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ヴァイオレット・エヴァーガーデンは「愛してる」を知る物語。知るのは彼女とあなた

金曜ロードショー(2021.10.29)でヴァイオレット・エヴァーガーデン(以下、本作)が放送されるということで、特にいま「見ようかな~?気になるな~?」って迷っている方に向けてオススメする記事を書いてみようと思います。(要するに布教活動!(笑))

本作は僕の大好きなアニメです。普通、アニメって毎週1話放送されるじゃないですか?本作もそうだったんですが、僕はその1週間の間に録画したものを3回くらい見返したり、第5話放送前に第1~4話を見直したり、ってするくらい放送当時はハマってました。それくらい大好きでオススメの名作なんです

本作のアニメオタク的な推しポイントは、そりゃもうたくさんあるんですが、今回はその中でも特に素晴らしい物語ストーリーに絞って紹介します

どんな物語ストーリー

本作のタイトル「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は主人公の少女の名前です。作中ではヴァイオレットと呼ばれています。

ヴァイオレットは孤児で、戦争中、心を持たず人を殺せる優秀な女子少年兵でした。軍で心を持たない「道具」として扱われる中で、ギルベルト少佐と出会います。ギルベルトはそれまで単に「道具」として扱われていた彼女に「ヴァイオレット」という名前を与え、文字の読み書きを教え、人間として愛情をもって接します。
終戦直前、ヴァイオレットとギルベルトは戦闘で重傷を負います。ギルベルトは力を振り絞ってヴァイオレットにこう伝えます。
「生きるんだ……ヴァイオレット。君は、生きて、自由になりなさい。心から愛してる。」
しかしヴァイオレットには「愛してる」の意味が分かりません。その言葉が特定の感情を示すことは知っていても、なぜギルベルトが突然その言葉を口にしたのか理解できませんでした

終戦後、彼女は自動手記人形ドールになります。
「愛してる」の意味を知るために。
ここから物語は始まります。

自動手記人形ドール

自動手記人形ドールとは一言でいうと手紙の代筆屋さんのことです。

本作の世界では文字の読み書きができない人がいたりするので、そういった人から話を聞いて、代わりに手紙を書きます。この「話を聞いて」というところがポイントで、手紙の文章の内容を一字一句聞くわけではないんです。どういう間柄の人に向けて、どういうことを伝えたいか聞いて、それを良い感じの文章(手紙)にするんです。でも人間は想いを正確に言葉にできないことが多くありますし、時には想いと全く逆のことを言ってしまうことがあります(たとえばツンデレみたいな)。そういう依頼人の複雑な想いを汲み取らなければならない難しい仕事です。
現代日本でいえばカウンセラーのようなスキルが求められるんです。人の想いに寄り添ったり、共感したりできないと自動手記人形ドールは務まりません。

ですが、前述の通りヴァイオレットは孤児であり親の愛情を知りません。さらに軍でも人間でなく道具として扱われてきました。そのために依頼人の想いを全く汲み取ることができません。最初は依頼人の言ったことをストレートにそのまま書いてしまってメチャクチャな手紙になってしまいます。

仕事を通じて、真心や思いやりを知っていく

でも、多くの依頼人や周囲のドールと関わりあって、様々な経験をしていく中で、次第に人間の真心や思いやりといった感情を知っていきます。そして、依頼人たちの中に様々な愛の形を見ることになります
物語の最後、ヴァイオレットはギルベルトの「愛してる」にどう意味付けするのでしょうか?

以上が本作のあらすじになります。アニメ本放送では全13話かけて描かれた本作ですが、金曜ロードショーでは特別編集版ということでこれらをギュッと凝縮して2時間程度にまとめられたものになるようです。


依頼人たちの愛の物語

さらに付け加えると、本作はヴァイオレットとギルベルトの愛にまつわる物語であると同時に、アニメ1話1話が依頼人や周囲のドールの愛の物語なんです。詳細はネタバレになるので控えますが、この一つ一つの物語が本当に丁寧に描かれていて素晴らしいんです。
特に第10話は、とある親子の愛の物語なんですが、僕は初見で号泣してしまいました。泣きたいときには第10話だけ見返すくらい好きです。悲しさでなく愛に感動して泣けて、力をもらえる物語です。

第10話は僕は絶対に泣いてしまうので人前(例えば電車の中とか)では絶対に見られません(笑)金曜ロードショーでもこの第10話をメインに編集されるようなので、しっかりと泣く準備をして見てもらいたいと思います。僕も期待しています。


オープニングテーマ TRUE 「Sincerely」

金曜ロードショーの特別編集版でどうなるか分かりませんが、オープニングテーマも素晴らしいんです。「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」という物語をとても上手に表現しています。良かったら一度聞いてみてください。

「アイシテル」は遠いにおいがした
例えようのないこの想いは
とても怖くて だけど 愛おしくて

わたしなんで泣いているんだろう
心になんて 答えたらいい?
言葉はいつでも 語るでもなくて
そこにあるばかり つのるばかり


ヴァイオレットの瞳を通してあなたも「愛してる」を見つけていく

「愛」とは何でしょうか?と聞かれて即答できる人は多くないと思います。なんとなく家族や恋人、大切な仲間を思い浮かべたり、そういった人達との接し方を思い浮かべたりするかもしれません。

ギルベルトがなぜ「愛してる」と言ったのか、最初それは視聴者も分かりません。ヴァイオレットの瞳を通して、そもそも「愛」とは、「愛してる」とは何なのかを一緒に見つけていくことになります。

金曜の夜、あなたもヴァイオレットと共に「愛してる」の意味を見つけてみませんか?

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