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春クマの個体数調整

クマのよもやま話

春クマの個体数調整、今年の月の輪熊のモニタリング調査は最悪でした。

春先の草麗となる崩れには出て来ない、見るタイミングにも依りますが
30分くらいは同じ場所を見ていますが出ません。

山の奥には、まだ真っ白に雪が残って居るのに、里に近い山には木ノ芽が膨らみかけ、クマの好きなブナの芽も美味しそうに膨らんで来た。

いよいよ登るかな? いや登っていない、あの独特な黒さは遠くても解る。

そんな気持でブナの木を見るも、何処にも見えない。

隣支部の猟友に聞いてみるが、こっちも同じ今年はおかしい、とのこと。

前に行った崩れに行って見る、猟友と暫く眺めて見る。20分過ぎた頃

ヤセオネの向こうから、真っ黒い塊が現れた。小さい。

噛出しにしては小さい、これはスルーするしかないな。

ここ4,5年よく小さいのが現れる、餌の関係か、ドンドン増えた結果か?定かではない。もう少し大きな噛出しが居てもいいはずだが?

噛出しとは、2頭、雄、雌産んで3年、4年目に雌を追い出すことです。

雄は、交尾した後追い出します。確実に子孫は続きます、自然界は上手く出来て居ますね。

遺伝の結果か、解りませんが、たまに、月の輪が無い、月の輪熊が居ます。

胸に白いVマークの無い個体は、頭、腕等に白い毛が出る事も有ります。

木ノ芽も進みだいぶ葉が開いて来たもう地面が見えなく成った、いつも早く出る里山も早終了。里山は草丈が伸びる迄来ません。来ても見えません。

少し奥の山肌を見る、つぼみの開きかけたブナの木に黒い影が、居た。

ブナの枝葉の影に成り、薄く成ったり、真っ黒に成ったり、大きそうだ。

猟友と、双眼鏡を覗き込む、上の枝から幹の下の方に下がって来た、地面から2メートル位の枝で止まって居る、もぞもぞ何をしているのだろう

双眼鏡に食い入る、黒い塊が2つになった親子だ。

上の枝迄、登れない子熊にブナの芽を食べさせて居たのだ。

暫く視ていると、親熊はまた上の枝に登って行った。子熊の小ささから見ると暫くこの辺に居るだろう。目が疲れるが視ていて飽きない。

明日は対岸の崩の上迄登り、この親子を見下ろす事に決まった。

雪の残る少し奥の山へ、行かなきゃ成りません。奥は全て歩きです。

若い衆の後ろに付き、登山道を一時間程登って崩れの上から下を見る。

昨日下から見えた、子連れの居た中段んの平が上から一望出きる。絶景だ。

4人で眺める、居た!? 昨日の親子に違いない、だが子熊は見えない。

少し上のブナの木に、黒い二つの影が!これも親子か!又は雄熊か!

定かではないが、大きな雄がやって来ると子連れは逃げて行くはずだが?

するとこれも親子に違いない。下から見えない所にこんなに居たのか!

驚きである。午後は曇りから雨の予想です。

帰りに南の尾根を見ながら下りる予定です。まだ他にも見えるかも知れない

空も大分雲って来た、南斜面を見ているとあれも熊だ、カモシカじゃない!と誰かが叫んだ。双眼鏡を覗き込む、熊だ。こちらに向いている、どうする?

200,300先の対岸に来るには、まだ1時間はかかりそうだ、さあどうする?

雨も降りそうだし、今日は止めよう、惜しいが断念せざるをえません。

もう少し若ければ、毛廻しして熊が入って来たかどうか、見極めできるのに

見えない所にこんなに居たのか!若い足が欲しい。年寄りの、愚痴である。

車にたどり着くと雨が降り出した。危機一髪だった。

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