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育休(育業)を取ってよかったことは?

こんにちは。最近、息子が3歳になりました。
あっという間だったような、ここまで長かったような、不思議な気分です。
#育休から育業へ
という企画に沿って、当時を振り返ってみようと思います。


我々夫婦が第一子を授かったのはコロナ禍真っ最中の2020年。
さまざまな事情を考慮して、里帰り出産ではなく自宅近くの産院にお世話になることに。
それぞれの会社と相談し、夫は2ヶ月間、私は子が1歳になるまでの予定で育休を取得することにしました。以下の図をご覧ください(赤色は産休、黄色が育休/育業です)。

我が家の育休取得状況

①私(妻)だけ産休の期間

重たい体を引きずって通勤するのも終わり、ようやく産休に入った時期です。
産休中はあれをやろう、これをやろう、せっかく家にいるのだから…と考えていたのですが、そんな計画は早々に頓挫しました。

どんどん体は重く動きづらくなり、しかもすぐにお腹が張るようになりました。ちょっとお皿でも洗おうか…とか、少し散歩でも…と思っても、すぐ辛くなり、横になってばかりでした。
慢性的に足の付け根や腰が痛いのもストレスでしたし、寝苦しくて夜中に何度も目が覚め、睡眠不足にもなりました。赤ちゃんグッズをお裁縫しようかなとか思っていたのですが、まるで実現できませんでした。いつ来るかわからない陣痛を待ちながら、悶々と日々を過ごしました。

あまりにも毎日の無力感がひどかったので、36週ごろからは毎日、その日できたこと3つを日記につけていました。「洗濯物を畳めた、床掃除ができた、薬局に行った」のように。
個人差はすごくあると思うのですが(臨月でもアクティブに動ける人もいるらしいので)、あまりにハードル上げすぎてしんどくなってたなぁと反省しています。

結果的にはほぼ予定日どおり(夜中)に陣痛が来ました。
コロナ禍で家族の立ち会いは厳しいかもと言われていましたが、なんとか許可され、夫立会いのもと、自然分娩で無事に第一子を出産しました。

②二人とも産休or育休/育業の期間

最初にお断りしておきますが、夫はオムツ替えから沐浴、ミルク作りなどなんでも率先してやり、食洗機も導入するなど、私の負担を一生懸命減らそうとしてくれました。
私の場合、出産から1ヶ月ほどは、骨盤がガタガタで体力もガタ落ち、家の中でちょっとした家事をするのもキツい状態だったので、産前産後は通院以外の用事ではほぼ外出せず、赤子の世話以外は寝たきりのように過ごしました。
それが可能だったのは、育休を取得していた夫と、遠方に住む実母(泊まりがけで手伝いに来てくれた)(大感謝)のおかげです。
特に、乳児の世話という未経験タスクを、夫婦二人とも初心者の状態で、ほぼ同時期にスタートできたのは大きく、わからないことを調べて共有したり、苦労を分かち合ったりできました。

ところが産後メンタルのせいか、私は細かいことが異常に気になって夫の粗探しをしてしまい、イライラしたり自己嫌悪で落ち込んだりしていました。
自分の方が赤子の表情の変化に敏感だったので、「オムツが濡れて気持ち悪そうなのになんで気づかないの!」とかしょっちゅう爆発していました。
元々はズボラな性格だったのに、異様なまでに神経質になっていました。

当時の育児日記(手書き)。当時の異常な神経質さがうかがえる

さらに、当時の私が不満を感じていたのは、「夫が夜中のお世話の時に起きてこないこと」。
母親あるあるなのかもしれないのですが、赤子が「ふえぇ・・・」とでも泣こうものなら即座に目が覚めてしまい、泣き止ませようと抱き上げたり、オムツを替えたり、授乳をしたりとバタバタ動き回ります。
それどころか、泣いてもいないのに「息をしているか!?」と不安になって起きることすらありました。その間も(同室にいるのに)すやすや寝ている夫に、とにかく腹が立ったものです。
度重なる衝突を経て、夜間のお世話の何割かを夫に替わってもらうようになり、連続した睡眠時間を確保できるようになってからはかなり改善しました。

