私が絵本を描いたなら。
私の家には小人が住んでいる。
彼は時には壁を登ったり、おやつを食べたり、
風に揺れる洗濯物でかくれんぼをしたりしている。
お気に入りは時計の上と
花の絵はがきの隣。
きのこのオルゴールとは仲良しだけど、
鏡は少し苦手みたい。
彼は時々私にいたずらをする。
私のイヤリングを隠したり、とっておきのクッキーを食べたりする。
でも隠れるのが上手いから、私は彼を叱れない。
彼は私に本を勧めてくれる。
お気に入りの詩集の、お気に入りの詩を教えてくれる。
彼は雨が降ることを知らせてくれる。
でも洗濯物を取り込んではくれない。
濡れた洗濯物を洗濯機に入れながら、彼に文句を言おうとするけれど、
彼はカーテンの後ろに隠れて出てこようとしない。
私が時々疲れて洗い物をしないでいると、
寝ている間に洗い物をしてくれている時もある。
私がお礼を言おうとすると、
彼はコップのふちに座って得意げに足を揺らしている。
彼は時々いなくなる。
洗濯機の中やお風呂の蓋の裏、本棚の影を探しても、
緑色のとんがり帽は出てこない。
きっと今頃はツバメかアゲハ蝶を追いかけて、
どこかで迷子になっているんだろう。
私は今日ものんびりコーヒーを入れながら、
揺れるカーテンの隙間から、彼が顔を出すのを待っている。