【体感】子育てのイライラを3割減らす方法
子育てにおいて、気を付けなければならないのは、
「腹を立ててはいけない」
ということです。
子どもがかわいそうだから、ではありません。
その怒りには持って行き場がないからです。
令和元年6月に児童福祉法等改正法が成立し、親権者等は、児童のしつけに際して、体罰を加えてはならないことが法定化され、令和2年4月から施行されます。厚生労働省では、体罰禁止に関する考え方等を普及し、社会全体で体罰等によらない子育てについて考えていただくとともに、保護者が子育てに悩んだときに適切な支援につながることを目的として、令和元年9月から、「体罰等によらない子育ての推進に関する検討会」において、有識者による検討を進めてまいりました。令和2年2月18日(火)に第4回検討会を開催し、検討会として「体罰等によらない子育てのために」をとりまとめましたのでお知らせします。
https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/minnadekosodate.pdf
大人が、よく子どもを叩いていたことを覚えています。
私が子どものころの話です。
私は、7歳から12歳までの6年間、少林寺拳法を習っていました。
2時間の練習が週に2回しかなかったのですが…
私は毎回、何かとウソをついて、逃げ出そうとしていました。
というか、実際ウソをついて、逃げ出したことがあります。
体罰を受ける友だちを見るのが辛かったからです。
私自身も体罰を受けましたが、平気でした。
体罰を受けている友だちを見るほうが断然辛かったです。
先生の言われた通りに演舞ができないと、髪の毛をつかんで、頭を床に叩きつけられるなんてこともありました。
こんなこと、絶対にダメです。
たとえ親子であってもです。
子育ての愚痴を誰かに言うのは、いいかもしれません。
愚痴を言える相手がいる人は、幸運です。
しかし、子育てストレスを抱えていることには、変わりありません。
そういう意味では、愚痴もあまりいい方法とは言えないでしょう。
今回は、子育てのイライラを減らす方法について述べていきます。
この記事を読んでいただければ、
・ 子育て疲れが緩和されます
・ 眉間のしわが薄くなります
・ 家庭に平和がおとずれます
「ストレス発散」をすることは否定しません。
しかし、そもそものストレスを減らせば、もっとラクになるはずです。
普段から感情のコントロールができている人にとっては、目新しい情報はないと思います。
どうぞ、目の前の子どもに向き合ってください。
なぜイライラしてしまうのか
イライラの原因は、「自分が正しい」という思い込みです。(『今日から使える認知行動療法』ナツメ社)
これは、相手が他人だろうと、自分の子どもだろうと同じです。
「イライラしやすい性格なのかな?」
と思ったことがある人もいると思います。
生まれもった気質も多少は関係あります。
しかし、イライラの原因の多くは、思い込み。
つまり、自分の見方(考え方)に固執してしまっているためなんです。
見方を変えると、気持ちも変わる
じゃあどうしたらいいのでしょうか。
それは、子どもへの「見方を変える」ことです。
「見方を変える」と、イライラしている気持ちも変わります。
ある日の給食時間のことです。
食べるのが遅い子どもがいました。
「給食の先生や給食委員会の子どもが困りますから、時間内に食べましょう」
その子は、友だちとたくさんおしゃべりをしていたので、そのせいで遅くなったのだと、私は解釈していました。
声かけをしてもなかなか食べ終わりません。
しびれを切らした私は、その子の近くに行って指導しようとしました。
そこで気が付いたんです。
食器の中には、グリーンピースだけがたくさん残っていました。
私は自分を恥じました。
ただ怠けていると思い込んでいたからです。
子どもの姿をよく見ないで、私はイライラしていたのです。
苦手な食べ物があるのに、それを言えずに、頑張って食べようとしていました。
そのことに気が付くと、私のなかからイライラが消えてしまいました。
どうしたら、無理なく、この子がグリーンピースを食べられるのか、という思考に切り替わりました。
その場ではどうしようもなかったので、食べずに残させました。
「どうやったら食べられるようになるか、一緒に考えていこうね」
