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【科学的に証明された】やり抜く子どもの育て方

「何事もあきらめない人に育ってほしい」
「才能がなくても、努力家にはなってほしい」

子どもは、いつかは巣立っていきます。
子どもを守ることは、できなくなります。
子どもは、自分で頑張るしかないのです。

そんなときに、重要になるのが、自分で頑張るチカラを身につけているかどうかです。

この講座をご覧になっていただければ、
・ 何事もあきらめない子どもの育て方
・ 努力する子どもの育て方
が分かります。

8年間の教師経験で身につけた「教師の視点」をもとに、学術論文や書籍をまとめました。

子どもの将来が心配なママへ。
やり抜く力を身につけた子どもは、自信に満ち溢れた顔つきになります。
そんなお子さんの顔、見てみたくありませんか?


どう接したら「やり抜く力」が高くなるのか

「やり抜く力」が高い子どもに育つ方法は、親が「愛情表現豊か」かつ「厳しく」子どもに接することです。

「愛情表現豊か」かつ「厳しく」子どもに接する母親のことを、心理学では「賢明な母親(毅然とした母親)」といいます。

具体的にどうしたらいいのかを紹介します。


【「やり抜く子ども」に育てるための13ヶ条】

① 子どもが一人で遊んでいて,退屈そうだなと思った時,加わって一緒に遊ぶ。
② あなたが家にいる時,ボール遊びやゲームなど,子どもと一緒に過ごす時間を持っている。
③ 子どもがイライラしていると思った時,「どうしたの」と聞いてみる。
④ 子どもが今までできなかった事ができて喜んでいる時,「すごいね」などと言葉をかけて喜び合う。
⑤ どこかに出かけて,子どもが疲れているなと感じた時は休んだり,子どもを抱っこしたりする。
⑥ 子どもが自分で何かを作っている時,あなたは子どもの話を聞いたりして,子どもが望む時だけ手を貸す。
⑦ 子どもを抱きしめたり,やさしい言葉をかけたりして愛情を示している。
⑧ 家族で遊びに行く時,親の都合だけでなく,できる限り子どもの行きたい所を取り入れる
❾ 子どもがあなたと決めた約束を守らない時,その約束をもう一度教える。
❿ 図書館や映画館など静かにしなければならない場所では,子どもを静かにさせる。
⓫ 友達が使っているおもちゃを無理やり取ってしまった時,それを返させる。
⓬ 買い物に行って、おもちゃを買う予定がない時に,子どもがおもちゃを欲しがっても,買わない。
⓭ 子どもが自分のやるべき事をやらない時,「やりなさい」と言う。

※ ①~⑧ → 「愛情表現豊か」な行動例
  ❾~⓭ → 「厳しくする」行動例

『「やり抜く子ども」に育てるための13ヶ条』は、実際に「やり抜く力」が高い子どもの母親にとったアンケートの結果分かった項目です。(『父親・母親の養育態度が幼児の自己制御に及ぼす影響』-中道圭人)

やり抜く力のある子どもは、これらのポイントが高かったようです。

みなさんの子育てに当てはまるものも、あったのではないでしょうか。


親の接し方で子どもの性格は変わる


親の接し方が、子どもの性格に大きく影響を与えることは、科学的にも証明されています。(Baumrind(1967, 1971))

やり抜く子どもを育てる方法

発達心理学では、「愛情」と「しつけの厳しさ」の2つの軸をもとに、母親像を4パターンに分類します。

・ 愛情表現が豊かで、しつけに厳しい母親は「賢明な母親」(右上)
・ 愛情表現が乏しく、しつけに厳しい母親は「独裁的な母親」(右下)
・ 愛情表現が豊かで、しつけをしない母親は「寛容的な母親」(左上)
・ 愛情表現が乏しく、しつけをしない母親は「無関心な母親」(左下)

