041 山のぼり部、始動しました

ついに行ってきました。長かった~。

えっ? 遠かったや、高かった、ではなくって、どういうこと~って?

だって、5月はコロナ騒動の自粛要請で、7月は雨で、2回も中止。30年間、撮影やイベントの仕事で一度も天候による中止の経験がなかったボクが、ですよ。

雨にも負けず。でも、ウイルスには勝てなかったんだよ、ケンジー。

で、九条Tokyoの山あるき&山ごはん部として初めて行ってきたのは、伊勢と鳥羽をつなぐ山、朝熊ヶ岳555m。それも、伊勢志摩スカイラインの展望台まで車で行って、そこから頂上を目指すという、腰砕けみたいな山あるきでした。でも、考え方によっては、初心者には、うってつけと言えるかも。

ここに行きたかったのは、日本に尺八をもたらした僧だったか、その弟子かどちらかが、ここに籠って腕を磨き(口?)、尺八が日本各地に伝わったという伝説を前に読んだことがあったからです。

昔、アメリカ人で尺八に魅せられ、ジャズを尺八でやっているという知人のDVDを作ったことがありましたっけ。

九条Tokyoの山あるき&山ごはん部は、この日、ボクを先導してくれた従兄と、山ガールと、山あるき初心者が、山のぼりより山ごはんに魅かれてできたもの。2度の中止にあって、この日の参加者はとうとう3名だけでしたが、山あるきっていいですね。

これまでまったく趣味ではなかったボクですが、結構「はまり」かけているかも。

子どものころ、田舎の野山を走り回って遊んでいたので、今さら山あるきなんて、と思っていたのですが、これが意外に気持ちいい。できれば整備された道ではなく、獣道を歩きたくなるから不思議。普段は、なるべく困難でない道を探そうとするくせに。

山あるき部に所属する(といっても、活動はまだ前回の一度だけですから、参加者ではありませんが)山ガールは、おそらく従兄と変わらぬ健脚で、日本中の山を訪ね歩いています。

その彼女とは不思議な縁があります。

九条Tokyoは各地の珍しい&美味しい特産品を扱いたいと思っています。そうして見つけた一つに、青森のリンゴ酢があります。青森のリンゴを白神酵母で発酵させたものに蜂蜜が入っているだけのもの。

そのドリンクを知っているのは一部の青森出身者くらいかと思っていたら、初めて彼女がやってきたとき、目ざとくそのドリンクを見つけ、知り合いが飲んでいたと言うではありませんか。以後、来るたびに飲んで行ってくれます。彼女は青森出身でも、東北出身でもないのに。

そのほかにも、樹上で完熟させた南高梅をローヤルゼリーに漬け込んだ梅ジュースとか、伊賀の忍者エールとか、面白くて美味しいものを見つけるたびにメニューに加えています。

その一つ、和紅茶の話は前に書きましたね。

さて、ひと頃、山ガールという言葉が流行りました。新語・流行語大賞の候補にもなったのは10年も前のこと。ちょっと古いですが、登山人口は約1000万人(総務省、2011年)。男女はほぼ同数で、男女とも60代が一番多いそうです。

そうか、ってつまんないところで納得していないで、なぜ山のぼりが楽しいのか考えてみましょう。今のところ数百mのハイキング程度が2回ですから、以下はそのレベルで、と聞き流してください。

まず第一に、上り坂である、ということ。ちょっと逆説的ですが、ボクは踵を擦って歩くので、下り坂は滑るから危険です。上り坂が楽だし気分的にも好きです。いつも上を向いていられるから。

それに、頂上を目指している限り、惑うことはないですね。遊びでまで、惑いたくはないでしょう? えっ、お気楽すぎる?

山のぼり部(いや、正式には山のぼり&山ごはん部で、メンバーのほとんどが後半のほうに重きを置いているのですが)最初の活動を終えて、翌日、九条Tokyo恒例のジビエを食べる「ジビエ―ㇽBar」を開催するために東京に戻り、それが始まるまでの間、ランチ営業をしていると、初めて九条Tokyoに、という客がやってきました。

食後に和紅茶をサービスし少し会話を交わしていると、壁に貼ってあるイベント案内に目を留め、「山のぼり&山ごはん部って、どこに登るのですか?」と質問が。

彼は学生時代、登山部に入っていたそうです。

「ちょうど、のぼって来たばかりなんです」という話から始まって、今夜はジビエのイベントがあるんですよと言った途端、「ジビエ、大好きなんです」と言うではないですか。

彼は救急医で、徹夜勤務が終わった後、家に帰る前にお昼でも、とやってきてくれたそうです。イノシシのキーマカレーに魅かれた男がまた一人。大学の研究の一環で、伊豆の害獣対策現場に行って、猪をお得意のメス(雌ではありません)で捌いた経験もあるそうです。本格的でしょ。

「友人も誘っていいですか」ということで、その夜、3人で参加してくれました。

ぜひ、山あるき&山ごはん部にも入ってくれないでしょうか。でも、こちらは彼には軟弱(やわ)すぎるかなぁ。。。

山あるき&山ごはん部の次回は、熊野古道を歩こうという話になっています。できれば、中辺路を通って熊野本宮へ至るルートと川湯温泉、那智の滝に登っていく裏道にある石畳の道、南紀白浜の崎の湯、それに吉野奥駆道。。。

何日かかるんじゃー。

それに、伊勢の「のうさぎや」でアオサのピザを食べないといけないし。これは是非もの。

うーん、1泊2日は無理として、せめて2泊3日で回れるルートを考えないと。参加したい人は、どのルートだけでもいいけど、勝手に調べて自分で来て帰ってくださいねー。

やっぱ、のうさぎやだけ、って人が一番多そう。何せ、本質は山ごはん部だからねぇ。その美味しさについても既に書いていますが、考えてみたら、ボクは毎年2回か3回あの店に行って、ほぼ同じものを食べています。

山ごはん部の目的は、その山周辺でしか食べられない美味しいものを食べることなのに、熊野古道を歩いても「のうさぎや」に帰ってきてピザを食べようというのは、ちょっとどうなんだろう。ボクが最も忌み嫌う保守的すぎ?

そう、歳をとると保守的と言うか閉鎖的になって、新しいことに心を開かなくなるのが怖い。どんどん新しいものを試さないと。そのための山あるきだろうが。。。

でも、まずいものを食べた時のショック。やっぱ、腹に背は代えられない?

うーん。これは難問ですね。どういうルートにしよう。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?