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二十四節気とごはん

こんにちは。
薬膳師のクコの花です。
今日は日本人なら知っておきたい二十四節季とごはんについて。


季節を知る


薬膳の世界では、健康を維持するための秘訣として3つの柱があります。
その3つの柱の中で是非、生活に取り入れていただきたいのが、季節に合わせたごはんを食べるという事です。簡単に言うと「旬のものを食べましょう」という事です。


では季節とは?


講座では生徒さんに「今の季節は何でしょう?」と尋ねることがあります。
例えば8月8日って季節は何でしょう?夏?本当に夏?

一瞬フリーズされる方が多くいらっしゃいます。


体感や実感としては8月8日はまだ夏真っ盛りのような気がします。以前この質問をしたときに「夏休みなんだから夏でしょ!」と返されたことがあります。うーん、なるほど〜。。。

残念ながら、薬膳の世界では暦に従って季節をわけているので立秋を迎えた日からが秋になります。ですから8月はほとんど秋の薬膳を作ることになります。


薬膳の世界では「未病先防」という言葉があります。これは病気になる前に、先手先手で体質改善をしながら病気になるのを防ぐという考え方です。薬膳はまさにこの「未病先防」を得意とする料理です。ですから実際に感じる季節感よりも早め早めに対策をしていくことが大切なのです。


薬膳は2週間ごと、つまり、二十四節季に合わせてメニューを考えていくのが理想的とされています。


今月の22日には秋分の日を迎えます。秋分は昼と夜の長さが同じになる日。
陰と陽がこの日を境に逆転していきます。秋の薬膳もこの日を境に内容が陰陽逆転したものに変わっていきます。詳しくはまたレシピを紹介する際にでも触れますね。



今は二十四節季では白露。

大気が冷えてきて露があらわれる頃。
今年は梅雨明けが遅かったので、9月になっても連日30度を軽く超えてしまい、どうなることかと思いましたが、ようやく朝晩は秋の気配を感じるようになってきました。それでも毎日暑いですね。体力がもっていかれそうです。


9月12日~16日頃は白露の中でも「鶺鴒(せきれい)鳴く」と言われ鶺鴒が鳴き始める頃です。先日散歩をしていた際に、まさにこの鶺鴒に出くわしました。暑い中にも季節は少しずつ確実に移り変わっています。


今みなさんに食べていただきたいのは秋ナスや秋鮭、レンコン、プルーンや梨。。。今まさにお店に並んでいるものばかりです。


梨は現代栄養学的にみるとクエン酸やアスパラギン酸などを多く含み、夏の疲れをやわらげる働きがあります。そして薬膳的には身体を潤し、夏に身体の中にたまった余分な熱をおさめてくれる優秀な食材です。

生食だけでなくコンポートなど加熱しても美味しく召し上がれます。是非、デザートに一品加えてみてくださいね。

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最後に一つ大切なことを。


例えば「今の季節は暑いので身体の熱をおさめるものを食べましょう」と伝えると、何がなんでも冷える食材を食べる方がいらっしゃいます。

ですが、この薬膳の基本のお話は、あくまで昔の人がそうであったであろう自然にそった生活をしている人に向けられたもの。長袖のカーディガンを着ても寒いくらい冷房の効いた職場で働き、家に帰っても一晩中冷房が効いている、そんな環境で生活している人はむしろ食事ではしっかり身体の中を温めてあげる必要があります。

人工的に作りだしてしまったものにはその時その時で臨機応変に対応しなければなりません。薬膳生活を楽しむコツは軽やかに柔軟に。。。


案外薬膳の先生でもこれが実践できてない人も多いのです。薬膳を極めるにはまずは柔軟に軽やかに生きてみましょう(^^)


おまけ


薬膳の季節と二十四節季
春 立春、雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨
夏 立夏、小満、芒種、夏至、小暑、大暑
秋 立秋、処暑、白露、秋分、寒露、霜降
冬 立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒


☆本の紹介☆
教室でよく聞かれる質問についてまとめました。
「薬膳って何?」「美味しいの?」「どんないいことがあるの?」などについてわかりやすく書いた本です。こんなアプローチの仕方の薬膳本初めて見た~との声をいただいている本です。
薬膳を全く知らない入門~初心者に読んでいただきたい本です。(※注 レシピ本ではありません)



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