034 現代の若者は飲まず打たず買わず何を嗜む?

ある番組の収録で、若い女性レポーターばかり7人がやってきたことがあります。いずれも見目麗しい、街ですれ違ったら思わず振り返ってしまうような女性ばかり。

ちょっと褒めすぎかもしれませんが、TVに出ているくらいですから。と言いながら、TVってものをほとんど見ないので、その番組自体を見たことがなく、したがって出演しているレポーターも誰一人知らないのですが。

さて、驚いたのは、駆けつけの一杯がビールでなかったことではなく、7人の誰一人として、最後までビールも日本酒も、ワインすら飲まなかったことです。

3時間の収録が終わるまでの間に、7人で51杯も飲んでいったのに、ですよ。ちょっとした衝撃でした。飲んで行った量の話ではないですよ。

では、何を飲んでいったのか?

全員がハイボールやらサワーやら、いわゆる割りもの。あらゆるものを割らされました。

ハイボールに始まって、酎ハイ、ウーロンハイ、緑茶ハイ。うちの緑茶は無農薬のお茶なんだぞ、それを焼酎で割って飲むなんて。。。

さらに、トマトハイ。北海道の有機トマトジュースが。。。トマトジュース嫌いという子どもや大人になりきれない子ども青年が、「これは美味しい、毎朝でも飲みたい」と言ってくれるトマトジュースだぞー。

レモンハイ、ブドウハイ、リンゴ酢ハイ、みなべの梅エールハイ。

レモンは有機だし、ブドウジュースはワイナリーが出してるジュースで、リンゴ酢は青森の新鮮なリンゴを白神酵母で発酵させたもの、みなべの梅エールは樹上完熟させた南高梅にローヤルゼリーを混ぜたもの、、、そんな一つひとつ選び抜いたものを「ハイ」と二つ返事で割れるか〜、と心の中で叫びつつ、いい加減、注文を聞いているのにも飽きてきます。

「日本酒やワインは飲まないの?」たまらず訊いてみました。

「おじさんの飲み物でしょ」「そうだよねー」

ぶぁっかもーん。ちゃぶ台をひっくり返したくなりましたが、あとで掃除をするのはボクですからねぇ。

「忍者ハイって、これなんですか?」

「伊賀の半蔵って日本酒を作ってる蔵元が、日本酒の仕込み水で作ったジンジャエールだから忍者エール。ここの日本酒は、、、」

「それ、くださーい」「ワタシも」「ワタシも」

伊賀だから半蔵、服部半蔵って知ってる?ここの「神の穂」は旨いんだよ〜って会話が続くはずだったのですが、どうでもいいみたい。仕込み水って知ってるのかなぁ。うーん。

「和紅茶って、なんですか?」

それはね、と前回書いたように、40年前から無農薬でって話をしようとしたら、「それ、身体に良さそう。サワーで」「あっ、私も」

ぶぁっかもーん×2。

結局、じゃばら酒にしょうが酒にと、店内にあるもの全てを割り尽くされ、最後は「知多」までハイボールにしろって。それはないだろう。。。知多だったら、ハイじゃなくて、名前だけでもスーパーボールくらいにしろー。

というわけで、その日のボクの仕事はグラスを出して氷を入れて、お酒を注ぎ、炭酸で割る。戻ってはグラスを洗って、の繰り返し。

ちゃんとしたお酒を飲もうよ。そうだ、お酒は嗜むって言うじゃん。嗜むって言葉を知らないのかなぁ。

でも、嗜むには、芸事など奥の深いものを身につけるって意味と同時に、ほどほどにして悪い結果にならないように気をつけるって意味もあります。そうか、そっちかよー。

お爺ちゃんやお婆ちゃんと同居しているのなら致し方ないかもしれませんが、一人住まいで家に篭っていて、ちょっと鬱気味です、って言葉がボクには理解できない。それって、日本語?

誰も乗っていない電車や人のいない道路を歩いていてマスクをしている人たちは、この間から秋の風になったのも知らないんだろうなぁ。

と、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、ボクが集めた大切なドリンクを、51杯、炭酸で割らされた恨みつらみのせいとお許しを。

でもねぇ、もっと真っ当な飲む打つ買うっていうライフスタイルもあるんじゃないかなぁ。引きこもってばかりいないで。

今回のコロナ騒動は、自分で考えるってことを奪ってしまったように見えて、実は日本人はずっとそうだったのかもしれないと思ったりしています。

えっ、飲む買うはいいとして、打つ必要はないだろうって? 確かに、博打も麻薬も必要ないですが、ワクチンはどうしよう。

自分の世界を広げるには打って出ないと。挑戦という意味では、もっと打ってもいいと思うんだけど。

エンゼルスの大谷も、もうちょっと打てないものかなぁ。打者専念イヤーなのに。。。


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