「その子が怠けている」という見方を、私はしていました。
おしゃべりをして、食べるのが遅かったからです。
「おしゃべりをしたこと」や「食べるのが遅かったこと」は事実です。
しかし、それを怠けていると解釈したのは、私の思い込みです。
つまり私のイライラは、思い込みによって作られていたんです。
食器のなかを見て、私はその子に対する見方を変えました。
怠けているのではなく、困っているのだと。
その子には「指導」ではなく、「支援」が必要だということに気付いたんです。
相手の立場で考えることは、子育てにおいても大切なんですよね。
感情の暴走から逃げる
そもそも、「感情」が暴走したときの私たちは、あまりに無力です。心理学者ダニエル・ゴールマン博士も著書のなかで語っています。
なぜ、「感じる知性」は時として「考える知性」を圧倒してしまうのだろうか。(・・・)答えは脳の進化の歴史にある。(・・・)何百万年にもわたる生物の進化の歴史のなかで、脳は原始的な部分の上に進化した脳を建て増しする形で発達してきた。(・・・)脳の最も原始的な部分である脳幹の上にやがて情動を支配する部分が発生し、さらに何百万年という時間を経て、その上に思考する脳すなわち大脳新皮質が発達した。(・・・)思考する脳が情動の脳の上に建て増しされたという事実を見るだけで、思考と情動の力関係がわかる。思考する脳が生まれるずっと前から、情動の脳は存在していたのだ。(『EQこころの知能指数』ダニエル・ゴールマン)
※ “情動”というのは「感情」のようなものです。
そんなときは、「感情」に抵抗するのではなく、逃げたほうがいいと私は思っています。その方法は2つです。
・ 自分へのハードルを下げる
・ 1人の空間へ逃げる
【自分へのハードルを下げる】
子育てに真剣に取り組んでいる人ほど、
「〇〇をしなければならない」
という正しさをたくさん抱えています。
子どもを立派に育てたい、という気持ちの表れだと思います。
素晴らしいことなのですが、じつはこれが苦しさの原因です。
苦しいときは、
「まぁ、いいか」
と力を抜いてみるのもいいですよ。
少しぐらい手を抜いたって、子どもの発達にはなんら悪影響ありませんから。
【1人の空間へ逃げる】
目の前に子どもがいるから「感情」が動いてしまうのではないでしょうか。
あえて1人の空間に逃げて、別のことを考えると気分は落ち着きます。
クールダウンです。
子どもとケンカになってしまっては、イライラしか残りません。
トイレにこもって、スマホゲームでもしてたほうがマシです。
これは怒りに関する科学的研究が始まってまもない1899年にある調査で記録された被験者の話で、今日でも怒りを鎮める方法として評価されている。さらなる怒りを喚起する要因のない環境に身を移して、急増したアドレナリンのほとぼりがさめるまで待つ―たとえば誰かと言い争いになった場合、しばらくその相手から距離をおくという方法だ。(『EQこころの知能指数』ダニエル・ゴールマン)
やってはいけない方法
・ 怒りを抑える
・ 怒りを発散する
まず、「怒りを抑える」という方法です。
方法というか、ただの我慢ですね。
我慢は、ダメなんです。
なぜなら、我慢しても、怒りはなくならないからです。
時間がたてば大丈夫だろうと思ってつい我慢してしまいますよね。
私もそうでした。
でも、ふと気が付きました。
我慢をすると、別のところでイライラが噴出してしまうんです。
たとえば、
うまく授業ができなくて、子どもが授業内容を理解していないときに、それを子どものせいにして叱ったり…
子ども同士がケンカをしたときに、なかなか解決しない状況に対して、必要以上に叱ったり…
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
「おさえて、おさえて」
って思うと、余計に意識してしまいます。
これって、失恋したときに似ているんです。
「あなたもすでに痛感していることだと思いますが「忘れないようにする」のは不可能です。
なぜって、「忘れよう」とするということは、同時に「思い出すこと」を必要とするからです。
「考えないようにする」という行為は、それ自体がすでに矛盾している行為なんですね。-」(川口美樹 恋愛プロフェッショナル )
恋愛プロフェッショナルの言う通りです。
自分の感情を押さえつけて見ないフリをする。