夫はハリセンボンのようにトゲトゲしかった私の相手を我慢強くしてくれました。当時は当たり散らしてごめんなさい。この場を借りてお詫びします。

実は、夫は夫で、この時期けっこう病んでいました。
慣れない育児、イライラした妻、(夫にとっては)義理の母が来ていること、仕事から離れる不安、そして自分のための時間が持てないことへのフラストレーションなど。
夫は日中は育児や家事にフルコミットしていたので、夜間に(睡眠時間を削って)自分のための時間を持っていたようです。その結果、子どもが1ヶ月齢になった頃、自律神経失調のような症状が出て、倒れました
その後は趣味や勉強を諦め、睡眠時間をできる限り確保することで徐々に回復したのでした。

③私(妻)のみ育休/育業の期間

夫が2ヶ月間の育休を終え、仕事に戻った後の時期です。
夫は在宅勤務メインだったので日中も家におり、完全なワンオペじゃないから安心だな、と思っていました。
ところが実際は、(ある意味ワンオペより)気を使うことが増えました。

  • 仕事中の夫にはやっぱり声をかけづらかった。本当に切羽詰まった時だけ「ちょっと見ていて」とお願いしたが、すごく罪悪感があった

  • ZOOM会議中に子どもの泣き声が入ったら迷惑だろうし、泣き始めたら散歩に連れ出さないといけない(と思い込んでいた)のでしんどかった

  • 自分は常に赤子のペースに合わせなければならず、息苦しくて逃げ出したい気持ちなのに、自分のペースで生き生きと仕事をしている夫が近くにいるので、羨ましく、恨めしく感じた

  • 早生まれのため保育園が見つからず、自分の職場復帰の目処は全く立たなくて不安なのに、夫は仕事復帰できていて悔しかった(事前に相談して決めたことなのにね!)

  • むしろ完全にワンオペの日の方が、「私しかいないんだ!」と覚悟が決まって(?)アドレナリンがガンガン出たので、精神的には安定していた(ただし夜にはエネルギー切れでフラフラ)

子どもはもちろんかわいいとはいえ、あまりコミュニケーションも取れず一人では何もできない赤子とずっと二人きりで、息が詰まりそうでした。
「早く仕事に戻りたい、社会との繋がりが欲しい」と切実に思い、8ヶ月ごろからは保育園やベビーシッターを探していましたが、一方で「こんなに小さい子を預けるの?まだ0歳なのに?かわいそうじゃない!」という内なる声(誰?)が常に頭の中で鳴り響き、「赤ちゃんから離れるのは不安、自分が見ていない時に何かあったらどうしよう、怖くて誰にも預けられない」という強迫観念に似た感情も抱いていました。
自分の心がバラバラになりそうで辛かったのを覚えています。

ようやく職場復帰できた時には本当に安心しました。
記憶力や文章理解力、集中力などが明らかに落ちている上、仕事の感覚をすっかり忘れており、「これでは職場に迷惑をかけてしまう!」と焦りましたが……
そして、慣らし保育や登園しぶり、頻繁な発熱などさまざまな困難を乗り越え、今に至ります。

育休/育業期間を振り返って、いま思うこと

正直、辛いことも多かったです。後悔もあります。
「育休をブランクにしない!」とかのきらびやかなキャッチコピーも見ましたし、色々やりたいこともありました。資格も取りたかったです。でも、無理でした。ぜんぜん寝ない子だったからです。
「子どもが寝ている間に○○しよう」がほぼ封じられてしまったので、そりゃあもうキツかったです(ネントレ戦記は機会があれば別の記事で書きます)。
子が起きてる時はひたすら子どもの世話をし、子どものことを考え、子が寝たら自分も一緒に寝ました。細切れの睡眠しか取れず、常に頭が朦朧としていました。
自分の時間らしきものを持てたのはだ〜〜いぶ後になってからです。

