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「あなたに多くの祝福がありますように」-私が手紙を書く理由-


「あなたに多くの祝福がありますように」

私は折に触れ、大切な人に手紙を書くようにしている。
誕生日に、コンサートの日に、卒業式に、また、なんでもない日に。

手紙を書いているうちに、その人への感謝と愛情が溢れて
ラブレターのようになっていることが多い。

ICUに入って、また、Gleeに入って、
キリスト教の文化や思想に触れることが多くなっていった頃、
「祝福」というキリスト教独自の概念が、自分の言葉の一部として馴染んでゆくようになった。
気付けば、手紙の結びによく
「あなたに多くの祝福がありますように」という言葉を使っていた。

私はキリスト教を信仰しているわけではない。
しかし、その文化や込められた祈りや願いに関して尊敬の念を抱いている。
中でも「祝福」という言葉は
言葉では伝えきれない相手の幸せを願う思いを率直に表してくれているようで、殊に親しみ深く思っている。

親しかった相手と離れるとき
相手の日常の一部から自分がいなくなるとき
これからの相手の進む道を思って、この言葉を結びにする。

辛いこともあるでしょう、
上手くいかないことの方が多いかもしれません、
それでもあなたが最後に笑えていますように、
そんな切実な祈りに似た願いを込めて、この言葉を書いている。
その思いが届いているかは分からないけれど、
この言葉が届けばいいと思って、私は手紙を書いている。