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「きみのお金は誰のため」 田内 学著

本書は、ビジネス書として現在も売れ続けているベストセラー本です。

お金に関する問題を、小説の形をとって書かれており、気楽に読めるビジネス書ですが、

その内容は、お金というものの本質や社会のしくみ、また老後資金や格差などのお金に関する諸問題など多岐にわたります。

著者は、お金の正体には3つの真実があると言います。

最初に、お金自体には価値がないということ。

そして、お金で解決できる問題はないということ。

3つ目が、みんなでお金を貯めても意味がないということ。

お金を欲しいと思っている者にとって、どれも理解に苦しむ言葉です。

著者は、それぞれについて、資産家のボスと中学2年生の佐久間優斗、投資銀行に勤める久能七海の3人のやり取りで解き明かしていきます。

その話は、個人のお金から、日本社会でのお金、国際社会でのお金の意味にまで広がり、
資産家=お金持ちのあるべき姿についても提唱します。

この本のなかで著者は、

お金によって社会は広がったが、「ぼくたち」と感じられる範囲は狭くなった

と書いています。

私も似たようなことを感じたことがあり、

インターネットの普及により、知らない人や遠くの人と知り合ったり話ができるようになりましたが、近くの人との関係は希薄になっているように思います。

この範囲を広げていくこと、それが未来への希望であり、著者からの宿題ではないかと思います。

働くとは、お金を稼ぐことではなく、誰かの役に立つこと。

お金にとらわれず、道具として使いこなすこと。

今までのお金に関する考え方が、まるっきり変わります。

この本の一読をお薦めします。


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