ただ、もちろん、辛かったことばかりではないです。
初めて寝返りした瞬間、ハイハイできたときの嬉しそうな顔、初めてトマトを食べさせたときの酸っぱい顔、全部その場に立ち会うことができました。
毎日抱っこひもに入れて近所の公園を散歩し、小さな季節の変化を見つけました。
早朝に覚醒した我が子を抱きながら、ベランダから日の出を眺めました。あの光景は一生忘れないんだろうなと思います。
そして、一番辛い新生児期を夫と協力して乗り越えられたことで、夫婦の絆もより強くなったと感じます。

息子と見に行った桜

さらに、育業を経て、仕事への取り組み方にも変化が生まれました。
仕事に穴を開ける悔しさ・申し訳なさを夫婦ともに知っているので、できるだけ会社に迷惑がかからないよう、締切に余裕を持って進めたり、効率よくタスクを処理したり、物事の優先順位をつけるのが上手くなりました。
子どもの急な発熱などの時も、仕事のスケジュールに余裕があれば、「お互い様」の気持ちで臨機応変に対応できます。
業務効率が上がったので、むしろ産前より時間あたりでこなせる仕事量は増えたと思います。

自分たちの経験をもとに、これから育業を取得する人に何か伝えられるとするなら、

  1. まずは体調管理を最優先
    赤子が来る前と来た後では生活の変化がめちゃくちゃデカいので、どんなに体力がある人でも(ここ重要)過信せず、可能な限り心身を労るのがいいと思います。家族が増えるという出来事はライフイベントとして最大級にデカく、もちろん喜ばしいことではあるのですが、受けるストレスも大きいからです。

  2. 産後はどんな女性もメンタルが悪化すると考える
    産前、我々夫婦は仲がよく喧嘩も滅多にしませんでした。情報を集め、産後うつやガルガル期とかについても知っていました。意見の相違があっても、穏やかに話し合いで解決できると思っていました。でもホルモンバランスの変化には勝てませんでした……
    睡眠不足になったらどんな聖人でもイライラして冷静な判断ができなくなります。「自分だけは大丈夫」と過信せず、産後はメンタル状態が大きく悪化するものとして対策した方が良いと思います。

  3. 事前に計画を立てすぎない
    特に短期計画(今日は洗濯と掃除と料理)は、赤子の気分次第、体調次第ですべての計画がひっくり返されるので、綿密に入念に計画を立てすぎるとウワーーーッてなります。あれこれ欲張らず、あわよくば……くらいに思っておくのが良いと思います。

  4. 物事の優先順位をつける
    「今日も全員生きてるから100点!」「ご飯食べて風呂入ってたら死なない!」が合言葉でした。0〜1歳頃は日常の家事・育児以外にもやることが多い(頻繁なワクチン接種、健診、お食い初めや初節句・ハーフバースデーなど各種イベント)ので、できるだけハードルを下げ、必要最低限のことだけこなしていれば良しとします。

  5. 信頼できる人(自分たち夫婦以外)を早めに探す
    両親・義両親や兄弟姉妹など、血縁関係がある人でももちろん良いですし、地域の助産師や保健師、児童館の職員、小児科の先生、民間のベビーシッター、保育園の先生、友人知人、近所の人、誰でも構いません。いざというときに頼れる人や窓口を、余裕があるうちに探しておくのが良いです。切羽詰まってから探すのは本当に大変だからです。

  6. たくさん写真・動画を撮る
    赤ちゃんの時代は案外短いです。あまり動かないから…と写真ばかり撮っていましたが、今思えばあのスローな動き、喃語、ふにゃふにゃな姿をもっと動画に残しておけばよかったと後悔しています。

などです。お節介オバチャンの余計なアドバイスかもしれませんが、誰かの日々の生活がちょっと楽になればいいなと思いつつ、この記事を終わります。



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