政治を変える/18歳の有権者の皆さんへ(その4)

18歳の有権者の皆さんへ(その4)(2020年8月25日)

若者の意識と、それをどう政治や投票行動に移すか、

更には、日本の政治を変えるために何が必要かを考察しております。

>Q16.どうすれば若い人たちが選挙、引いては政治に関心を持つと思いますか。

今回はその2回目、自由回答の 2 >教育の充実 を取り上げます。

若者たちは、それぞれの言い方で、

選挙や政治に対する教育の不備を訴えている、と私は思います。

A>• 学校の授業で政治を積極的に扱う。子ども向けの政治解説番組のようなものを放送する。とにかく、子どもの頃から政治に関心を持つような環境を作る(女性)

この女性の世代には、

「日本社会全体の政治や選挙へのかかわり方が激変した」

ことを彼女なりの表現でしたものと思います。

つまり、日本社会には民主主義の在り方に対する理念がなく、

逆に、日常ではほぼほぼ政治の話はタブー視されてきました。

それは、ドイツの歩んだ戦後と真逆です。

ドイツでは、第二次世界大戦で、民主主義が暴走した結果、

ヒットラーの独裁を生み、

ユダヤ人の大虐殺などが起こったことを猛反省し、

扇動的な一部の勢力が暴走しないように、

社会の各層各部分に異なった意見が言える環境を整えました。

ですから、それぞれの人が支持政党を表明することも

変えることも普通に行われます。

裁判官も教師もそのほかの職種も、自分の支持政党などは明言します。

そのうえで、生徒たちや裁判の被告原告はあるいは他の職業利害関係者は

自分と政治的立場の違う人でも、人権も人格も尊重されて扱われます。

ドイツでは国民を不幸に陥れた軍や政治の指導者は断罪されました。


翻って日本、

国民を不幸に陥れた軍や政治の指導者は、一部の正直者は

戦犯などと言われ処分されたものの、

ずるい奴は裁判も受けずに、うまく生き残りました。

彼らは財産や権力を持ち続けました。

それが冷戦の世界構造の中で、

日本を共産圏化させたくないアメリカと利害が一致し、

戦前の言論統制が形を変えて日本で生き残りました。

私はそれを「大本営の生き残り」と呼んでいます。

言論統制とは、政府や支配者の言うこと以外は

国民が公の場で語れない仕組みです。

ですから、それを日本では制度化し、

公職選挙法と言う、政策を言うべき選挙で、

「お願いします」とか「名前」の連呼しかできないものにしたのです。

世界中の選挙で当然の最大の選挙運動である「個別訪問」は

「戸別訪問」と言う同音異義語て置き換えられ禁止されました。

巧みですよね。

「戸別訪問」の最大の禁止理由が

「個室内で買収が行われる可能性が高い」からです。

これ、皆さんどこかで聞いたことありませんか?

京都アニメーション放火殺人事件という、2019年(令和元年)7月18日に

京都府京都市伏見区で発生した放火殺人事件がありました。

それを受けて、国はガソリンを買う客に身分証明書を求めたり、しなければ

ガソリンスタンドは、

車にガソリンを入れる以外の販売をできなくしました。

放火殺人犯が、携行缶でガソリンを買ったから、

同様の悲惨な事件を繰り返さないため、との理由を上げていますが、

私なんかは笑ってしまいますが、

皆さんどうですか?

無差別殺人をしたいような人が本気で計画すれば、

証拠の残る携行缶を持ってわざわざガソリンを買いに行かなくても

ガソリンを手に入れるぐらいいくらでも方法を思いつくと思いませんか?


