怯えた私をもう殺さないことにした

母親は厳しい人だった。
私はいつも怒られまいかと恐れていて機嫌をとりたがった。

怯えた私は死んだと思った。
だけど、仕事でミスして間違いを指摘されると蘇る。

体が硬直する。呼吸が乱れる。みぞおちが重くなる。どうしたら許してもらえるかを必死に考えて、自ら廊下に正座して待ってても、目の前を通り過ぎてゆく母。私には一瞥もくれない、あの時の絶望感が鮮明に蘇る。

この子供を救うのは私しかいない。すげー月並みだけど、自分自身の母親になって守って癒やしてあげるしかない。
誰かの手助けももちろん必要だけど。

次会ったら「恐かったね」って抱きしめてやる。
居ないことになんてしない。



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