それは、その感情をずっと意識し続けないとできません。
だから、我慢してしまうと、イライラが消えるのに時間がかかるんです。
次に、「怒りを発散させる」方法です。
「怒りの発散」はスッキリします。そのため、ついついやってしまいがちです。
しかし、1950年代に心理学者が研究を始めて以来、「怒りの発散」は怒りの解消には役立たないという結果が出ています。
怒りの発散は怒りを鎮めるには最悪の方法だ、とタイスは指摘する。怒りを噴出させると情動の脳が興奮状態になり、怒りが静まるどころか一層カッカとなってしまうからだ。タイスが実施したアンケートの結果によると、相手に怒りをぶつけた場合、不快な気分がかえって長引く場合が多いという。(『EQこころの知能指数』ダニエル・ゴールマン)
もしも怒鳴ってしまったら…
これまで、イライラしない方法を述べてきました。
・ 怒りを見て見ぬふりしないこと
・ 子どもへの「見方」を変えること
・ 感情の暴走から逃げること
とはいえ、イライラはなくならない(笑)
子どもだって、その時々の気分がありますからね。
お互い人間だし、イライラが0になることはありません。
そこで気をつけたいのは、自己嫌悪です。
「イライラしちゃった!これじゃダメだ!」
「ああ、また怒鳴ってしまった…」
子どもをつい怒鳴ってしまって自己嫌悪になること、ありますよね。
怒鳴らなくてすむなら、それがいちばんいいに決まっています。
でも、そうも言っていられない。
じつは私も、学級経営や授業をしていて、怒鳴ったことが何度もあります。
そのたびに自己嫌悪になりました。
ここからは、怒鳴ってしまったあとのフォローについて、述べていきます。
【自分を否定しない】
まずは、自分へのフォローです。
あなたが子どもを怒鳴ってしまうときを思い出してください。
きっとそれは、
• なんど言っても、いうことを聞いてくれない
• うそをついて誤魔化した
• 人を傷つけるようなことをした
など、あなたのなかで、ゆずれない思いがあったのではありませんか。
おとなだって、にんげんです。
感情のままに行動してしまうこともあります。
感情のままに行動することは、あくまでもオススメしません。
それは、ここまでに述べてきた通りです。
しかし、感情的になってしまったからといって、自分を否定しないでください。
「あ、またやっちゃった(てへ☆)」
くらいがちょうどいいんです。
なぜなら子育てでは、その根底にある、ゆずれない思い(軸)がたいせつだからです。
感情的になることを恐れるあまり、自分の思いにフタをしてしまうのは、本末転倒です。
自分の軸を見失わないようにしてくださいね。
【怒鳴ったわけを伝える】
つぎに、子どもへのフォローです。
子どもは、あなたが怒鳴ることでびっくりしたでしょう。
もしかしたら、泣き出したかもしれませんね。
たいせつなことは、怒鳴ったあとにどうするかです。
子どもが泣き止んで、落ち着いたら、あなたが怒鳴ったわけを、ていねいに話してあげましょう。
子どもが理解できるように話せるといいですね。
そうすることで、子どもも納得してくれるはずです。
【抱きしめる】
抱きしめることは、愛情をつたえるための、もっともシンプルかつ強力な手段です。
子どもは、怒鳴られたことで不安になっています。
「自分のことを嫌いになってしまったのかな」
「自分はすてられてしまうのかな」
言葉にはできなくても、無意識でこのように感じているかもしれません。
息がとまるくらい、ちからいっぱい抱きしめてあげましょう。
肌のぬくもりや、からだ全体で包まれる感覚は、それだけで安心感がありますよね。
子どもを思うからこそ、というあなたの思いを、抱きしめることで、しっかり伝えましょう。
まとめ
今回は、子育てのイライラを減らす方法について述べてきました。
大切なのは…
1. 怒りを見て見ぬふりしないこと
2. 子どもへの「見方」を変えること 3.感情の暴走からは逃げること 4. 怒鳴ったあとはフォローすること
子育てのストレスが少なくなれば、笑顔になります。
ママが笑顔だと子どもも嬉しくなります。
正しさにこだわり過ぎず、自分を否定せず。
白黒つけないのが、子育ての秘訣かもしれませんね。
くどやんでした。
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