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田舎暮らしを始めませんか?向き不向き・その1

私は延べ3000人を超える若者を

私の有機農業法人に受け入れてきました。

1990年代後半を中心とする5年ほどの間にです。

90年代に入り、「百姓天国」と言う

農民が作る雑誌の編集発行を手伝いながら、

私の会社の求人を始めました。

週休二日8時間労働で

入社した日から初任給19万円程で有機農業ができる

社会保険、無料の社員寮など完備の労働条件でした。


1996年にインターネット通販を始め、

ネットにも求人を掲載し、

リクルートなどの求人情報誌に掲載し、

都会での会社説明会をしました。

長蛇の列でした。


農業体験をしたい人、就職面接、などで、

毎日誰かの体験者が来ました。

多い日は1日3名来た事もあります。


どうして農業をしたいか、農業が如何に重要な産業か

さまざまな思いを込めた作文やレポートが

メール、fax、手紙、持参など様々な形で

読む事になりました。


中には押し掛け女房的に、

ほぼ引っ越し状態で来る人もいました。


私は本人の希望する農作業体験をしてもらい、

もちろん、私や社員が一緒にです。


本人の申告の希望の滞在日程の最後に

ちょっとしたテストをしました。


あるロープワークです。

それを最初からできると言う人は除外して、

以下のようにやりました。

「私が一度だけ、見本を見せます。

説明をしながら、ゆっくりやりますので、

復唱しながら注意深く見てください。」

と言って、右手と左手の位置、

長さの目安、ねじり方やその意味、

どこにどう力を加えるか、

体重のかけ方によっては危険だ

等です。

実に1分はかけました。

私は出来上がったロープワークをそのままにして、

「1回で完成して下さい。」

と言いました。

一回でできない人には、

希望があれば

2回目も同じことを教えました。

その希望を言わず、諦めた人もいます。

2回で、投げ出した人もいます。

3回目もしました。


私は1回でできる人の中で

入社希望の人しか社員には採用しませんでした。

3000人の中で、1回でできた人は

100人ぐらいはいたと思います。


私は父からそのロープワークを習った時

1回ではできませんでした。

しかし、父は私のような解説をして教えてくれたわけではありません。

「こうやって、こうやって、こうやったらできる。」

それだけです。所要時間モノの2-3秒です。

二三回やって、やっとできました。

その間に私は、教え方を完成しました。

中学校の理科の言葉などで物理法則の意味づけをしました。


話がそれましたね。

体験者は自己申告で、日程を言うのですが、

社員寮などで泊って、

朝、気が付くと居ない人、

夜逃げですね。

寝るまでは

「楽しかった。よかった。」と言って

酒盛りで盛り上がっていたのに

誰にも何も言わず消えていました。


朝着て、昼飯の時にはいない人、

昼飯前ですね。


逆に、結構長い間いる人もいました。

その人は「頭で無く体を使うのが好き」

と言う人が多かったです。


私は「派手で、目立って、楽で、楽しい農業」

を自慢していたので、

体力だけに頼る農業には否定的でした。

少なくとも私の会社は

根性や体力勝負は目指していませんでした。


また話がそれましたね。

私の会社で、一番仕事のできた社員は

高卒で、うちに来る前に30以上仕事を変わり、

ほとんどが3カ月程度

「しか持たない」と他の会社の採用担当者は感じる?

サーフィンの大好きな青年でした。

俺は「漁師になりたいんだよね。

でも全国の漁協はどこも受け入れてくれないんだ。

だから漁業にちょっと近い農業にしたんだ。」

と面接で言いました。

以下次号












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