がどこかに連絡している。続いてエコー検査。結構な時間がかかる。途中で車椅子が運ばれてくる。元気に歩いて入った検査室だが、出るときは車椅子に乗せられていた。車椅子の後を妻がついてくる。表情は見えない。先ほどとは別の診察室に入ると、ベッドに寝かされ、「心筋梗塞です。緊急手術をします」と宣告を受けることになった。身ぐるみ剥がされ、手術着に。そして、天井を見つめながら、ベッドごと手術室へと向かう。 

近所の蕾


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