それぞれの母親像が、子どもの性格にどのような影響を与えるのかを簡単にご紹介します。

「無関心な母親」は、愛情表現に乏しく、しつけもしないため、子どもは無力感を味わいます。
しつけをしないことは、優しそうに見えるかもしれませんが、その逆です。
子どもが愛情を欲しいときに何も与えられず、困っているときに助けてもらえない。そのような状態が続くと、子どもは「学習性無力感」に陥ります。(Seligman,M.E.P.)
「学習性無力感」とは、自分は何をやってもダメだと、やる前から諦めてしまう状態のことです。
その結果、子どもは無気力無関心な性格になります。
「寛容的な母親」は、愛情表現が豊かなため、子どもが欲求不満になることはありません。
しかし、しつけについては厳しくないので、順番を待ったり、ルールに従ったりといった社会的な経験が少なくなります。その結果、子どもは自己中心的な性格になります。
「独裁的な母親」は、愛情表現に乏しく、しつけは厳しいため、子どもは欲求不満になる可能性が高くなります。
その結果、学校、幼稚園や保育園などで、自分の行動をコントロールするのが苦手な子どもになります。
いわゆる「協調性」のない子どもです。
「賢明な母親」は、愛情表現豊かで、しつけも厳しいため、子どもは自分の意見をもちつつも「協調性」のある性格になります。
先に紹介した、「やり抜く力のある子どもの母親」は、これに該当します。また、賢明な母親が与える、子どもへの良い影響は、「やり抜く力」を高めることだけではありません。
約1万人のアメリカの10代の子どもたちに、親の行動に関するアンケートをとったところ、性別・民族性・社会的地位・婚姻区分にかかわらず、「賢明な母親」をもつ子どもたちは、
・ 学校の成績がよい
・ 自主性が強い
・ 不安症やうつ病になる確率が低い
・ 非行にはしる確率が低い
ことがわかったそうです。(『GRIT-やり抜く力』Angela Duckworth)

子どもの性格がどのようになるかは、親の接し方によるところが大きいのです。



また、研究対象は母親でしたが、教師にも当てはまると、私は思います。

やり抜く子どもを育てる方法②


子どもの「やり抜く力」を伸ばすことができるのは、「賢明な教師」です。

「賢明な教師」は、私の出会った先輩教師のなかにもいました。
一見とても厳しいのですが、休み時間にはできる限り子どもと遊んだり、お話したりする方でした。
また、子どもの様子をよく観察されており、子どもの気持ちを理解したうえで指導をされていました。

「優しさ」というのは、子どもに迎合することではありません。
子どもの望みを何でも叶えてあげるだけでは、子どもの我慢するチカラを伸ばし損ねてしまいます。
ときに厳しく、我慢させることも、子どもの将来を考えればこその「優しさ」なのです。


「賢明な母親」診断テスト


「賢明な母親」かどうか、自分自身を診断することができます。
子育て研究専門の心理学者ナンシー・ダーリングが作った「育て方診断テスト」です。

子どもから見て、自分がどのような母親なのか、子どもに質問してください。

項目は以下の通りです。

子どもには、「はい」か「いいえ」で答えてもらいます。

【愛情表現豊かさ(温かさ)を測る】
 ♡ 困ったときは親を頼りにできる?
 ♡ 親は私(子ども)との会話の時間をつくってくれる?
 ♡ 親は私と一緒に楽しいことをして過ごす?
 ♠ 親は私の悩み事を聞いてくれない?
 ♠ 私が頑張っても、親はほとんどほめてくれない?
【愛情表現豊かさ(自主性尊重)を測る】
 ♡ 親は、私にも自分の意見をもつ権利があると信じている?
 ♠ 親は、子どもが文句を言わずにいうことを聞くべきだと思っている?
 ♡ 親は、私のプライバシーを尊重してくれる?
 ♡ 親は、私にたくさんの自由を与えてくれる?
 ♠ 私が何をしてよいかは、ほとんど親が決める?
【厳しさ】
 ♡ 親は私に家族のルールを守らせようとする?
 ♠ 私が悪いことをしても、親は叱らない?
 ♡ 私が取り組んでいることに対して、親は口出しする?
 ♡ 私が困難にぶつかってもベストを尽くすことを、親は期待している?

※♠マークは、♡マークと逆の方向性を示しています。♠マークの質問について、子どもの答えが「はい」なら、その育て方は心理学的には賢明でないことになります。


子育てで大切なことは、親が何を伝えたいかよりも、「子どもの受け止め方」です。

たとえば…
「テレビを見せない」
「汚い言葉づかいを許さない」
など、いかにも独裁的な育て方に見えることでも、子どもがそれを「威圧的」だと思うかどうかは分かりません。

言い換えれば、自分は「賢明な母親」のつもりでも、子どもから見ると違うこともあります。

まとめ


今回は、「やり抜く子どもを育てる方法」について述べてきました。

大切なことは…

1. 「愛情表現豊か」かつ「厳しく」子どもに接する
2. 子どもの受け止め方を意識する

「やり抜く力」は、すぐには身につきません。
しかし、今回紹介した方法をとれば、必ず子どもさんのプラスになります。

可能な限りで大丈夫ですので、取り組んでみませんか?

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