3.牛じゃあるまいし

エポックって言葉を漫画を読んで初めて知った。「時代」とかそういうやつだった。
森鴎外だって「雁」で使ってるらしい。知らない言葉は出逢うまで知らないままなんだなと思った。

先日、良い感じになっていた男性に精神障害者であることをカミングアウトした。ら、ボロクソに言われ、こっちだって落ち度がそんなにボロクソに言われる程にあるとは思わなかったのでどちゃくそにキレてLINEを返した。
彼は私の事をそんなに悪くないと思ってたらしいが、待てよ「そんなに悪くない」ってなかなか失礼だよな？とか、そもそも好きバレしてから「お前」呼びになってるあたりがひたすらウエメセだよな？付き合ってないのに、いや、そもそも付き合うなら対等な関係であるはずなのに、既に対等ではないな？と思って、更に私のキレ度は加速した。

自分より11歳も上な男性に対して、対等だと思って物申す30の女はとても恋愛が下手な部類に入るんだろうな、とか、多分こういう事言ってると「可愛くない女」って思われるんだろうな、とか、思ったけど、私だって教示を持って生きているし精神疾患を患って手帳を取得した時にはそれなりに葛藤とか脱力感とかあったのだと思うと、言わずにいるなど無理だった。

「ああ言えばこう言うのめんどくさいなって思うし、すげーブスだな」

私より11歳も上な男性が言う言葉には思えなかった。
ああ言えばこう言うのは、あなたの主張と私の意見が違うからそこを擦り合わせる意味でもなあなあにしたくなかったし、それをもはやブスな行為だと言うのなら関係は進めることはないんだなって思ったのだ。

案の定、「じゃあそのまま生きれば？おつかれっしたー」みたいな捨て台詞をいただいた。
楽しくご飯を食べて、文章で飯を食いたいとかいう私の夢を理解して、似合いそうだからと香水をプレゼントしてくれて、30歳のお祝いしよって受け入れてくれた彼の面影は皆無だった。
「え？別人じゃね？」って凄く思った。

それから私は訳がわからないまま煙草を2本吸って、頓服を3錠追加して寝た。
起きたら決別から1時間後に「だんだん悲しくなってきた、気に入ってたのにこんなのってないやん」というLINEが入っていた。
間髪入れず私も「バカにするなよちんこ！」のモードに入ってしまったので、「それ私に伝えて私にどうして欲しいの？だんだんなんだ、私はのっけから悲しかったけど。悲しい俺の気持ちをどうにかしろってこと？」とめちゃくちゃにブスな返答をしたのだが、勿論そこから返事はない。

事の発端は精神障害者であることのカミングアウトのタイミングだったのだけど、正解はいつだったのだろうか。
信用できたらカミングアウトなのか、信用されたいからカミングアウトなのか。
信用が希望的観測である以上、その相手と関わる必要はもともと無いと、哲学者のような知人は言った。
共有時間が長ければ長いほどハイリスクハイリターンだとも言っていた。
そしてその知人なら出会い頭に1番の秘密で殴るという。そして殴り返したやつから信用し始めたらどうですかと。

納得はした。
ただ恋活に於いて、という話は伏せてアドバイスを求めたのでその限りでは無いのだろう。
（その知人なら恋活でもそうするだろうし、そもそもその知人なら恋活など飽きてしない気がする笑）

詰まるところ、己以外を質量のある物質と認識してくれない人達には初っ端からぶん殴って、私を傷つける可能性のある人を遠ざけるのが1番なのだろう。
そんなんでマッチングなんかするわけないってのは思うけど、結婚が死ぬほどしたいわけではないし、彼氏が居たら色々な感情を共有できて少しは楽しいかなーという気持ちからだったし、それこそ感情の共有で言えばかがみすとやミラリスト、元々長い付き合いの友人達の方が濃度は高いだろう。

はて。私は何故彼氏が欲しかったのだろう。
ここまで心乱されるリスクを負って、精神障害者だという負い目を感じつつ騙しつつ、好きになってもらうことにメリットがあるのか？

誕生日プレゼントだと貰った図鑑と写真立てとミラノコレクション。
無駄にはしない。エグいほどの糧にして私は可愛く美しく哲学を磨いて言葉を知って世界を広げて感じて、生きてやるのだ。

でもさ、フツーに辛いよね。
カミングアウトしたらボロクソに言われて喧嘩別れ。
好きで脚の難病になったわけでも精神疾患患ったわけでもない。ただただ人生ガチャがそうだっただけ。

ネガティブな発言はメンタルを引き摺る理論は私と宗派が違う。
彼は花粉症に例えてたけど、いやいや、メンタルヘルサーはさ、自覚して正しく処方薬を飲む努力が治療なわけであって、自覚するからメンタルヘルサーとかいう謎理論は、割と差別的だなって思った。

何はともあれ、決別です。
私がデートから帰宅して放心状態の時にきゃーきゃー言って喜んでくれたかがみすと仲間達、ありがとうごめんね、彼氏にするにはちょっと難ありだったから捨てたったわ！！！！！

ええんだ、9/6の文学フリマ大阪に全てをぶつけてやるのだ。
四条くくるを赤裸々に格好良く無様で美しく、生きていくのだけは辞めないから。

お陰様で34%だった体脂肪率は32%まで下がりました。