記憶力が悪い私が本を読む意味

私は本が好きです。
小さい頃から小説が好きで、色々な本を読んできました。
と言ってもそこまで読書家というわけでもなく、高校以降はめっきり読む量も減り、社会人になってからは3ヶ月に1冊読めばいい方でした。

しかし大人になってから読むジャンルが広がり、小説以外の本もとても楽しく読めるようになってきたことで最近再び読書を楽しむようになりました。
ジャンルはいわゆる自己啓発から、新書や、学術書、エッセイなど本当に様々です。

中でも学術書はほとんど触れたことがなかったので、初めて読んだ時は知らないことがこんなに沢山詰まっているなんてなんて親切なんだ!(?)と感動しました。

きっかけはSF映画で、宇宙について知りたくなったことでした。
知ってるほうが楽しめると何処かで見たので重力の本を読んだのです。
内容は難しく、苦労はしましたがとても面白く、読了した時の感動を覚えています。

さて、問題はここからです。
記憶力があまり良くないのです。
大学受験の時に必死に詰め込んだ世界史も、英語も、理科も、はたまた数学も、本当に残念なことに覚えるものは軒並み忘れてしまいました。
ですので例に漏れず、重力の理屈も理論もほとんど綺麗さっぱり忘れてしまったのです。

誰かに言われると、あ〜、そうだった!と思い出すことはあっても、あれ、それってこれだったっけ?違ったっけ?というあまりにも曖昧なレベルなのです。
我ながら悲しくなるのですが、リアルでこうなのです。
特に世界史なんかは海外旅行の時に本当に役に立つのでかなり勿体無いとしみじみ実感しています。

この記憶力の悪さのせいもあり、社会人になってからあまり真面目に勉強しなくなりました。
真面目に勉強してもどうせまたすぐ忘れるのだろうと。

そういう不貞腐れた思いがあったのですが、最近ふと気づいたことがありました。
SF映画を見た時に、前までなら設定で引っかかっていたところが特に疑問に思うことなく、そのまま入り込むことができるのです!
もしかしてこれは読んだ意味があったのでは?

趣味で読む学術書は私の場合、覚えようと思って読んでいません。
その時その時で、へぇ〜!知らなかった〜なるほどね〜となるためだけに読んでいます。
なので意味がないと悲観していたのですが、一回納得して頭を通っていると、二回目にその物事にあたった場合に疑問を持つことがないという利点に気がつきました。
一回その問題は解き終わっているからです。
納得した理由について聞かれると、答えられるほど覚えているわけではないので、なんだったっけ〜となるのですが、なるほどなぁ〜の感覚だけは残っているので、入り込むハードルが低くなった感覚でした。

これは私にとっては大発見で、その場の楽しみだけしか見出せなかった読書が、ちゃんと自分の中に蓄積されていたという事実がとても嬉しかったです。

もちろん人に聞かれて答えられるレベルに覚えているのがベストなのですが、忘れるけれど意味のある行為だったという安心感は、読書の後押しになります。

自分の頭の中の容量の問題もあるので、これからも覚えは悪いままだと思いますが、記憶力の有無に関わらず、これからも気にせず本を読んでいきたいと思います。
こんな残念な人間そういないと思いますが、居られましたら一緒に気にせずどんどん忘れていきましょう!

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