編集者とリモートワーク

ウイルスで社会が大混乱な今日このごろですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

弊社も満員電車を避けるため時差出勤を推奨し始めました。いっそのことリモートワーク・テレワーク可にしたらとも思うのですが、弊社は残念ながら「昔ながらの」「紙ベース」「対面が基本」な企業でして、おそらく可能性はないでしょう。

データ流出・紛失のリスクなどを考えると、気持ちは分からなくもないのですが…


そもそも編集者の仕事は完全に在宅でできるのでしょうか。

昔と違って、原稿は手書きではなくデータで入稿されることがほぼ100%です。

赤字もPDFに書き込んでもらえばいいし、手書きがよければスキャンしてPDF、あるいは送付してもらえばOKです。

重いデータもクラウドやデータ共有サービスで簡単にやり取りできる世の中です。

メールも転送すれば自宅作業で完結しそうな気がします。

とはいえ、100%在宅だといろいろとトラブルになりそうだなぁというのが個人的な感想です。

以下は私がリモートワークにしたら困るのでは?と思っている事柄です。


①著者との打ち合わせ

著者とはできるだけ顔をあわせて話したほうが、微妙なニュアンスを共有できますし、絆が深まるような実感があります。

ただ、どうしても会えない場合もあるので、その時はメールや手紙をこまめにします。誤解を招くような表現をしないよう気を使います。可能ならば電話もします。

②調べ物と質問

私はまだまだ新人ですので、わからないことがたくさんあります。

社内に置いてあるさまざまな参考図書、過去の出版物を参照したいときもしょっちゅうです。

それらすべてを自宅に備えるのは予算的にも厳しいです(データ化して持っておけばいいじゃないかって?紙質とか厚みとか見たい時もあるので…)

先輩や上司に相談したい時もよくあります。

同じ職場にいれば、「あっ今忙しそうだから後にしよう…」とタイミングを見て相談できますし、逆に先輩方が気を使って見に来てくれたりもします。


③組版担当者とのやり取り

弊社は社内に組版をしてくれる担当者がいるのですが、その人の作業画面をみながら「あ〜もうちょっとこっち!この線まで大きく!」みたいに指示したい時があります。

ちょっとした修正を、いちいちPDFに出力して送ってもらうのも大変だと思うので…

ほんの少しならInDesign触れるのですが、自宅にInDesignを導入してデータをやり取りするのはバージョン管理が大変になりますし、まだ勉強中の身なのでちょっと難しいかなと思ってます。


④プリンター

画面上でほとんどの作業はできるとはいえ、私は紙に印刷したものも念のためチェックしたいタイプの人間です。

会社にある複合機はかなりいいもので、キャリブレーションもしてあるので、比較的画面で見た色が忠実に再現されます。しかもA3の紙も印刷できます!

自宅にA3にも対応したちゃんとしたプリンターを置くのはなかなかコストがかかり、現実的ではなさそうです…


⑤仕事モードへの切り替え

これはたいへん個人的な理由ですが、私の場合自宅は「くつろぐところ」であり、これはなかなか覆せません。

家に仕事を持って帰るくらいなら残業したほうがましというのが基本方針です。

在宅ワークをしている方々はいったいどうやって日常と仕事を切り替えているのか、本当に尊敬します。

もしリモートワークが可能(あるいは義務)になったとしても、自宅ではなくシェアオフィスなどを利用することになるでしょう。


あとがき

いろいろと考えた結果、今の私がリモートワークで編集業をやるのは難しいだろうなぁと思います。

ただ、昨今のような情勢、あるいは子育てなどライフスタイルの変化により、今後自分の気持ちがどう変わっていくかは分かりません。

もっと仕事に慣れたら、毎日ではないにしろ、リモートワークを取り入れていける日も来るかもしれません。

編集者の方でリモートワークをしている方もきっといらっしゃると思うので、そんな方の経験を聞いてみたいですね。





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