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ーーその2「介護福祉士」資格は欲しい?

「介護福祉士」資格を取るメリットとは

介護の仕事に「介護福祉士」はマストではない…が。

介護の仕事をはじめようと思ったとき、「介護福祉士」の資格は必ずしも必要ではありません。介護施設の求人情報広告にも「資格がない方、働いてみませんか」などと書いてあったりしますよね。
実際、私が介護施設(デイサービス)で働き始めたときは、介護の資格も経験もありませんでした。経験がなくても、経験豊富な他の職員に教えていただきながら、働くことができるからです※。
小規模な施設では、利用者さんが居心地よく感じてもらえるような家庭的な雰囲気を大事にしているところが多いため、介護以外の作業(調理や盛り付けの補助・片付け、掃除)も多く、家事や育児、家族の介護の経験が活かせるため、子育てが一段落した方が働く職業としても向いていると思います。

ただ、しばらく仕事を続けていくうちに、介護の専門的な知識がないまま、利用者さんに関わっていって良いのか、考えることが多くなりました。現場で利用者さんと一対一になるとき、なぜこの支援が必要とされているのか、そのための適切な介助方法を何なのか理解したうえで動けているのか、不安を感じるようになったからです。
そこで、きちんと勉強したいと思い「介護職員初任者研修」※を受講しました。これは2013年以前の「ホームヘルパー2級」にあたる、介護資格の第一歩です。
介護の目的は「利用者ご本人の意思を尊重する・自立支援」であることなのですが、このことが理解できないまま介護の仕事を行うと、「利用者さんのお手伝いをする」「親切にする」ことを念頭に置いてしまい、本来ご自分でできたことの能力も奪いかねない介助をしてしまうことになります。
また、「介護職員初任者研修」では、様々な要介護度の方を想定した場面の講習があるので、勤務先では体験が難しい様々な介助の体験ができるのは、介護の仕事の視野を広げることができました。

※訪問介護で身体介助が伴う業務に就く場合は「介護職員初任者研修」の修了資格が必要になります。
※「介護職員初任者研修」費用の助成金制度が各市町村にあるので、利用をお勧めします。働いている事業所で費用補助をしてくれる場合もあります。

「介護福祉士」を目指そうと思った理由

介護現場では様々な専門性を持った有資格者が働いています。
「介護福祉士」はもちろん、「看護師」「理学療法士」「作業療法士」言語聴覚士」「介護支援専門員」など……様々な専門家です。

介護の現場は、専門性が求められています。そのため、「サービス提供体制強化加算」という事業所向けの評価があり、従業員の「介護福祉士」の割合が一定を越えないと、事業所収入が減ってしまうというしくみがあります。
そのため、介護事業所はできれば「介護福祉士」を雇用したいでしょうし、
資格手当がある事業所もあります。
「介護福祉士」は、介護の仕事3年以上従事していたということや、「実務者研修」を受講したという「介護職の経験と知識」を証明できる資格ですので、就職、転職を考えたときに力強い味方になってくれます。

「介護福祉士」国家試験受験に必要な「介護福祉士実務者研修」とは?

「介護福祉士実務者研修」は訪問介護事業所のサービス提供責任者になるために必要とされており、「介護福祉士試験」を受験するための要件になっています。そのため、資格取得のための受講費用の補助や、全額負担を行っている法人もあるので、働きながら資格を取りたいと考えている方は、求職時から制度を調べておくと自己負担が軽くなります。

「介護福祉士実務者研修」では、介護現場で働くために必要な「介護過程の展開」医療行為のうちの「たんの吸引・経管栄養等」に関する知識や技術を学びます。

所有資格によって、学習時間が異なり、
無資格の場合は6カ月、「介護職員基礎研修」の2カ月から「介護職員初任者研修」「ホームヘルパー2級」の4カ月など、働きながら勉強することを考えると、けっこう長い期間、学習しなければなりません。この期間はおおむねテキストを使った通信教育の期間です。各科目で理解度を確認するテストに合格する必要があります。
それに加えて、通学講習日は7日間+医療的ケア通学日2日間あります。講習最終日まで設定された実習テストにパスする必要がありますが、詳しくは次回書きたいと思います。

「実務者研修」を始めるタイミング

R5年度介護福祉士国家試験受験を考えている方は、9月8日(水)までに、「実務者研修修了見込み書」を添えて受験申込をしなければいけません。
それ以前に実務者研修の実施機関に修了見込み書を発行してもらえるよう、受講申し込みが必要です。
私が受講した学校は8月末が最終申し込み(受講終了予定日12月31日)でした。ただ、無資格(介護職員初任者研修を持っていないなど)の方は+2カ月必要なため6月末で締め切られています。(なので、7月時点で無資格で社会福祉士受験を目指す場合は、来年度を目指したほうが良いかもしれません)

余裕をもって受験するためには、受験年度初めから実務者研修受講スケジュールを検討する必要があるでしょう。通学受講日が9日間あるため、働きながら受講すると、休日を受講にあてる必要があり、忙しくなるからです。







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