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○○を食べたら××が良くなるは、しばらくすると〇〇は危険に変わるの法則?

〇〇を食べると××が良くなるという魔法の言葉


こんにちは。
薬膳師のクコの花です。

みなさんは○○を食べたら××が良くなるというフレーズを耳にしたことがありませんか?そして○○に飛び付いた事はありませんか?

昨日『新型コロナに良いとマヌカハニーが大人気。だがマヌカハニーから発ガン性のある除草剤の成分が発見された。マヌカハニーに注意!』というような記事を目にしました。

私の感想は『あ〜あ、またやってるよ( ´△`)』と悲しみに溢れた気持ちです。

薬膳的に見ると、○○を食べたら××が良くなるという魔法のような食べ物はこの世に存在しません。

薬膳には陰陽五行という考え方があって、この世の物事には全て良い面と悪い面があると考えます。全ての人にとって100%良いというものはないんです。〇〇が良い!と流行ると必ずと言っていいほど、しばらくして〇〇は危険だった!というような記事がでるのはこのためです。

バナナは本当に便秘に良いの?今一度考えよう!

著書の中でもふれましたが、一番皆さんに納得していただける例にバナナがあります。

かなり昔の話ですが、あるお昼の人気番組でバナナを食べると便秘が治る!冷凍バナナがおすすめ!というような放送がされた事があります。有名芸能人の方が出て来て「私はバナナに串をさしていつも冷凍しておいておやつに食べてるんです。いつでも食べられて便利です。」と。


たちまちスーパーからバナナが消え、しばらくの間、入荷即売り切れが続いた事がありました。
ですが今はどうでしょう?
普通にバナナは買えます。一体あの現象は何だったのか。。。

テレビを見た便秘で悩む人が飛び付き、しばらくして飽きた、または効果を実感出来ずにやめてしまったのでしょう。

バナナは栄養学的に見ると水溶性の食物繊維が豊富です。便秘に確かに良いのです。ただ、薬膳的に見ると食べ物には五性というものがあって、バナナはとても身体を冷やします。

便秘には大きく分けて、熱がこもってしまうことにより腸内水分がへって便がコロコロになり便秘になる場合と、冷えで蠕動運動が弱って押し出せないことによる便秘があります。その他にも幾つか原因はあるのですが、まず見分けなければいけないのがこの熱と冷えです。



熱による便秘の場合はこの冷凍バナナはとても良いのです。熱がこもって便秘になる人はこもった熱による吹き出物なども改善されて、お肌も綺麗になるというおまけもついてくるかもしれません。



しかしお腹が冷えて便秘になっている人はどうでしょう?
冷えがますますひどくなり、便秘どころか腹痛や生理痛の悪化なども招く場合が考えられます。ここでは詳しくふれませんが咳がでるなどの場合も考えられます。



ですから、バナナが万人の便秘に良いのか?と言えばその答えはノーなのです。


1つの食材ばかりを取っていると、身体の性質が傾いていきます。熱がこもるからと年がら年中毎日冷凍バナナを食べ続ければ身体はだんだん冷え体質へと転換していきかねません。


日々の食事でバランスよく色々なものを食べていくことが大切なのです。

マヌカハニーと蜂アレルギー

さて、先ほど話に出てきたマヌカハニー。
これは、マヌカハニーが悪いのではありません。マヌカハニーを、何かを混ぜて作った加工品と勘違いされている方もいらっしゃいますが、マヌカの花から採取された蜂蜜です。これに除草剤の成分が混じるということは、マヌカの花のそばで除草剤が使われたと考えられます。マヌカハニーの性質そのものではありません。人間の仕業です。



このニュースになったマヌカハニーはハニーそのものではなく、他の草花の蜜などとのブレンドした加工品との話もあります。もし、そうだとしたら加工する過程で混ざったものかもしれません。マヌカハニーそのものが悪いような誤解を招くような報道の仕方に問題があるでしょう。



いずれにしても、マヌカハニーは殺菌作用が強く、風邪の予防に良いのは間違いありません。ただし、ここでも陰陽の法則で、万人に良いわけではないのです。蜂に刺されてアナフィラキシーショックを受けるような人は蜂アレルギーがある可能性があるので控えたほうが良いでしょう。




私は同じく蜂に関わる健康食材のプロポリスを使っていて湿疹ができた事があります。その時に蜂アレルギーと診断されたので、プロポリスはそれ以来口にしていません。蜂蜜類も身体にいいのはわかっていますが、アレルギーが気になるので、本当に欲しいときに最低限の量だけを料理に使います。




また、マヌカハニーは蜂蜜の一種なので、乳児ボツリヌス症の恐れがあるので赤ちゃんには厳禁です。

バナナにしても、マヌカハニーにしてもとても素晴らしい働きをしてくれる食物です。ですが食べ方や量を間違えるとそれは毒にもなるのです。
これは全ての食物にあてはまります。そしてどんなに食物自体のもともとの性質がよくても、育て方、管理の仕方、保管の仕方で毒となるものが発生しかねないのです。

大切なことは食物の性質を知り、食材を選ぶ目を持ち、その時々に合わせてバランスよく食べていくことなのです。

偉そうなことを言っていますが、私も若い頃は簡単に出来るものを探し求め、〇〇だけ食事療法、〇〇式食事法などの本を読み漁っていました。
しかし、どれもたいした効果を得られず、頭の中に疑問ばかりが増えていき、そんな疑問をすっきり解決してくれたのが薬膳でした。

今は魔法の言葉に振り回されることがありません。
気もちが一回りも二回りも大きくなった気がしてイライラすることも減りました。予想していなかった嬉しい薬膳効果です。

次回は金曜日の予定です。
お楽しみに~!

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