もとえ、「公職選挙法」の「戸別訪問禁止」の「買収の防止効果」です。

殺人事件と同じで、どうしても当選したい不当な輩は

「戸別訪問」しなくても「摘発されにくい買収方法」なんて

いくらでも思いつくし、現に、

自民党の河井前法相夫妻 参院選めぐる大規模買収事件、なんて、

それほど手の込んだ手口でさえありません。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200825/k10012581811000.html

「大本営の生き残り」は戦中戦後に日本人に染み込ませた

「隣組」と言う物理的・心理的共同監視体制を形を変えて利用しました。

公共施設、学校現場、はたまたちょっとした集会での

「政治的発言」の「自粛」です。



しかし、潮目は変わりました。

呉越同舟で違う夢を見る自民党系と民主党系の利害が一致したのです。

若年層に支持者が増えていると感じていた改憲勢力と

公約に選挙権年齢の引き下げをした政治勢力と

両勢力の共通項が「18歳選挙権」だったのです。

ですから、今の10代の人たちには、突然世の中が変わり一貫性がない

政治を語れない世の中から

政治を語らざるを得ない世の中に変わったことが、

A>• 子どもの頃から政治に関心を持つような環境を作る(女性)

必要が出てきたのですね。

そしてそれは、まだ始まったばかりです。以下のB,Cについても

同じ理由からそう感じているのでしょうね。


B>• 学校の授業がわかりにくく、楽しくないので選挙や政治のことがめんどくさそうなイメージがついていると思う。もっと気軽に学べるようにするといいと思う(女性)
C>• 義務教育での選挙シュミレーションや自分ならどのような政策を実施するかを考える授業を設ける(男性)

Dは、歴史の授業が、自分たちに縁遠い古代から始まりと言う

歴史と生活の関連性がないところから始まる、

教育行政のミスリード、文科省の教育行政への介入があります。

D>• 小中高等学校の社会科でもっと現代社会を、特に今現在の政治に絡めた話を充実させるべきだと思う。授業を受けていても今の政治の仕組みはあまりよく分からないし、関心も持てていない。過去の否定された政治体制や各国の政治体制から学び始めるのではなくて、現在の日本の政治を考えていく上で、生徒たちの意見に過去や他国の考え方等を重ねていく授業体制を取る
べきだと思う(女性)

いい意見ですよね。

本来歴史教育は現代からさかのぼるべきなのです。

そうすると、今の世の中はその前のこの事件がきっかけで始まったのだ

その事件はその前のこの人の言動があっだったのだと、

芋弦式に因果関係と脳内の整理ができます。

教育効率もよく、歴史への理解や興味も深まります。

しかし現実は

教育効率も悪く、歴史への理解や興味も起こりにくい、

人生に役立つ歴史でなく、

受験勉強にしか使えない、

考えない覚えるだけ教育になっています。

社会科教師の授業日程の組み立て能力欠如もあって、

年度末になって、戦中戦後の歴史は省略されることが

日本中で行われていると思います。

文科省の誰がそれを指揮しているかわかりませんが、

この国の成り立ちと歴史が天皇制を中心にしてきたことは教えるけれど、

その天皇の大失態と、責任を取らない天皇が登場する

近代日本史はあまり知られたくない。

との意図が隠されてないというのは結構難しいでしょう。

今10代の皆さんが、将来教職についた人は

これを踏まえてワクワクする歴史教育をしてください。

同時に、ワクワクする政治・選挙シミュレーション教育を

実践してください。

そして、何より自分たちが学ぶ最大の効果があるのが、

皆さん自ら選挙に出るのが一番の早道かもしれません。

それができた時には若者は政治参加している事になるのでしょう。

---- 以下はアンケート自由回答です。

>教育の充実
A>• 学校の授業で政治を積極的に扱う。子ども向けの政治解説番組のようなものを放送する。とにかく、子どもの頃から政治に関心を持つような環境を作る(女性)
B>• 学校の授業がわかりにくく、楽しくないので選挙や政治のことがめんどくさそうなイメージがついていると思う。もっと気軽に学べるようにするといいと思う(女性)
C>• 義務教育での選挙シュミレーションや自分ならどのような政策を実施するかを考える授業を設ける(男性)
D>• 小中高等学校の社会科でもっと現代社会を、特に今現在の政治に絡めた話を充実させるべきだと思う。授業を受けていても今の政治の仕組みはあまりよく分からないし、関心も持てていない。過去の否定された政治体制や各国の政治体制から学び始めるのではなくて、現在の日本の政治を考えていく上で、生徒たちの意見に過去や他国の考え方等を重ねていく授業体制を取る
べきだと思う(女性)

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